例会・イベントのお知らせ




 武生ルネサンス通信 315号

2022年11月3日

   

4月例会のお知らせ


日時  4月30日(日)11:00〜15:00 
場所 府中町屋倶楽部
内容 久しぶりの顔合わせ 
コロナが蔓延し始めてから、皆様に『絵暦』の仕上げ作業に来ていただいた以外、 ほとんど町屋倶楽部で、歓談することはなかったような気がします。
漸くマスク着用も個人の自由になりましたので、弁当を用意して、一献傾けながら暫し、四方山話に花を咲かせたいと思います。








■武生ルネサンス設立の年から、発行し始めた『絵暦』が、令和5年度で、30回目の発行になり、ここで打ち止めにしました。これからの武生ルネサンスは、どのような会にしていったらいいでしょう。今までのことを振り返り、行く末をみんなで考えたいと思います。 来し方を思い出す資料として、簡単にこれまでのことを記しておきます。

■1992(平成4)公会堂、大井家の活用保存を呼び掛けて、「武生の文化を考える会」発足
1993(平成5)武生ルネサンス設立
日本美術シンポジウム(美術史の中の武生)
公会堂基本構想市へ提案、大井家保存運動開始
『絵暦』第一号発行〈古里名所絵暦〉
1994(平成6)シンポジウム「町衆」、『福井県下商工便覧』『絵暦』発行、公会堂利用設置嘆願書提出、佐伯祐三美術館問題現況報告会
『TAKEFU’NESS』、『絵暦』発行
1996(平成8)シンポジウム「武生の産業知識人T」、『在りし日の武生の文化サロン逍遥園』『絵暦』発行、北海道遠別との交流
1997(平成9)シンポジウム「武生の産業知識人U」
1998(平成10)武生再発見「市内に残る歴史的建造物」写真展
1999(平成11)町並み調査開始
大井家解体移築(御殿場市)
2000(平成12)「武生の気になる庭写真展T」
町家再生工事(「府中町屋倶楽部」発足)
2001(平成13)「武生の気になる庭写真展U」
町並み調査報告書作成、市に提出
2003(平成15)「武生の気になる写真展V」
企画展「探美 今利休になろう」
2007(平成19)まちづくりセミナー
「かつての武生」20世紀前半の武生を振り返る
都市再生モデル調査、町中にモミジを植える
2008(平成20)都市再生モデル調査発表
町中にモミジを植える>


■この年以後は、社会に働きかける活動はしてないのですが、毎年、花見の宴や、茶会を催し、1年に1度は少し遠出の旅行をし 、色々な学習会をしたりして、有意義で楽しい時間を共有してきました。
またコロナ禍のために集まることができなかった時も、『絵暦』だけは毎年発行してきました。 設立の時には会員の平均年齢が40歳あたりだったのですが、今は70歳を越えています。 考えてみますと、これからこそ、何にも縛られないこの仲間がお互いにとって貴重な存在になるのかもしれません。





 武生ルネサンス通信 314号

2022年11月3日

   

11月例会のお知らせ


日時  11月23日(祝)13:30〜16:30 
場所 府中町屋倶楽部
内容 令和5年絵暦ケース組み立て作業 


今年は年初めから一度も例会を開かれないまま、ケース入れ作業のご協力依頼の通信を出すことになってしまいました。
昨年から予告しておりましたように、『絵暦』の発行を今回で打ち止めにしたいと思います。
最後の作業になります。
皆様ご協力あってこそ、発行が可能ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
お帰りの際は、出来立ての『絵暦』をお持ち帰りください。






■今月の7日は、立冬です。世の中の動きがどうであれ、この時期になりますと、庭の山茶花が咲き始め、石蕗が満開になっています。
平成5年の武生ルネサンス設立の年から、発行し続けてまいりました『絵暦』も必要なテーマはほとんど扱ったと思いますので、いささか未練は残りますが、今年のテーマを最後にすることにしました。

旧暦『絵暦─越前宙篇』の楽しみ方
海や山から昇る朝日、または沈む夕日を眺め、拝みたいほどの感動を覚えたり、満月や繊月に色々な思い出を重ねたり、宵の明星や明けの明星を、吸い込まれるようにいつまでも眺めていたりした経験は、どなたにもあると思います。
ふるさとの歴史、文化、自然などをテーマに『絵暦』を発行し続けて30年目の今回は、見上げればどこからでも共通に見られる「宙(そら)」を取り上げました。
ところで日、月、星を日本人はどのように見てきたのかと、古典を振り返ってみた時、一番先に思い出されるのは、『枕草子』の記述です。

「日は、入日。入り果てぬる山 の端に、光、なほとまりて、赤う見ゆるに、淡(うす)黄(き)ばみたる雲の、たなびきわたりたる、いとあ はれなり」(234段)
「月は、有明の、東の山際 に、細くて出づるほど、いとあはれなり」(235 段)
「星は、昂(すばる)。牽牛(ひこ)星(ぼし)。太白(ゆふ)星(づつ)。よばひ星、すこしをかし。尾だになからましかば、まいて」(236段)

千年以上前の平安時代中期に、既に日本人の風景観や、自然観が今と通じるものであったことに感心します。
清少納言は、日と月については「いとあはれなり」といい、星については「すこしをかし」と、言っていることから、日や月が愛でる対象なのに反し、星については少し違っていたように思います。その後の歌の世界を眺めても、日や月に比べて星を詠んだものは、極端に少ないようで、『百人一首』には、月は19首詠まれているのに、星を歌った歌は1首も入っていません。星にはどこか畏れを感じていたように思えます。現代では、世の中が夜でも明るくなりすぎて、街中では星の美しさに気が付かずに日々を過ごしているかもしれません。闇を大切にして、星の美しさを日や月同じように、鑑賞したいものだと思います





 武生ルネサンス通信 313号

2022年1月15日

   

1月例会(総会)お休み



  寒中お見舞い申しあげます。

          今年こそはコロナから解放されて、皆様と新年のご挨拶ができるかと思っ         ておりましたのに、このところオミクロン株が蔓延し、福井県の感染者も         多くなっておりますので、1月の例会もまた中止せざるを得ませんでした。         今年は1月5日が「小寒」(寒の入り)で、この日から節分までを「寒の内」         といい、厳しい寒さが続くようです。大雪にならないことを願います。冬の         季節の最後の二十四節気である「大寒」は、1月20日です。
         昨年11月の勤労感謝の日には、コロナ禍のある中、ケース入れ作業に協         力していただきましてありがとうございました。
        年会費をお願いします。2,000円/年(会友の方は1,000円/年)
        郵便振替:口座番号/00790-3-8194 名義/武生ルネサンス 






■令和4年の『絵暦‐越前の小さな自然篇』の売れ行きは好調で、残部は30部ほどです

■『絵暦』についての感想が沢山寄せられていますので、その一部をご紹介いたします。

「ステキな絵暦毎年楽しみにしています。林さんの写真には、自然への愛や慈しみが感じられます」(日本シェアリングネイチャー協会・井上満様)
 「見惚れるような写真ばかり。全体のデザインも素晴らしく、解説も楽しいです。題材の組み合わせも素敵です」(神奈川・和田律子様)
 「いつもながら心に沁みる写真です。福井に住んでいる山室出身の友人に送ってほしい」(東京・内藤賦一様)
 「素敵な絵暦にご縁をいただいて、何だか大きな力がいつも見守ってくれているようなありがたさを感じています」(神奈川・久保礼子様)
 「どうしてこのように撮影できるのかと1頁ごとに考えます。このような素晴らしい自然に恵まれている御地が何よりも貴重に思われます。そして話しかけるように撮っておられる!手品のようなカメラ捌き!」(東京・服部マサ子様)
 「毎年テーマを変え、越前にこだわられた絵暦を発行なさることに感動します。写真家のその一瞬をとらえられる感覚に、こちらも息を止める思いで拝見しました。」(東京・金平輝子様)
 「写真はどれも繊細で思いがこもっていて、いつまでも見つめていたくなるショットです。よくぞこの瞬間を切り取ってくれたものと、心がキュンとします」(東京・岩田伸子様)
 「今年も友人、知り合いの方たちに配ります。俳句をやっている友人から喜ばれたり、夫を亡くされた方から写真を見てとても心が静まったと、ご連絡をいただいています。是非ずっと続けていただきたい」(東京・偕成社千葉美香様)
 「絵暦の写真を拝見し、”神は小さきに宿る”という言葉を思い出しました。この1年コロナ禍で行事までがなく、のっぺりとしたかんじでした。それだけに季節を感じられるものがありがたく感じられます」(大阪・永井靖二様) 
「我が家ではこの絵暦をリビングの飾りの一つにしているので、来客の多くが面白がって頁を繰ります。そんなわけで我が家の近所では越前の自然を知っている人が増えているんです」(沖縄・十郎慎一様)
 「トイレに定位置があります。年々クオリティが上がる感じがします」(東京・上野千鶴子様)
 「毎年毎年、趣向を凝らした暦が楽しいのですが、今回は特に魂を思わせるような球形の写真が多く素敵でした」(東京・鈴木千恵子様)




 武生ルネサンス通信 312号

2021年11月5日

   

11月例会のお知らせ


日時  11月23日(祝)13:30〜16:30 
場所 府中町屋倶楽部
内容 令和4年絵暦ケース組み立て作業 


 昨年に引き続いて今年もコロナ禍のために、何かと自粛生活を強いられている間に、毎年皆様にお願いしております絵暦の最終仕上げの時期になりました。
絵暦は皆様のご協力なくしては発行できませんので、例年通り勤労感謝の日の3時間ほどの作業に手を貸していただけますよう心からお願いいたします。
お帰りの際は、出来立ての『絵暦』をお持ち帰りください。






■今年も昨年と同じで、11月 7日が立冬です。夏から秋にかけていつまでも暑かったのに、この頃の早朝の気温は10度まで下がり、一枚羽織らないといられないほどです。 庭には初冬の花ツワブキが満開ですし、「暮れ早し」とか「日短か」という季語がなるほどと思われるくらい夕方5時ごろにもう日が沈んでしまいます。
皆様、暗くなる前の4時半頃には作業が終わるようにしたいと思いますので、お一人でも多くの方のお手伝いをお願いいたします。 絵暦の発行部数は、1,500部です。12月中に完売できますようにご協力ください。

■旧暦『絵暦─越前の小さな自然篇』の楽しみ方

朝日が射し始める頃、外に出ると木々に張られた蜘蛛の巣に朝露がかかって、キラキラ輝いています。 百人一首の歌、「白露に風の吹きしく秋の野はつらぬき留めぬ玉ぞ散りける」が思い出されます。 考えてみますと、昔の和歌には、現代では気づかずに過ぎてしまっている美しい自然描写が沢山見られます。 人工的なものが殆どなかった時代には、きっと自然の中に色々な神秘性を感じていたのだろうと思います。 1962年に、地球の環境汚染と破壊の実態を告発した『沈黙の春』を完成させたアメリカの海洋学者レーチェル・カーソンは、最後のメッセージとして、『センス・オブ・ワンダー』を私たちに残してくれました。 彼女はその本の中で、次のように言っています。
「子どもといっしょに自然を探検するということは、まわりにあるすべてのものに対するあなた自身の感性にみがきをかけるということです。 それはしばらく使っていなかった感覚の回路を開くこと、つまり、あなたの目、耳、鼻、指先の使い方をもう一度学び直すことなのです。 私たちの多くは,まわりの世界のほとんどを視覚を通して認識しています。 しかし、目にはしていながら本当は見ていないことも多いのです。 見すごしていた美しさに目をひらく一つの方法は、自分自身に問いかけてみることです。 『もしこれが、今までに一度も見たことがなかったものだとしたら?もし、これを二度と再び見ることができないとしたら?』と。」
また「自然のいちばん繊細な手仕事は、小さいものの中に見られます。」とも述べています。
今回の絵暦は、林昌尚さんが、自然に対するその卓越した感性と撮影技術で、身近なところにある自然の美や神秘性を私たちの目に見える形にしてくださいました。
    武生ルネサンス出版部 三木世嗣美







 武生ルネサンス通信 311号

2021年8月10日

   

8月例会のお知らせ


日時  8月22日(日)14:00〜16:00 
場所 ラピュータ
講演 ジョージアの旅 
講師 福井宇洋氏(越前古民家研究所代表) 


コロナ禍の為に、昨年の7月以来、延期になっておりましたジョージア旅行の話を、お聴きすることにしました。
福井県の感染者はまた増加傾向にありますが、武生ルネサンス会員につきましては、ワクチンの接種を済ましたようですので、今回は、実行することにいたします。
しかし、マスク着用は守っていただきますようにお願いいたします。






■『絵暦』の草花篇、虫たち篇を担当していただいた津郷勇さんから、先だって、川トンボ(ゴクラクトンボ)の写真と一緒に「極楽も地獄に勝る酷暑とや」という諧謔性のある俳句をいただきました。 8月7日は、二十四節気の「立秋」だというのに、連日「炎暑」ともいうべき暑さが続いています。 現在、全国的にもコロナの感染者が急拡大している中、オリンピックが終わろうとしていますが、今回は、メダルラッシュで、多くの感動がメディアを通じて届けられました。 しかし、この間、米パシフィック大学の、政治学教授の言葉の「スポーツウオッシング」が、何度か頭を過ぎりました。

■さて今月やっと実施することにしました福井さんの「ジョージア旅行」報告は、昨年の7月に予定して以後、楽しみに待っていてくださる方が何人もおられます。 それで、なるべく密にならないように、福井から来られる予定の方で,一緒にジョージアの旅を楽しまれた方々には、福井で別に聴く会を持っていただくようにお願いいたしました。

■ジョージアは、元グルジアという国ですが、日本人のほとんどが行かない所と、言われているぐらい馴染みのない国です。
でも実は世界史的にみても古い国で、一部のヨーロッパ文化の発祥の地ともいわれているそうです。 特にワイン発祥の国として有名です。お話いただく福井さんからのメッセージをもう一度書いておきます。

■福井宇洋さんからのメッセージ

「自主上映グループ、ミニ・キネマ・福井は、2018年9月にジョージア映画『花咲くころ』を上映しました。この作品は、岩波ホールが創立 50周年記念として同年2月から3月に上映し たものです。この映画の日本語字幕を担当したのが福井県金津出身で、当時ジョージア日本大使館員だった児島さんでした。ちょうど帰国中でしたので、上映会にもお招きして、お話をしていただくことができました。それがきっかけでジョージア旅行が実現しました。児島さんには、旅行計画の助言のみならず、首都トビリシの案内もしていただきました。黒海と、カスピ海の間にあるコーカサス山脈に抱かれた人口373万人のジョージアは、ワインの発祥地でもあります。日本から8,000`離れたこの国で、武生ルネサンス会員の高橋忠栄さん、ますさん、中村紀久子さん、福井宇洋を含む13人は1週間の旅を楽しみました。」







 武生ルネサンス通信 309号

2021年3月8日

   

4月例会のお知らせ


日時  4月4日(日)11:30〜14:00 
場所 越前市北山町舟山
内容 山の中での散策花見 


 昨年以来、ほとんど会の行事が出来ておりませんので、せめて辛夷と桜の咲く季節に、舟山貸し切りの花見を行いたいと思います。 花見弁当、飲み物は用意しておきます。
会費は無料ですが、弁当の準備の為に、参加希望者は3月末までに、ご連絡ください。

 *年会費をお願いいたします。 
       2,000円/年(通信を受け取るだけの方は、1,000円/年)
       郵便振替/口座番号00790-3-8194 名義/武生ルネサンス






■舟山は、標高74mの小さい丘で、ぶらぶら散策には丁度良いところです。
4月4日頃は、足元にタチツボスミレ、ショウジョウバカマ、カタクリなどが咲き、目を凝らすと、ササユリも見つけることができるかもしれません。 そして品よく咲く桜と辛夷もきれいです。 代々続く松村権衛門さん個人のものですので、あまり知られてはおりませんが、とても見どころのある山です。 昨年に引き続き、今年もお願いしました。舟山の登り口は、「織田運送」の隣「佐々木設備」の駐車場の横です。松村さんが頼んでくださっているので、佐々木設備さんの駐車場に車を止めてください。 駐車場で弁当と飲み物を受け取ってから、周りの草花を楽しみつつ、上の建物のあるところまでお上がりください。

■3月5日に二十四節気の「啓蟄」を迎えました。
寒い冬の間、土の中で鎮まっていた虫たちが穴を啓いて這い出して来ることから、啓蟄といいますが、この頃には、雷が多くなります。 昔の人は冬ごもりの虫たちが雷の音に驚いて這い出して来るのだろうと考え、この頃の雷を「虫だしの雷」と、言ったそうです。 毎年同じように春になって虫が這い出して来ると思っていると、知らないうちに見かけなくなっているものもあります。

■最近読んだものに次のような注目すべき記述がありましたので、ご紹介します。

「地球上の陸域の75%は人間の手によって改変されている。現時点で100万種の動植物が絶滅の危機に瀕している。 この絶滅速度は、過去1000万年間における絶滅の平均速度を10倍〜100倍も上回る。 つまり現代は大絶滅の時代に入っている。 生物進化の歴史40億年の間には地球上の生命の70%以上が死滅する大絶滅というイベントが最低でも5回は起きているとされる。 これらの大絶滅は、地殻変動や巨大火山の噴火、隕石の落下など自然現象による大規模な地球環境変動が原因とされている。 いずれの大絶滅においてもその絶滅速度は化石データからの検証によれば200万年以上の長い時間をかけて徐々に進行したと考えられている。 ところが現在、人間が引き起こしている環境破壊は、熱帯雨林の奥地から極地の氷上に至るまで、地球上いたる所に影響が及び、生物の絶滅速度は、過去の大絶滅よりも圧倒的に速いとされている。 まさに現代は絶滅の時代と言っていい。」
(『世界』2021年2月号 五箇公一「生物多様性とは何か、なぜ重要なのか?」岩波書店)












 武生ルネサンス通信 308号

2021年2月8日

   

2月例会はお休みです




新年になりましたら、例会を開催できるかと思っておりましたが、まだ大勢が集まって話をするのは、危険があるようですので、もう少し辛抱することにいたします。 2月12日は旧暦の元旦です。旧暦正月前の2月3日に立春を迎えてますので、「年内立春」ということになります。

「年のうちに春は来にけり ひととせを去年とやいはむ 今年とはいはむ」(「古今和歌集」巻1 在原元方作:在原業平の孫)はまさに今年の ようなことを歌ったものです。

 *年会費をお願いいたします。 
       2,000円/年(通信を受け取るだけの方は、1,000円/年)
       郵便振替/口座番号00790-3-8194 名義/武生ルネサンス






■武生ルネサンス通信307号を出したのは11月ですから、2ヶ月通信もお休みさせていただきました。 コロナ禍の中、11月には『絵暦』のケース入れ作業に協力していただきましてありがとうございました。今回は世の趨勢を考えて、『絵暦―越前の行雲篇』の発行部数を1,500部に減らしましたので、12月半ばで完売になりました。 河合俊成さんと林昌尚さんの見事な写真のお陰で、非常に好評で、色々な賞賛の声が寄せられていますので、その一部をご紹介したいと思います。

■「2020年の写真は1枚1枚息を呑むようでしたが、今回の雲の写真も素晴らしいですね。1年間楽しめそうです。」(東京・上野千鶴子様)
「武生の文化、ここに生きる!という感じがします。」(東京・後藤祥子様)
「毎年絵暦を拝見するたびに、美しい!と、絶句いたします。」(東京・金平輝子様)
「まさに変幻自在な雲の姿を愛でるとともに、うね雲とかはね雲とか形状にピッタリのネーミングの巧みさも楽しみました。雲を見る楽しみが増えました。」(富山・小林すみ子様)
「毎年のテーマに加古がいろいろと思い出話をしてくれたことを思い出します。」(神奈川・鈴木万里様)
「昔中学生だったころ、毎朝雲を見て日記に書いていたことがありましたので、嬉しいです。色々の雲の名前が面白かったのです。今は家内とよく月を見ます。絵暦のおかげです。」(鹿児島・神田橋條治様)
「雲の写真見事ですね。雄大な雲は何を思うのでしょう。雲になりたいです。」(滋賀・木下愛子様)
「毎回感心するのが、この台紙の色使いです。抑えた色調の古代色で、今回のねずみ色系の上品な、なんとも言えない落ち着いた色具合、写真同様そのセンスの良さを感じます。大変気に入りました。」(東京・岩田伸子様)
「雲の写真素晴らしいです。この暦のお陰で、今年は満月をほとんど見逃すことなく過ごせました。」(福井・栗波敏郎様)
「毎年とても感動するのですが、2021年の雲はひときわ素敵です。」(福井・吉田真美子様)
「越前の空や雲にこんなに豊かな表情があるのですね。在宅の身になって2年たつのに、このような日常の何気ない光景を味わうような心のゆとりが持てていません。毎年、絵暦を楽しみにしていた亡母の仏前に供えさせていただきました。私の机上に来るのはもう少し先になりそうです。」(福井・吉田純一様)
「感動的な写真です。何度も何度も見ています。この絵暦の企画はどの地方にもない。これこそ文化です。」(東京・服部マサ子様)









 武生ルネサンス通信 307号

2020年11月11日

   

11月例会のお知らせ


日時  11月23日(祝)13:30〜16:30 
場所 府中町屋倶楽部
内容 令和3年絵暦ケース組み立て作業 


今年はコロナ禍のために、年の初めにお知らせいたしました事業計画がほとんど実行できないまま年末を迎えることになります。
毎年恒例の勤労感謝の日の行事ですが、今年も何とか皆様のお力をお借りしたいと思います。
マスク着用の上、作業に協力していただけますよう心からお願いいたします。
お帰りの際は、出来立て『絵暦』をお持ち帰りください。






■窓から差し込む光も弱く斜めになって、夕方は、びっくりするほど早く暗くなってしまいます。 先日7日は立冬でした。毎日コロナを心配する日が続き、なんとなく落ち着かないうちに、自然はいつの間にか冬に近づいております。

■今年も『絵暦』の時期がやってまいりました。 今年は自粛ムードもあり、発行部数を1,500部に減らしました。皆様のご協力を得ながら何とか完売になるように努力したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

■旧暦『絵暦─越前の行雲篇』の楽しみ方
「ある夜のこと、煌々と輝く月に一塊の黒い雲が近づいてきました。「あー、もうじき月が雲に呑み込まれる」と思いながら、数分経って空を見上げたら、 雲は風に流されて月を隠すどころか、その大きな雲自体が消えてなくなっていました。  季節や、時刻によって、全く違う姿を見せる雲は、 いつまでも見飽きないものであり、心の癒し、明日への活力、時には大きな感動を与えてくれる場合もあります。今回は、変幻自在の雲を、「越前の行雲篇」として、 編集いたしました。
「行雲」は、鴨長明著『方丈記』 の冒頭「ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず」に込められた「行雲流水」の思いに繋が ります。
雲と言いますと、山村暮鳥の「おうい雲よ/ゆうゆうと /馬鹿にのんきさうじゃないか/どこまでゆくんだ/ ずっと磐城平の方までゆくんか」の詩や、小川未明の童話「山の上の木と雲の話」を思い 出します。これは、高い山の上に立っている一本の木が忘れがたい体験をする話です。「ある年の夏の夕暮れ方のことであります。あんなに美しい雲を見たことがありません。その雲は実に美しい雲でした。にこやかに笑っていました。体には、紅・紫・黄・金・銀、あらゆるまばゆいほどの華やかな色彩で織られた着物をまとっていました。 髪は、長く、黄金色の波のように巻き上がっていました。その雲は、おそらく大空の年若い女王でありましたでしょう。ゆうゆうと空を漂って、この山を過ぎるのでした。木は、魂まで、ぼんやりとして、ただ夢心地になって、空を見上げていました。なんという美しい雲だろう。あんな美しい姿のものが、この宇宙には住んでいるのだろう か?と、木は思って眺めていました。」と。小川未明には雲に関する童話が多く、青春時代に住んだ新潟県上越市に建てられた詩碑には、「雲の如く高く/ くものごとくかがやき/雲のごとくとらわれず」と刻まれています。」
武生ルネサンス出版部 三木世嗣美






 武生ルネサンス通信 306号

2020年9月1日

   

お知らせ


9月の例会はコロナ禍のために中止にします。 


3月に舟山で花見をした後、4月、5月は休み、6月にはなんとか「丸岡城の魅力と謎」の講演を聞くことができました。
コロナ禍も下火になってきたので、7月は、「ジョージア旅行記」を福井宇洋氏にお話ししてもらうつもりで通信を出しましたのに、
また感染者が増えてきて、中止せざるをえませんでした。でも9月には収まっているだろうと思い、
9月19日、福井歴女の会会長の後藤ひろみさんに、「陰陽師」の話をしてもらうように頼んでおりました。
しかし、最近また感染者が急に増加傾向になりましたので、残念ながら中止いたします。
この分では10月も休むことになりそうです。 



■8月7日に二十四節気の「立秋」を迎え、23日は暑さが止むという意味の「処暑」でしたのに、 毎日毎日、熱中症の心配をしないといけない程の猛暑が続いております。皆様、コロナ禍の上にこの異常な暑さ、いかがお過ごしでしょうか? 上にも書きましたように、1月の通信でお知らせいたしました武生ルネサンスの年間行事計画も殆ど実行できていない状況です。

■その中で、『絵暦』事業だけは何とか通常通りに進めています。来年の『絵暦』は、以前から提案がありました「雲」を取り上げました。 季節ごとに、時間ごとに刻々変わる雲はとても魅力的なものの、作品としてまとめるのはなかなか困難でしたが、最近3年ほどかけて、林昌尚さんと河合俊成さんに撮りためていただいたものを『絵暦―越前の行雲篇』として仕上げました。現在印刷の段階に来ています。

■「発刊に寄せて」を紹介いたします。

 昨年・一昨年に引き続き絵暦の作成に携わらせていただきました。 皆さんは空にぽっかりと浮かぶわた雲を見たことがありますか?おそらく全員が「見たことある!」と言われるでしょう。しかし、そんな毎日なにげなく目にしている雲を意識して観察したり、考えてみたりしたことはあるでしょうか?ほとんどの方が「無いね え!」と答えるのではないでしょうか。 私自身、改めて雲そのものを意識して撮影してみると、全く同じ雲に出会うことが無いその多様性の面白さに完全に心を奪われてしまいました。風に乗って刻一刻と変化しながら流れて行く雲、もくもくと天高く湧きあがる入道雲など、どの雲を見ていても飽きないばかりかその変化の面白さに時間を忘れて見入ってしまいました。そんな素晴らしい出来事が毎日私たちの頭上で展開されているのです。  
『もったいないと思いませんか?』
  【世界気象機関】では様々な形で展開される全ての雲が、たったの『10種類』に分類されています。 今回、その10種類に分類されている雲の代表的な姿が絵暦に入るように撮影してみましたので、是非雲の種類(名前)や形などお楽しみください。
 今年もまた大変な自然災害に見舞われました。   《観天望気:生物の行動や自然現象(雲や霧の様子)を観察して天気を予想すること》  特に山の天気は雲の種類や形などで予想が出来ると言います。   これを機会にお出かけの際には空を見上げて雲を観る習慣を身につけてはいかがでしょうか? そこには必ず皆様の生活に役に立つ(自分の身を守る)ヒントやサインがあると思います。 
                      ネイチャーフォトグラファー 林 昌尚




 武生ルネサンス通信 305号

2020年7月6日

   

7月例会のお知らせ


日時  7月18日(土)14:00〜16:00 
場所 ラピュータ
講演 「ジョージアの旅」 
 福井 宇洋氏(越前古民家研究所代表)


日本人の99%がいかないという国ジョージアへ、
2019年9月に1週間行ってこられた旅行記です。



■6月の例会では、吉田純一氏から、今まで天正4年(1576)創建だといわれていた丸岡城天守ですが、板戸のはめ板、床板、柱や梁などの伐採年代が、放射性炭素や酸素同位体比、年輪年代の測定法などから、1620年代以降ということが判明し、更に柱の墨書を再検討した結果、現天守は寛永5年(1628)3月に造られたことが分かった事の詳しい経緯をお聞きしました。

■グルジアというと、一番先に頭に浮かぶのはレーニン後の旧ソ連の最高指導者スターリンの出身地ということでした。ところが2018年の初場所で、ジョージア出身の力士栃ノ心が初優勝をして、話題になっていたので、今はグルジアがジョージアと国名が変わったことも知りました。アメリカのジョージア州や、ジョージアコーヒーとも関連があるのかな等思いつつも、考えてみたらほとんど知らない国です。実は世界史的にみても古い国で、一部のヨーロッパ文化の発祥の地ともいわれているとか。

■福井宇洋氏からのメッセージ>
「自主上映グループ、ミニ・キネマ・福井は、2018年9月にジョージア映画『花咲くころ』を上映しました。この作品は、岩波ホールが創立 50周年記念として同年2月から3月に上映したものです。この映画の日本語字幕を担当したのが福井県金津出身で、当時ジョージア日本大使館員だった児島さんでした。 ちょうど帰国中でしたので、上映会にもお招きして、お話をしていただくことができました。 それがきっかけでジョージア旅行が実現しました。 児島さんには、旅行計画の助言のみならず、首都トビリシの案内もしていただきました。 黒海と、カスピ海の間にあるコーカサス山脈に抱かれた人口373万人のジョージアは、ワインの発祥地でもあります。 日本から8,000`離れたこの国で、武生ルネサンス会員の高橋忠栄さん、ますさん、中村紀久子さん、福井宇洋を含む13人は1週間の旅を楽しみました。」

■あまり知られていない国のお話です。会員でない方でも、興味のある方がいらっしゃれば、お誘いくださって結構です。

■8月は、例会をお休みいたします。

■9月の例会は、「くずし字の学習会」になっておりましたが、それを変更し、3月に予定していながら、コロナウイルスのために、中止せざるを得なかった福井歴女の会会長の後藤ひろみ氏による講演「陰陽師 安倍晴明」を、9月19日(土)14:00から行うことにします。



 武生ルネサンス通信 302号

2020年2月10日

   

2月例会のお知らせ


日時  2月29日(土)19:30〜21:00 
場所 ラピュタ
内容 講演 「人口減少社会という希望」
講師 井上清一氏(福井高専名誉教授)ロボット工学
少子高齢化の危機が叫ばれてから久しい今の時代、
人口が減少したとはいえ、ヨーロッパの国々よりもまだ人口の多い日本。
人口が減少することは、果たしてまずい事ばかりなのかどうか、
井上先生にお話を伺います

*年会費をお願いいたします。 
       2,000円/年(通信を受け取るだけの方は、1,000円/年)
       郵便振替/口座番号00790-3-8194 名義/武生ルネサンス




■今年は雪無しで終わるのかと思っていましたところ、節分、立春が過ぎてから、初積雪がありました。でも春の淡雪といいますから、直ぐに消えるでしょう。それにしても冷え込みは相当なものですので、あまり暖かくて、冬眠から覚めようとしていた生き物たちもまた眠りについたかなと思うと安心です

■先月の総会で、決算報告の後、今年の行事計画について皆さんに希望を出していただきました。日程、内容について次のように決まりましたので、お知らせいたします。

2020年行事計画

1/25 武生ルネサンス総会

2/29 講演「人口減少社会という希望」
   井上清一氏

3/28 花見 (越前市大虫地区の船山)
     以前計画しましたが、その日になって霰が降り、急遽場所を変えましたので、今年こそ。
4/25 講演「ジョージア旅行記」福井宇洋氏

   旧ソビエトの指導者スターリンの生地とか相撲取りの栃ノ心の出身地ぐらいしか知らない国の話は楽しそうです。

5/16 講演「陰陽師 安倍晴明」後藤ひろみ氏
   ポプラ社発行の平安人物伝『安倍晴明』の原作を書かれた方に、平安時代の公家の毎日を左右したという陰陽道について深掘りしていただきます。

6/27 講演「丸岡城/お天守の新たな知見と謎」
      吉田純一氏
   4年に渡る丸岡城の学術調査で分かったことについてお話していただきます。

7/25 金継ぎ講習会
   以前に教えていただいたのですが、自分でやってみると、なかなかうまくいきません。で、もう1度、やってみましょう。

8/ 休み

9/26 くずし字学習会
   床の間の掛け軸や扁額などが読めたらいいなと、誰しも思うもの。よく見かける字を中心にその読み方を勉強し合いましょう。

10/31 武周ヶ池で宴会
   会員にアウトドアでの料理の達人がいますので、一味違うものが味わえるはずです。

11/23 令和3年『旧暦絵暦』ケース入れ作業

12/19 笑年会



■武生ルネサンス発行の絵暦を定位置に置い て下さってますか。手土産やのプレゼント等に どうぞご利用下さい。まだ残部があります





 武生ルネサンス通信 301号

2020年1月15日

   

1月例会のお知らせ


日時  1月25日(土)19:30〜21:00 
場所 府中町屋倶楽部
内容 総会 
令和2年初顔合わせ
令和元年会計報告
令和2年事業計画相談


 新年のお慶び申し上げます。
『武生ルネサンス通信』も301号になりました。
さあ今年はどんなことを楽しみましょうか?
皆さんのご意見をお寄せ下さい。

*年会費をお願いいたします。 
       2,000円/年(通信を受け取るだけの方は、1,000円/年)
       郵便振替/口座番号00790-3-8194 名義/武生ルネサンス




■武生ルネサンス設立27周年の新年を迎えました。 会員が歳を重ねて、その付き合いは一層深くなっております。気のおけない仲間同士、今年はどんな楽しみを見つけましょうか?

■今年も七草粥の日に合わせて、スーパーにはパック入りの七草が売られておりました。 1月7日を七草の日にしていますが、これは旧暦の一月七日の行事です。 今年は1月25日が旧暦の正月元旦ですから、新暦の1月31日が七草の日ということになります。 1月20日が大寒で、それ以後は少しずつ春に近づき、2月3日が節分、2月4日が立春です。 百人一首の中の「君がため春の野に出でて若菜摘む我が衣手に雪は降りつつ」は七草粥のための若菜摘みを詠ったものでしょうが、春の歌です。 七夕と同じで旧暦の行事を新暦の日に合わせてやっておりますので、季節に合わないものになっているようです。 秋の七草が万葉集の中の山上憶良の歌に出てくるのに対して、 春の七草「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」は、南北朝時代の公卿四辻善成の歌に出てきます。 今年は雪国の越前でも旧暦の七草の日には、七草の内、 いくつかは野に見つけられるかもしれません。

■今年どんなことをするかを考えていただくにあたり、昨年の行事を振り返ってみます。

2019年行事

1/26 武生ルネサンス総会
2/16 講演「早く遷都!日本があぶないざ!」       井上清一氏(福井高専名誉教授)
3/16 講演「近代日本の教育者 松本源太郎」       齋藤隆氏(郷土史研究家)
4/7  若狭常神半島神子の山桜を愛でる
5/18 今立地区山室付近の散策
6/16 永平寺開基家「波多野家」訪問・青木蘭麝堂見学
7/20 令和2年『絵暦』写真紹介     林昌尚氏(ネイチャーフォトグラファ)
8/ 休み
9/28 鯖江舟津神社参拝。
    講演「東京大学史料編纂所の仕事」     橋本政宣氏(舟津神社宮司)
10/6 秋の気楽な茶会
11/23 令和2年『旧暦絵暦−越前の里山と生き物篇U』ケース入れ作業
12/28 笑年会






2020年9月〜12月の例会案内は後日UPします。






 武生ルネサンス通信 296号

2019年7月8日

   

7月例会のお知らせ


日時  7月20日(土)19:30〜21:00 
集場所 ラピュータ
内容 令和2年の旧暦『絵暦』写真など紹介
講師 林昌尚氏 眼鏡デザイナー、自然観察指導員


  平成31年版の『絵暦―越前の里山と生き物篇T』は 大変好評でした。
来年もう一年、里山ならではの風景や里山に住む動物たちを
林さんの写真で紹介します。
これらの写真を見ながら、越前の何よりもの財産ともいえる
豊かな自然環境を考えたいと思います。



■7月7日は二十四節気の「小暑」でした。この日から暑気に入り、暑中見舞いも出していいことになっていますが、今のところ、そんなに暑い実感がありません。7月23日の「大暑」までに梅雨が明ければ、急に気温が上がるのかもしれません。それにしても九州の方の雨による被害は大変なもので、古来災害と恵みの両方をもたらす雨と付き合ってきた日本の風土の特徴を改めて思います。日本の平均年間降水量は約1700mmで、インドネシア、フィリピンに次いで世界第3位。世界平均降水量が約800mmですから、およそ2倍です。今は梅雨の最中ですが、この雨の表現を各季節毎に考えてみますと、数えきれないほどあります。今の時期の雨で思いつくものだけでも、「黴雨(ばいう)」(黴が生える季節の雨)「白雨(はくう)」(明るい空から降るにわか雨)「半夏雨(はんげあめ)」(半夏生の頃に降る大雨)「短夜の雨(みじかよのあめ)」(梅雨時は一年中で一番夜が短い頃なので、梅雨の最中の雨のこと)「七夕流し(たなばたながし)」(七夕の頃に降る雨。「流し」は雨のことをさす)「青雨(せいう)」(染まるような青葉に降る雨。「翠雨」「緑雨」ともいう。)と、上げていたら切りがありません。俳句や短歌などに詠ま れ、る雨に係わる言葉は1200語ぐらいあると言われています。英語で牛や羊が生活と密着しているだけに、その成長や状態に合わせて細かい言い分けがありますが、日本語の雨の言葉の言い分けは、並みではありません。それだけ日本人の生活文化には、雨が大きな影響を及ぼしているものと思われます。 雨の恵みを受けながら畑で様々な野菜を作っている人たちが、せっかくできたジャガイモをすっかり猪に食べられてしまったと、嘆いています。猪の被害がこんなに大きいのは最近のことだと思っておりましたら、先日面白い記述を見つけました。

■芭蕉は、発句五七五の句に次の人が七七と脇をつけ、その次の人がまた第三の五七五と付け、三十六句続けていく「歌仙」を得意としたのですが、元禄二年に江戸で巻いた「歌仙」の短句に、「のた打つ猪(しし)の帰る芋畑(いもばた)」というのがありました。夜来て芋畑を食い荒らし夜明け前に山に帰っていくことが詠まれています。また「猪の堀ったよう」という言い方は、極めて乱雑で惨憺たる有様を表現する慣用句ですので、元禄の昔から同じような被害があったのでしょうか。

■8月は通信も例会もお休みです。


 武生ルネサンス通信 294号

2019年5月8日

   

5月例会のお知らせ


日時  5月18日(土)13:00〜16:00 
集合場所 府中町屋倶楽部        
内容 今立 山室地区の散策
今年の『絵暦』の写真を担当していただいた林昌尚さんのお住まいがある山室をぶらぶらします。
月尾川下流と水間川下流の間、月尾谷と水間谷を分ける山麓を背にして位置する山室地区は、
中世の大滝神社文書にも出てくる古い地区です。
新緑の季節に散策を楽しみましょう。



■今年は花冷えもありましたので、桜の花を長く楽しめました。今はあちこちに街路樹として植えられている花水木が満開です。ハナミズキはアメリカヤマボウシともいい、明治45年、当時東京市長だった尾崎行雄が桜の苗木をワシントン市に寄贈した返礼として大正4年に贈られたものが始まりと、言われています。4月20日が二十四節気の「穀雨」、5月6日が「立夏」ですので、今は一番緑の美しい季節です。夜になると蛙が一斉に鳴き、這い出すミミズを求めて猪があちこちに穴を掘っています。しかしまだ朝晩は暖がほしいところです。

■5月1日の夜中0時に平成から令和にかわり、年越し等比較にならないほど、世の中は大騒ぎでした。200年ぶりという天皇の生前退位と重なったせいでしょう。これは、元号について考えてみるいい機会でした。紀元前140年に前漢の武帝が自分の即位した年を「建元」元年と定めたのが史上初の元号で、日本では、645年から650年までの「大化」が元号の始まりです。その後の元号を見ますと、天皇が代わって元号が変わるのは、明治以後のことで、それまでは結構頻繁に元号がかわっているのが解ります。1年や2年で変わることもあったようです。元号を一新することで厄払いをする「災異改元」 や、吉兆とされる現象をもって新しい年号をたてる「祥瑞改元」などもありました。1854年には黒船の来航を災異と考えて、嘉永から安政に改元し、安政7年に江戸城火災屋桜田門外の変などの災異のために、今度は万延に改元。万延元年だけですぐに文久に改元しています。元号は本来中国から入ってきたものですので、その出典は中国の古典である「四書五経」に求められていました。尤も江戸時代までは「四書五経」が寺小屋のテキストにも用いられ、学問をする日本人には最も親しいものだったということもあるでしょう。今回の改元は初めて日本の古典『万葉集』によったと言われていますが、『万葉集』巻五の「梅花歌三十二首序」からで、和歌からではありません。32首の歌が、天平二年の正月に太宰府長官だった大伴旅人の屋敷で開かれた梅の宴で詠われたものだという漢詩風の序、「初春令月 気淑風和」から「令和」と定めたようです。元号は中国から始まり、漢字を使う文化のある周辺のアジアの国に広がりましたが、発祥の地中国は清朝が滅ぶのと同時に廃止、韓国もベトナムも1945年に廃止、台湾、北朝鮮も今は使っていなくて、世界中で元号が健在なのは日本だけになりました。これは正に世界遺産といえるのかもしれません。




 武生ルネサンス通信 293号

2019年3月8日

   

3.4月例会のお知らせ


日時  3月16日(土)19:30〜21:00 
場所 府中町屋倶楽部        
講師 齋藤 隆氏 (郷土史研究家)
内容 「近代日本の教育者 松本源太郎」

今年の1月7日の新聞に、越前市出身の松本源太郎が一高教授(現東京大学教養学部)だったときの、
小さな「えんま帖」が発表されました。
その中には、夏目漱石、正岡子規、福井出身の芳賀矢一などの論理学の成績が記されていました。



4月の花見  4月7日(日)若狭常神半島の神子(みこ)の山桜を愛でる 



■今年はとうとうほとんど雪を見ないまま春、啓蟄を迎えました。
「降るとも見えじ春の雨水に輪をかく波なくば けぶるとばかり思はせて 降るとも見えじ春の雨」
という、尋常小学校唱歌「四季の雨」の歌詞がしみじみと心に響きます。 尋常小学校唱歌は、今から100年ほど前、文部省が日本語の美しさ、日本文化の理解、日本人の美意識、 自然に対する感じ方などを子供たちに教えようと、東京音楽学校に依頼して、作詞、作曲したもので、 著作権は文部省が所有し、個々の曲の作者は伏せられていたといいますから、春の雨をこんなに綺麗に歌ったものでも、 誰の作ったものかよくわからないようです。 この編纂者の中には、松本源太郎の「えんま帖」に夏目漱石や正岡子規と一緒に名前を連ねていた福井の芳賀矢一がいます。 芳賀矢一は、その頃東京帝大の教授で、国文学研究の基礎を築いた人で、後には国学院大学の学長にもなっています。

■今月の例会では、郷土の歴史に詳しい齋藤隆さんに、近代日本の教育者としての松本源太郎を中心に、その時代の教育事情や松本に論理学(哲学)を学んだ人たちのことをお話いただこうと思います。当時の東京帝国大学の学生は1学年150人位で、法学部、文学部、理学部の3 つの学部がありましたが、そのうち100人ちょっとは理学部ですから、残り40数人が法学部と文学部になります。そうするとそこを卒業した人がその後どういう道を歩むかといいますと、大抵は行政官僚ということになったようです。その辺のところも興味のあるところです。

花見 4/7
9:00 越前市体育館出発(池田観光バス)→10:30 神子の山桜花見・弁当→JA梅の里会館→14:00福井県年縞博物館→三方石観世音→17:00越前市体育館 弁当は各自ご持参ください。
会費 2,500円
ちょっとしたつまみ、飲み物は用意いたします。
3月25日までに三木(携帯)までお申し込みください。
若狭湾国定公園の一部をなしている常神半島の「神子の山桜」は1742年に開墾の境に植えられたものと伝えられており、300本ほどの山桜が、海との対比で見事な様子を見せてくれるようです。例年4月の上旬が見頃と言われていますので、7日に行くことにしました。丁度盛りに向かうと嬉しいのですが。 年縞博物館は、昨年9月に開館した地誌学、考古学博物館です。三方五湖の一つ水月湖の湖底で発見された7万年に及ぶ年縞に関する展示が見られます。(70歳以上は無料・証明書必要)


 武生ルネサンス通信 292号

2019年2月5日

   

2月例会のお知らせ


日時  2月16日(土)19:30〜21:30 
場所 府中町屋倶楽部        
講演 「早く遷都! 日本があぶないざ!」
講師 福井高専名誉教授(ロボット工学)
井上清一氏


 進む都市部の人口集中、一極集中の弊害、京都から江戸(東京)への遷都の政治的背景、遷都宣言はなぜなかったのか、
今後の在り方などをざっくばらんにお話いただき、みんなで議論しましょう。

 *年会費をお願いします。
       2,000円/年(通信を受け取るのみの方は、1,000円/年)
       郵便振替/口座番号00790-3-8194 名義 武生ルネサンス



■2月3日は節分でした。節分はまさに季節が移り変わる時であり、立春、立夏、立秋、立冬の前日なので、本当は年に4回あるものです。その中で立春の前日は特に春を迎えるめでたい日ですので、昔から様々な行事が行われてきました。今年は4日が立春、5日が旧暦の元旦です。昨年は2月4日に大雪警報が出て、5日、6日と降り続き、6日には積雪1メートルになりましたから、全く立春という感じがありませんでした。ところが今年はどうでしょう。雪国ではないみたいです。陽だまりに蕗の薹を見つけられるのではないかとさえ思えます。
節分の行事の豆まきは、餅まきや、米まきと一緒で「散供(さんぐ)」という下級の神霊に供物を供える考えから室町時代から行われたもののようですが、昨今の恵方巻の丸かじりというのは、コマーシャリズムが作り上げた行事みたいで、鼻白む思いがします。ただし「恵方」というのは、その年の福徳をつかさどる神様(歳徳神としとくじん)がいる方向のことです。平安時代は、「方違え(かたたがえ)」といい、節分に外出するときにはその方向になるように、他所に一泊して方向を変えて出かけたようです。

■『絵暦』を買っていただいた方から、今朝「立春おめでとうございます。新しい暦にかえました。絵暦の写真は、自分が住んだこともないのに、なぜか懐かしさを覚えます。」とのメールが入りました。また「一年間楽しませていただきました。また4部送って下さい。」という注文もありました。

■年間行事計画

1月26日(土) 総会 年間行事相談
2月16日(土) 講演「早く遷都!日本があぶないざ!」井上清一氏
3月16日(土) 講演「近代日本の教育者松本源太郎」斎藤隆氏
4月7日(日) 花見 三方の常神半島 神子(みこ)の山桜を愛でる
5月18日(土) 今立山室地区の散策
6月16日か23日 永平寺波多野氏宅訪問         先祖が道元を連れて来た家
7月20日(土) 平成32年『絵暦』写真紹介         林昌尚氏
8月      休会
9月21日か28日 鯖江の舟津神社訪問         宮司橋本政宣氏の話を聞く
10月6日(日) 茶会
11月23日(土) 絵暦ケース入れ作業
12月21日(土) 笑年会
楽しい時間を一緒に過ごしましょう。



 武生ルネサンス通信 291号

2019年1月10日

   

1月例会のお知らせ


日時  1月26日(土)
場所 府中町屋倶楽部
内容 武生ルネサンス総会
初顔合わせ
平成30年会計報告
平成31年事業計画相談


「平成の最後の年を迎へけり」 さあ今年はどんなことを楽しみましょうか?

 *年会費をお願いします。
       2,000円/年(通信を受け取るのみの方は、1,000円/年)
       郵便振替/口座番号00790-3-8194 名義 武生ルネサンス





■新年おめでとうございます。平成5年に発足した武生ルネサンスは設立26周年になります。

■『絵暦』を受け取った人々からの感想を紹介します。
「素晴らしい写真に暫く見とれました。加古が拝見したらどんなにか故郷への想いを募らせたことでしょう」 (神奈川・加古総合研究所鈴木万里様)
「よく続いていますね。定位置に納めます。トイレの中なので一日に何度も見ます.」 (東京・上野千鶴子様)
「激しく変わりゆく世情、自然もまた。そのような時代の中で、越前の里山を、風情を楽しませていただきます。」 (東京・山田節子様)
「越前のしなやかな風景と旧暦カレンダー、月齢の日付け、本当に素晴らしいものを有難うございました。 遊びに来る孫たちに旧暦の話をしたいと思います。」 (宮城県・狩野康子様)
「下手な俳句をひねり回している者として旧暦を何かにつけ意識せざるを得ず、 いただいた絵暦は机の前に置き重宝致しております。また毎年テーマを変えての写真も素晴らしく 、楽しませていただいておりますが、今度の写真はそのまま俳句にできるようなものばかりで、嬉しい限りです。」 (石川県・大向稔様)
「写真が良く撮れていて、芸術です。動体を撮るのは難しい! 写真クラブにいた時、赤トンボも撮りに行きましたが、空だけしか写っていなかったり、 杭にピントを合わせて待って撮ることも試みましたが、杭だけしか写っていなかったり、 対象をとらえるだけでも大変、水無月のトンボ、葉月のカマキリは、あっと驚く絶品です。 越前の自然と、こういう素晴らしい写真を撮られる方がおられて、絵暦の世界が展開するのですね」 (東京・服部秋扇様)
「林さんの写真はすごいですね。葉月のカマキリなんて感動ものです。越前の里山に憧れます 。沖縄は行事が旧暦に従って行われますので、旧暦のカレンダーが現実に役に立ちます。」 (沖縄県・十郎慎一様)
「里山の動物たちを処々に登場させながら静かで清らかな優しい風情が伝わり心が癒されます。」 (福井県・角鹿尚計様)
「林昌尚さんという方の写真は実に素晴らしいですね。 越前の里山を居ながらにして見られる幸せを満喫させていただきました。 特に弥生月の写真は、その場に居合わせたような臨場感に、心がなごむ思いがいたしました。 シダの新芽の姿はしばし目を楽しませてくれました。なんと美しく生きる力を示しているのだろうと思いました。」 (福井県・斎藤孝一様)
「雪景色の里山の遠景から始まる絵暦、心にしっとりと来て、繰り返し繰り返し眺めています。 自然の大切さを今更ながらに思います。」(東京・岩田伸子様)



 武生ルネサンス通信 290号

2018年12月10日

   

12月例会のお知らせ


日時  12月23日(土)
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成最後の「笑年会」
会費 2,000円


先月の例会では、『絵暦』の最終仕上げを、沢山の方にご協力いただきました。本当に有難うございました。
お蔭さまで、絵暦の到着を待っていてくださる方々に届けることができております。
さあいつもの「笑年会」、大いに笑って新しい年を迎えましょう。
お申し込みは12月18日までに。




■12月7日は立冬から30日目で「大雪」でしたし、12月9日は「山祭り」でした。この頃になりますと例年、必ず霙や霰が降り始めます。今年も例年に違わず、やはり降りました。「山祭りの日」は、山の神様が山にお入りになる日なので、林業、製材業、大工など山に係わる仕事をしているものは山に入らず、仕事を休み、山に感謝する日です。また同じころに、「鞴まつり」というものもあり、鍛冶屋など鞴を使って仕事をするものが、鞴に感謝して一日仕事を休んでいます。この辺では、山祭りや鞴祭りにはおはぎを作って知り合いに配る風習があり、小さい頃は、おはぎをもらえるのが楽しみでした。

■先月絵暦の最終作業をしていただいた11月23日(旧暦十月十六日)は満月でしたが、この日は藤原道長が「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることのなしと思へば」の句を詠んだという夜(1016年十月十六日)からちょうど1000年目の満月でした。この日に旧暦の絵暦を発行できたことに、不思議な因縁を感じます。千年前も、今年も十五夜から一日ずれた十六夜の月が満月だったということになります。同時に『史記』に「月満つれば則ち欠く」とあることも同時に思いました。

■先日の12月9日に福井写真グランプリの表彰式がありました。昨年の最優秀賞が河合俊成さん、今年の最優秀賞が林昌尚さん。昨年は河合さんから、今年は林さんから審査委員長の福井県出身のプロの写真家土田ヒロミさんに武生ルネサンスの『絵暦』が、進呈されたと聞きました。嬉しい事です。

■『旧暦絵暦―越前の里山と生き物篇T』を受け取った人から、色々な感想が寄せられていますので、その一端をご紹介します。
「カレンダーが最後の一枚になる頃に届けられる新年の絵暦。毎年楽しみにしています。まだ見ぬ月日の期待と共に暦を広げていく時のワクワク感は格別ですが、とりわけ今年の詩情あふれる里山の風景に魅了されました。そこに漂っている心地よい大気を吸いこむべく、大きく息をして、幸せな気持ちになりました。」(富山 小林すみ子様)
「鮮烈な武生の里山の風景に息を呑む思いです。文学に表れる季節感はやはり旧暦でないとピンときません」(東京 内藤賦一様)





 武生ルネサンス通信 289号

2018年11月12日

   

11月例会のお知らせ


日時  11月23日(金・祝)
場所 府中町屋倶楽部
内容 『旧暦絵暦-越前の里山と生き物篇T』


毎年勤労感謝の日に皆様に労働奉仕をしていただくことになります。
これはまさに皆様のご協力あってこそ、続けてこられた企画です。
平成5年に武生ルネサンスが発足し、故郷の歴史、文化、自然環境を『絵暦』として残そうということで『古里名所絵暦』から始まりました絵暦の発行は、今年で26年目です。 しばらくの時間でも結構ですので、手伝っていただけると有難いです。
お帰りの際は新しい『絵暦』をお持ち帰りください。



■先月の例会は、9月に暴風雨のために行けなかった大聖寺へ行ってきました。 土曜日しかバスが空いていなかったので、都合の悪い人も多く、小人数のバス小旅行でした。
最初訪ねた曹洞宗の寺院で、大聖寺藩主の菩提寺実性院は、今は無住の寺になっているらしく、 庭も荒れていて、屋根の修復があまりにもいい加減で驚きました。 また町中を散策しましたところ、ボランティアガイドさんが江戸時代の通りと変わっていませんと説明していましたが、 越前市と同じで、確かに道は同じかもしれないけれど、周りの家並みがすっかりさびれてしまっているようでした。 日本の町はどこもこんなんだろうと思いながら眺めました。 大聖寺川の流し舟は、川の流れが非常に緩やかですので、手漕ぎで川を往復するのですが、 一献傾けながら舟頭さんが歌まで披露してくださって、ちょっと贅沢な気分でした。 帰りに寄った石切り場は、バスの運転手さんが「お宅らどういう団体ですか?えらいマニアックなところへ行かれるのですね」 と、言うだけあって道は小型バスがやっと通れるほど細く、これはなかなか見られない景色でした。 もう少しそばに寄れるとよかったのですが、離れたところからですので、石を切り出した様子がよくわからないのは残念でした。 でも前澤さんが下見をしておいてくださったお蔭で、何もかもスムーズで、ばん亭の昼食も美味しく食べられました。 皆で一日出かけるのは、それ自体が楽しい事ですので、また来年もどこかに行きましょう。 よいところがありましたら推薦してください。

■11月7日は二十四節気の「立冬」でした。
その年の冬の最初に降る時雨のことを「初時雨」といい、この言葉には「とうとう冬になったなあ」という感慨が込められているようです。芭蕉の句「初しぐれ猿も小蓑をほしげ也」にはそれがよく表れていると思います。旧暦の十月を「時雨月」といいますし、芭蕉の忌日を「時雨忌」というところにも、日本人の季節感にこの雨は重要なものとして扱われてきたことが窺がえます。また日本語には季節ごとの雨を表す言葉が非常に沢山ありますが、冬の時雨については、最も多く、朝時雨、夕時雨、小夜時雨、村時雨、北山時雨、横時雨、片時雨、月時雨、時雨雲、時雨傘、川音の時雨、松風の時雨、時雨心地泪の時雨など上げるときりがありません。1,2時間周期で降ったりやんだりを繰り返すのが時雨です。こんな降り方で雪が降る場合は「雪しぐれ」と呼ぶこともあります。





 武生ルネサンス通信 288号

2018年9月12日

   

10月例会のお知らせ


日時  10月27日(土)
内容 加賀大聖寺で1日遊ぶ
会費 4,500円(昼食含)
食事場所 ばん亭


【お申込み】

流し舟に乗りたい方は、別途2,000円必要
9月27日までに三木まで



■9月9日、大聖寺への小旅行を楽しみにしていたのですが、前日の夜9時半ごろに,流し舟の責任者から、 「9日の大聖寺は大雨、強風、雷の予報ですので、残念ながら舟は欠航します。 横殴りの雨風みたいで、街歩きもずぶ濡れになりそうですよ」との連絡を受けました。 その親切な連絡に感謝。 バス会社、料亭も、事情を理解してくれて、キャンセルできましたので、急遽大聖寺行を取りやめました。 夜になり誠に急なことで、予定しておられた方には大変申し訳なかったと思っております。 これでなしというのは寂しい事。 しかし、これから国体終了の10月の半ばまでは、バスが空いておりませんし、国体以後も日曜日は空いてない状況です。 幸い10月27日(土)にバスの予約ができましたので、参加ご希望の方は再度お申込みください。

■平成31年の『絵暦』が本刷り段階に入っております。
[今回は里地里山に重点を置いています。里地里山は人間が自然と寄り添いながら長時間かけて作り上げてきた生活環境で、田んぼや畑、小川、などがあり、鳥や昆虫やその他の生き物が当たり前に生きている空間です。越前市白山・坂口地区は、平成16年に環境省の「里地里山保全再生モデル地域」に選ばれ、平 成20年には、自然景観、生物多様性、その中 での人々の暮らしの3点が選定の基準となっている「日本の里100選」に選ばれました。
東洋文化研究者で、日本人よりも日本の伝統的景観に通じていることで知られるアレックス・カーさんが白山地区の安養寺を訪れた話が新聞に書いてありました。
「その眼鏡にかなったのが越前市安養寺町の風景である。民家の大半は漆喰の真っ白な壁に構造材を黒く際立たせた伝統的な造り。煙出しも残している。カーさんは集落の中を歩き回り、何枚も写真を撮った。収められたのは家屋と柿の他、龍や鯉を描いた装飾瓦、枯れた蓮の池、集落を流れる小川。なるほどなあと思った。」(平成28年11月6日福井新聞・越山若水) 
なんでもない素朴な田んぼの景色とそれに溶け込むような暮し方を「何もない魅力がある」風景であって、これこそが、日本人の心の「原風景」だと説く彼に、「ここにまだそういう景色が残っていた」と、思わせたようです。昔はどこにでもあったそういう景色が、今どんどん失われようとしています。地元で、この里地里山に生きる生物たちを,高い技術と、間違いのない目で写真に収めている林昌尚氏との出会いがこの『絵暦』の発行を可能にしました。] (平成31年旧暦『絵暦―越前の里山と生き物篇』の楽しみ方より)





 武生ルネサンス通信 287号

2018年8月7日

   

9月例会のお知らせ


日時  9月9日(日)
内容 加賀大聖寺で1日遊ぶ
会費 4,500円(昼食含)
食事場所 ばん亭


【集合場所】

越前市の方:越前市スポーツアリーナ 8:30バス出発
福井からの方:福井北インター近く 9:10頃

【お申込み】

8月20日までに三木まで



■今年の夏は、豪雨に猛暑、逆走台風と気象の異常が続き、8月になってまたまた暑さがぶり返し、テレビでは「命にかかわる危険な暑さ」という聞いたことのない警告を発し、毎日のよう熱中症予防を呼び掛けています。その中で8月7日、二十四節気の「立秋」を迎えました。 その日を待っていたように、払暁にツクツクボウシが鳴いていました。ふと見るとオミナエシも咲いています。自然はもう秋に向かっているのですね。実り始めた稲の間にオモダカも白い花を咲かせています。

■今月は例会がお休みですが、来月は、大聖寺の町を楽しみます。町の中で小回りがきくように、小型バスで行きますので、正席21席、補助席6席です。(バス料金の半分は会から補助)
越前市体育館8:30→鯖江IC→福井北IC→新保駐車場9:10→福井北IC→加賀IC→10:00実性院・長流亭(ボランティアガイド案内)→11:30加賀料理ばん亭12:30→13:00大聖寺川流し舟乗船と古い町並み散策(ボランティアガイド案内)14:45→滝ヶ原石切り場跡15:45→加賀IC→福井北IC→16:50新保駐車場→鯖江IC→17:30越前市体育館

■越前の泰澄が、養老元年(714)に日本の三霊山(富士山、白山、立山)の一つである白山 に初めて登頂して、開山し、白山信仰の元となったと言われています。白山寺の末寺である白山五院のひとつが大聖寺です。江戸時代には加賀百万石の支藩、大聖寺藩の城下町として発展しました。加賀市は石川県の最南端で、かつて越前国に属していた時代もあり、北国街道が通る交通の要衝で、今でも旧街道に沿って江戸時代からの町並みを残しています。

■実性院は、「萩の寺」と、呼ばれていますので、訪ねる頃は、丁度萩の見ごろかと思われます。初代藩主前田利治の菩提寺で、建物はすべて江戸時代後期のものです。長流亭は、宝永6年(1709)に三代藩主の休息所として建てられたものです。大聖寺川を望むように建てられている小堀遠州好みの亭舎です。ばん亭は鴨料理で有名ですが、加賀野菜を使った昼食を楽しみます。食事の後は手漕ぎの屋形舟に乗って、城下町を廻りましょう。舟を降りてからガイドさんに町並みを案内していただくように頼んであります。最後に滝が原石切り場跡を見学します。滝ケ原には、里山に数多くの石切り場跡が点在していて、江戸時代の採掘の跡が見られます。今回見学する西山石切り場跡は、藩政期から20年代まで採掘が続けられたようで、珍しい景色が見られそうです。





 武生ルネサンス通信 286号

2018年7月3日

   

7月例会のお知らせ


日時  7月21日(土)19:30〜21:30
場所 府中町屋倶楽部
内容 『野(や)の仏(仏さま)が起(た)つとき』
発刊にあたって
講師 永田康弘氏


永田康弘氏(元福井新聞記者)が、脱原発を 訴える人たちの原稿やインタビューを「あとか ら来るもののために」まとめ上げた本です。 これを上梓するにあたっての思いやエピソー ドをお話していただきます。



■30度を越す暑い日が続いておりますが、皆様体調を崩したりはしておられませんか。関東甲信では6月29日に梅雨明けしたとの報道がありました。6月中の梅雨明けは統計を取り始めた1951年以来初めてで、例年より22日も早いらしいですね。福井では、学校が夏休みに入る頃に梅雨明けがあり、待ちかねて海水浴に行くのが常でしたが、この分では近々梅雨明け宣言があるのではないかとさえ思えます。

■旧暦七月は、「文月」です。『万葉集』にも「あらたまの年の緒長く思ひ来し恋つくすらむ七月(ふみづき)の七日の夕(よひ)は吾も悲しも」(巻十2089)という行があり、七月を「ふみづき」と読ませています。その語源ですが、七月七日の七夕行事に、詩歌を牽牛や織女に献じたり、書物を開いて夜気にさらしたりする習慣からという説と、稲の穂の「含月(ふくみづき)」から来ているという説があります。

■先月は林昌尚さんに、アートともいえる素晴らしい写真を紹介していただき、足元の生き物に対する「気づき」の大切さを教えてもらいました。さて今月は、永田康弘さんから、脱原発のために、息の長い運動を展開している人たちの話をお聞きしたいと思います。
興味のある方でしたら会員でなくてもどうぞお誘いください。
『野仏』といえる、小浜の明通寺住職中嶌哲演さん他、たくさんの在野の人たちの言葉を丁寧に拾い上げたこの本は、「脱原発で闘っている方々の言葉を記録しておきたかったから」という永田さんの思いを十分形にしたものだと思います。「あとから来るもののために」は、1909年生まれの仏教詩人、坂村真民の詩です。永田さんの本の根底を流れている思想だと思いますので、その詩を紹介しておきます。

「あとから来る者のために」坂村真民

あとから来る者のために 田畑を耕し
種を用意しておくのだ
山を川を海をきれいにしておくのだ
ああ あとから来る者のために
苦労をし 我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ 自分にできる
なにかをしてゆくのだ

また、よく知られている「念ずれば花ひらく」とか、「二度とない人生だから/ 一輪の花にも/ 無限の愛を注いでゆこう/ 一羽の鳥の声にも/ 無心の耳を かたむけてゆこう/ 二度とない人生だから/ 一匹のこおろぎでも/ ふみころさないように/ こころしてゆこう/ も坂村真民の詩です。




 武生ルネサンス通信 285号

2018年6月10日

   

6月例会のお知らせ


日時  6月23日(土)19:30〜21:30
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成31年絵暦紹介
講師 林 昌尚氏


林昌尚氏(越前市山室町在住)
来年の『絵暦―越前里山と生き物』の写真担当.
眼鏡デザイナー、森林インストラクター、自然観察指導員。
2014年 日経ナショナルジオグラフィック写真賞 ネイチャー部門最優秀賞受賞
2015年 福井新聞写真の広場・年間最優秀賞受賞




■ここ暫くいいお天気が続き、色づいた麦の穂が風に揺れ輝いています。「麦秋」とか「麦の秋」というのは、初夏の季語です。同じような言い方で、「竹秋・竹の秋」は、旧暦の3月頃で、春の季語になります。現在は旧暦の卯月。『絵暦』では、日本タンポポの写真になっていますが、今草地や道端でよく見かけるのは、茎が固くて長く、花はタンポポに非常に似た植物で、これはブタナという外来種(帰化植物)です。

■さて今月の例会は、来年の『絵暦』の写真を担当していただく林昌尚さんに、「越前の里山と生き物」の写真を紹介していただきます。 『絵暦』の「発刊に寄せて」として書いていただいたものを見ていただきますと、林さんの自然に対するお考えがよくわかります。
「私はライフワークとして『身近な自然とそこに棲む生き物たち』をテーマに決め、自分の足元に広がる自然をメインに撮影を行っています。 なぜなら【身近な自然=今、自分が生きている場所=一番大切な場所】だからです。
 数年前、あるきっかけが元で身近な草原や河原などに棲んでいる昆虫などの小さな生き物たちの撮影を始めました。するとそこには驚きや発見、わくわくする出来事が必ずと言っていいほど待っていました。
こうなるともう虜です。毎日少しでも時間を見つけてはその出会いを楽しみ、撮影を続けました。  しかし残念ながら楽しい出来事ばかりではありません。毎日同じ場所で長期間撮影していると その自然が目に見える速さで変化していることにも気づかされました。今までいた生き物が突然パタリといなくなったり、今まで見たことが無かった生き物が突然現れたり・・・。それは進化の歴史から言うと、とてつもない速さであり、とても深刻な状況なのです。テレビなどで、温暖化などによる大自然の脅威が報道されますが、身近な足元の自然の中で、同じような現象が頻繁に起こっているのです。
 今回の絵暦の作成に当たり、撮りとめた写真を見直したり、新たに撮影を行っていると、改めて「自然への気づき」の大切さを強く感じることが出来ました。これからも「気づき」を大切に、撮影を継続して行き たいと思います。  ネイチャーフォトグラファー     林 昌尚」

■来月の例会は、7月21日(土)です。『野の仏が起つとき』を出版なさった元新聞記者でフリージャーナリストの永田康弘さんに、お話していただきます。

■9月の小旅行は、先にお知らせしてありました16日が国体のプレ大会のため、バスがすべて抑えられているので、9日に変更します。行先は加賀の大聖寺です。


 武生ルネサンス通信 284号

2018年4月12日

   

5月例会のお知らせ


日時  5月3日(祝)12:30〜16:30
場所 大瀧神社(越前市大瀧)
集合場所 府中町屋倶楽部
集合時間 11時45分
内容 壱千三百年大祭・御神忌
法華八講(ほっけはっこう)(12:30〜)
湯(ゆ)立(だて)神事(しんじ)(15:30〜)


大祭は5月2日の午後1時からの「お下がり」に始まり、5月5日午後8時からの「お上がり」で終わります。

   なるべく車の台数を少なくしていきます。しかし直接行こうと思う人は行ってくださって結構です。



■4月8日の花見の日は、外気温が2℃まで下がり、桜の花びらかと紛う雪までちらつきましたので、安養寺の三木宅に会場を移して、「家桜」で花見をしました。
ご先祖が織田信長の時代より少し前まで遡れるとおっしゃる船山の持ち主、松村英夫さんもご参加の上、船山の由来等についてお話してくださいました。
「雪月花」とは冬の雪、秋の月、春の花のことで、まさに日本の四季の自然美を称える言葉ですが、時には「雪月花」を同時に目にすることもあるのだと、驚きました。おりしもその日の月は上弦の月でしたので、特別な日として記憶に残ることでしょう。

■さて5月の例会は、めったに見られない大瀧神社の千三百年大祭二日目の法華八講と湯立神事を見に行くことにします。
どちらも「神仏習合」の構図の伺える行事ですので、2月の例会で井上清一氏に「日本的解決法 神仏習合」と題して、解説していただきました。(この時のレジメを欲しい方はおっしゃってください)更に同封のチラシの通り、4月22日(日)18時30分から生涯学習センター今立分館で、「神仏習合の法華八講」の講演がありますので、興味のある方はご参加ください。
「法華八講」は、元々中国から伝わったもので、 法華経八巻を朝座、夕座に1巻ずつ講じ、4日 間で全巻を講義するものです。平安時代初頭には死者の追善供養を目的として行われたとか。 法華八講以外に法華十講や法華三十講もあったようです。藤原道長は法華三十講を行ったと、言われています。『源氏物語』の「鈴虫」の巻には神事に関わる七僧の記述があり、「御法」の巻にも「年ごろ、(ここ数年)私の御願にて書かせたてまつりたまひける(紫の上お一人のひそかなご願としてお書かせ申しなさった)法華経千部、急ぎて供養じたまふ。(急いで供養なさる)」という記述があります。
「湯立神事」は神前に大きな釜を据えて、湯を沸かし、神がかりの状態にある巫女が、持っている笹を熱湯に浸し、身に振りかけて、無病息災や、五穀豊穣を神に祈ったり、その年の吉凶を占ったりする行事です。見学するとき、あんまり前に行きますと、熱湯が掛るかもしれませんので、ご注意を。宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』をご覧になったことがあると思いますが、油屋という温泉の店に神様が次々やってきて温泉につかり疲れをいやすという奇想天外の話ですが、実は宮崎駿監督は、この湯立神事からヒントを得たのではないかと言われています。




 武生ルネサンス通信 283号

2018年3月12日

   

3月・4月例会のお知らせ


日時  3月25日(日)14:00〜16:00
場所 府中町屋倶楽部
内容 春(はる)日向(ひなた)の茶会
「旅(たび)箪笥(だんす)点前(てまえ)」
会費 500円


 武生ルネサンス恒例の茶道具持ち寄り茶会です。
今年の茶会は「旅箪笥点前」で、テーマに沿って別注した干菓子と、薄茶を楽しんでいただこうと思います。
穏やかな春を感じさせる日曜日の昼下がり、普段の格好でぶらりとおいでください。



4月8日 花見の宴(越前市北山町船山) 


■このところ毎年雪が少なく、雪国であることも忘れるぐらいでしたので、今年の突然の大量積雪は生活全般に大きな混乱を招きました。この雪は多分3月末まで残るだろうと思っておりましたのに、3月6日に二十四節気の「啓蟄」を迎えるころには、もう土が露わになり、あちこちでモグラの掘り返した跡まで見えるようになったのには驚きました。フキノトウの芽生えも例年とさほど変わりません。 現在「はだれ雪」が比較的日陰になる部分に残ってはおりますが、これとて春彼岸まではなさそうです。

■さて今月は恒例のお茶会を開催いたします。
先日会員の横田利宏さんの茶室でご自分が作られたという「旅箪笥」を見かけました。
千利休の教えを書いた『茶伝集』(天和元年1681年)に旅箪笥について次のような記述があります。
「利休好たんす。是は銭屋宗納が名物唐物箪笥より、休の作分ありて小田原御陣に持行し也。 それより一名旅だんすとも云う。宗納がたんすは、錠前有、手付にて柄杓置所脇に立仕切板有組物也。 休の箪笥は桐なり」
と。「旅箪笥」は、豊臣秀吉が天正十八年4月に関東の戦国大名、後北条氏を攻めた小田原の陣の際、利休居士が、 秀吉のために考案した携帯用の点茶用箪笥です。 小田原の陣の時期を考え合わせますと、炉の名残のこの時期に「旅箪笥点前」をするのが一番いいように思います。

■25日の茶会のために町屋倶楽部の掃除をします。3月21日(祝)13:30〜15:00 お時間の都合のつく方は、お手伝いくださると有難いです。よろしくお願いします。

■4月8日(日) 花見の宴(越前市北山町船山)
4月8日(日)11時半に、船山の登り口、「織田運送」隣の「佐々木設備」という会社の駐車場に車を止めて待っていてください。 花見は頂上で行います。  船山は、標高74mの小丘で、この山の頂上には船山古墳群があります。 松村権右衛門さん個人の山ですので、あまり知られておりませんが、桜の季節になりますと、桜と辛夷が競うように咲き、頂上に至る山道にはカタクリの群生が見られますし、上からの眺めも格別です。幕末、武生の商人山本怡仙氏と、その頃のご当主松村さんが協力して、船山に茶の木を植えて、その収入を立教館建設費用に充てたと言われています。花見の宴をさせてほしいと申し出ましたところ、快諾を得ました。その上、お誘いしましたら、ご当主も参加して下さることになりましたので、船山の名前の由来やその歴史についてお話を伺いましょう。



 武生ルネサンス通信 282号

2018年2月7日

   

2月例会のお知らせ


日時  2月24日(土)19:30〜21:30
場所 ラピュータ(大塚呉服店隣) 
学習会 「日本的解決法 神仏習合」
「日本史の大汚点 廃仏毀釈」
講師 井上清一氏 (福井の語り部)
福井高専名誉教授(ロボット工学)



 *年会費をお納め下さい。
2.000円/ 年 (通信を受け取るのみの方は、 1.000円/ 年)
郵便振替 口座番号 00790-3-8194
名義   武生ルネサンス




■「立春寒波」と頻りに報道されて、大雪警報が出ていますが、皆様いかがお過ごしですか。
雪が降った朝は、風景が墨絵のようになり、全体に凍り付いたような静けさがあって、とても好きですが、 ずっと降り続きますと、どこまで降るのだろうと、不安になってきます。何とかこの辺で止んでほしいと願うばかりです。
日本人の雪に対する美意識が確立したのは平安時代だそうです。 花見や月見と同じように雪見を楽しんだのもこの時代からと言われています。 『源氏物語』や『枕草子』にも雪の描写はたくさん見られますが、雨に比べて雪は好ましいものとして描かれています。 都に降る雪ですから、趣があると思える程度の量だったのでしょう。 それにしても寒さは相当なものだったようですから、エアコンの他にストーブでも暖を取っている現代人に比べたら、 よっぽど寒さに強かったのでしょう。
清少納言は『枕草子』の「にくきもの」のところで、 「火桶の火、炭櫃などに、手の裏打ち返し打ち返しおしのべなどして、あぶりをる者。 いつか、若やかなる人など、さはしたりし」と言っています。
こんなことをするのは年寄くさいと嫌がっているのですが、若い人は寒いのに火鉢にも当たらなかったのでしょうか。 女性は裸足だったといいますのに。

■今年は今立の大瀧神社で、「千三百年大祭」 があります。2日目の5月3日に神仏習合の行事で、なかなか見ることができない「法華八講」が行われますので、我が会でも是非見に行きたいと思っております。その事前学習が今月の例会ですので、ご参加下さい。

■平成30年事業計画

1月27日(土) 初顔合わせ 総会
2月24日(土) 学習会「廃仏毀釈と神仏習合」講師 井上清一氏
3月25日(日) 茶会
4月8日(日)  花見 (越前市北山町の船山、標高73m)
5月3日(木) 今立千三百年大祭(5/2〜5/5)  法華八講、湯立て神事見学
6月23日(土)平成31年絵暦「越前の里の四季」写真担当・林昌尚氏の作品紹介
7月21(土)『野に仏が起つとき』(原発に反対してきた人たちの記録)の著者 永田康弘氏(元福井新聞記者)の話
8月    お休み
9月16日(日)  小旅行 大聖寺
10月27日(土) 平成31年絵暦紹介 
11月23日(金) 絵暦ケース入れ作業





 武生ルネサンス通信 281号

2018年1月10日

   

1月例会のお知らせ


日時  1月27日(土)19:30〜21:30
場所 府中町屋倶楽部 
内容 武生ルネサンス総会
初顔合わせ
平成29年会計報告
平成30年事業計画相談



 *年会費をお納め下さい。
2.000円/ 年 (通信を受け取るのみの方は、 1.000円/ 年)
郵便振替 口座番号 00790-3-8194
名義   武生ルネサンス




■あけましておめでとうございます。
今年は昨年と同じく1月5日が寒の入りの「小寒」、1月20日が「大寒」で、2月4日(旧暦十二月十九日)が「立春」に当たります。いわゆる暮れのうちに春が来る「年内立春」ですし、2月16日が旧暦の元旦になります。
これから大寒まで最も寒い時期になりますが、ほどほどの雪で終わってほしいと願います。
「春立つとわらはも知るや飾り縄(芭蕉)」
新年に門口に張って災いの神が内に入らないようにするしめ縄ですが、どちら向きに掛けるのかよく迷います。 普通は右側に太い方をもってきて、縄が左ねじりになるように掛けるようですが、出雲大社はその反対で、太い方が左に来るみたいです。 また注連縄をいつ取り外すかについても関東と関西では違います。
天明3年(1783)の『年浪草』に「正月十五日までを松の内、注連の内といふ。 十五日の朝、門戸の飾りを左義長に爆らすなり。江戸には七日までに門戸の飾りを除く。近来の風俗なり」
という文があります。新年の季語に「注連明け」という言葉があって、「松明け」や「松過ぎ」と同じように使います。 また伊勢神宮のお膝元の伊勢周辺だけにみられる風習ですが、無病息災を願って365日注連縄を門口に飾っておくこともあるようです。
平安時代、承平5年(935)に成立したと言われている『土佐日記』は、「をとこもすなる日記といふものを、をむなもしてみんとてするなり。それのとしのしはすのはつかあまりひとひの(十二月二十一日)戌のときに、門出す。」で始まるのですが、その元日のところに次のような記述があります。「けふ(今日)はみやこのみぞおもひやらるる。こへ(小家)の門のしりくべなは(注連縄)のなよし(鯔ボラ)のかしら、ひひらぎ(柊)ら、いかにぞ」(ボラは出世魚で成長するごとに名前が変わるので「名よし」と呼ばれた)この頃には正月に注連縄を門口に飾る風習が一般化していたようです。

■『絵暦ー越前の里の草花篇』を買っていただいた東京の方から、「陽だまりでイヌノフグリを見つけ、なんだか嬉しくなりました」とのメールをいただきました。

■平成31年の『絵暦』は、越前市山室町在住の眼鏡デザイナーで、森林インストラクターや自然観察指導員もされている林昌尚氏が「越前の四季」というテーマで担当してくださることになりました。身の回りの自然の中にすばらしさを発見し、グレードの高い写真を撮っておられる林氏に期待したいと思います。





◆2017年の通信です。PDF形式になっています。

2017(平成29)年の武生ルネサンス通信
2017年1月号(271号) 2017年2月号(272号) 2017年5月号(274号)
2017年6月号(275号) 2017年7月号(276号) 2017年9月号(277号)
2017年11月号(279号) 2017年12月号(280号)




◆2016年の通信です。PDF形式になっています。

2016(平成28)年の武生ルネサンス通信
2016年1月号(260号) 2016年2月号(261号) 2016年3月号(262号)
2016年5月号(263号) 2016年6月号(264号) 2016年7月号(265号)
2016年8月号(266号) 2016年9月号(267号) 2016年10月号(268号)
2016年11月号(269号) 2016年12月号(270号)





 武生ルネサンス通信 259号

2015年12月7日

   

12月例会のお知らせ


日時  12 月19日(土)18:30
場所 府中町屋倶楽部 
内容 笑年会
会費 2,000円


先月は貴重な休日を絵暦の仕上げ作業に提供して戴いて、ありがとうございました。
皆様のご協力によって今年も武生ルネサンスの旧暦絵暦を世に出すことが出来ました。
さあ恒例の年末の会です。大いに笑い合いましょう。申し込みは15日までにお願いします。


■寒くなりましたが、時折気持ちの良い暖かい日がまだあります。 晴れ間を見て冬支度や新年を迎える準備をおすすめ下さい。
今週の10日木曜日まで、旧暦では「神無月」です。 神無月の異称が「小春」ですので、この時期の暖かい日を「小春日和」と言います。
『徒然草』の155段はなかなか意味深い段ですが、ここにこんな言い方があります。

「春暮れてのち夏になり、夏果てて秋の来るにはあらず。春はやがて(そのまま)夏の気を催し、夏よりすでに秋は通ひ、秋は即ち(そのまますぐに)寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり、梅もつぼみぬ。木の葉の落つるも、まづ落ちて芽ぐむにはあらず。下よりきざしつはる(活動し始める)に堪へずして落つるなり。迎ふる気、下にまうけたる(待ち受けている)故に、待ち取るついで甚だはやし。(取り替わることが非常に早い)生老病死の移り来る事、またこれに過ぎたり。四季はなほ(でもやっぱり)定まれるついで(決まった順序)あり。死期はついでを待たず。死は前よりしも来たらず(死は前から来るとは限らない)。かねて(前もって)後ろに迫れり、人みな死あることを知りて、待つことしかも急ならざるに(しかもそう急に予期していない時に)、覚えずして(思いがけなく)来る。沖の干潟遥かなれども、磯より潮 の満つがごとし。」

■『旧暦絵暦−越前の川の魚たち篇』は、色々な方から思わぬところに渡っていて、沢山の感想が寄せられています。

「川の魚をカレンダーのテーマに選ぶとは斬新です。」
「日野川、吉野瀬川などで魚を取って遊んだことが懐かしく思い出され、何度も何度も眺めています。」
「日野川でゴりを取ったことを思い出します。」
「地味とも見える川の魚でカレンダーを創るところに、武生ルネサンスのしっかりした主張が感じられました。」
「カレンダーにこれだけ丁寧に手をかけ、手作り感が感じられるものは最近珍しいです。」
「23年も続けて来られたことに拍手。」
「毎年次はいったい何が出てくるだろうと楽しみにしてます。今年もいいですね。」

■「椚の里の兄弟展」12月16日〜12月20 日
         金津創作の森(入場無料)
武生ルネサンスの絵暦に長く剽軽な鬼の絵を描いて下さった志田弥広さんは、お酒に酔われると「あんちゃんに任せとけ」が口癖でしたが、6人のご兄弟姉妹がおられたようです。皆さんがそろって創ることが大好きな方々。写真、木彫、篆刻、絵手紙、デザイン表装、友禅染絵、俳句など多彩な展覧会が催されます。




 武生ルネサンス通信 258号

2015年11月11日

   

11月例会のお知らせ


日時  11 月23日(祝)13:30〜17:30頃
場所 府中町屋倶楽部 
内容 平成28年『絵暦』ケース入れ作業



今年もまた勤労感謝の日の午後をどうか『絵暦』の仕上げ作業に提供していただきます様、お願いいたします。
『絵暦』を初めて発行しました平成5年以来、値上げもせずにここまで続けて来られたのはひとえに皆様のご協力あっての事です。
お帰りの際は出来立ての1部をお持ち帰り下さい。
■11月8日に立冬を迎え、菊人形の幕が下りると急に時雨れる日が多くなります。平安中期の『後撰和歌集』にこの季節を表わした名歌がありました。「神無月降りみ降らずみ定めなき時雨ぞ冬の初めなりけり」「降りみ降らずみ」の「み」は接尾語で「〜たり」。したがって「降ったり降らなかったり」という意味です。

■平成28年は『絵暦−越前の川の魚たち篇』です。 故郷にこだわった絵暦を発行して23年目の今年は、淡水魚の撮影では全国でもその名の高い田口哲氏が越前に住まいしておられることもあり、川魚を取り上げてみました。
ところで「魚」を「うお」と読むのか、「さかな」と読むのかを、専門家の田口さんにお聞きしたところ今はどちらでも構わないとのお返事でした。調べてみますと、どうも江戸時代までは海や川の中で泳いでいる所謂生きている魚を「うお」と言って「何匹」と数え、俎板の上や料理されて皿にのっている魚は「さかな」と言い「何尾(び)」と数えたようです。その他にも魚の数え方は日本語ならではの細かい言い換えがあります。マグロやカツオ等大きいものは「本」イカやタコの軟体動物は「杯」カレイやヒラメの平たいものは「枚」
現存する日本最古の歌集『万葉集』の中に、
「沖方(おきへ)行き辺(へ)を行き今や妹(いも)がためわが漁(すなど)れる 藻臥(もふし)束(つか)鮒(ふな)(藻の中に隠れている小さい鮒)」(万葉 集625高安王)
 や
「松(まつ)浦川(らがわ)川の瀬光り鮎釣ると 立たせる妹が裳の裾濡れぬ」(万葉集855 大伴旅 人)
等の歌があるところから見ても、鮒や鮎は 古くから親しい食べ物だったように思えます。
さて平成28年の旧暦の絵暦では、新暦の2月 8日が正月元旦になります。睦月十二日が二十四節気の「雨水」で、「立春」は前年の師走二十六日です。このように年が明けない内に立春になることを「年内立春」と言います。
『古今集』の在原元方の歌「年のうちに春は来にけり一とせを去年(こぞ)とやいはん今年とやいはん」や、一茶の「年の内に春は来にけりいらぬ世話」など、昔からよく取り上げられています。 (「平成28年『絵暦』の楽しみ方」から)

■来年の『絵暦』の川魚は武生ルネサンスとしては是非取り上げたいテーマではありますが、見かけが地味ですので、書店ではなかなか売れないのではないかと思われます。現に例年かなり予約が取れる「源氏物語アカデミー」でも人気がなく5部しか売れませんでした。 今年も何とか完売に漕ぎつけることが出来ますように、皆様のご協力をお願いいたします。クリスマスのプレゼント、年末のお歳暮、年始のご挨拶などにお使いください。




 武生ルネサンス通信 257号

2015年10月10日

   

10月例会のお知らせ


日時  10 月25日(日)
集合場所 福井市立郷土歴史博物館受付前
集合時間 受付前に13:15
内容 平成27年秋季特別企画展「大名華族たちの明治」鑑賞
記念講演会  「華族会館から霞会館へ」
講師 松平宗紀氏(松平家20代当主)




■先月の例会はバスに乗っての小旅行でした。 建築がご専門の福井宇洋さんも来てくださったので、行きのバスの中で「見どころ」などを説明していただいたり、 有楽苑の中の建物では、その細部について解説してもらったりで、有意義な旅行ができました。 それにバスの後部座席をサロン風にして、乗るとすぐに酒が振舞われ大盛り上がりになっていたのもルネサンスならではの光景でした。
博物館明治村には重要文化財10棟を含む60数余の建物が移築されていますので、限られた時間に鑑賞できたのはほんの一部だったかもしれません。 明治村の中は自由散策でしたから、感想はさまざまだったことと思います。
会員のお一人から次のような文が届きましたのでご紹介します。
「一番印象強かったのは、明治村の呉服座(クレハザ)で した。かつて大阪府池田市に在った芝居小屋の建物でした。昭和46年に移築され、明治村に10戸ある重要文化財の中の1つの建物です。ガイドさんの案内で 呉服座の中に入りました。ガイドの女性が言いました。『お客様はどちらから来られたのですか?福井県ですか!福井と言えば越前ですよね。この客席の天井には越前和紙”が張られています。越前和紙は役者の声を一番反響しやすいのですよ。全国に在る他の古い芝居 小屋の建物の天井にも越前和紙が使われているはずです。』まさかこんな所で故郷の伝統産業の製品に出会うとは」

■先月の明治村行に続き、福井市立郷土歴史博物館で、その関連の展覧会がありますので、一緒に鑑賞し、面白そうな講演を聴こうと思います。
近代日本の貴族階級には、奈良・平安時代からの公家に由来する「公家華族」、江戸時代の藩主に由来する「大名華族」、臣籍降下した元皇族の「皇族華族」、国家への勲功により華族に加えられた「勲功華族(新華族)」等があります。今回の展覧会はこの中の「大名華族たちの明治」です。明治村の正門近くにあった重要文化財「西郷従道邸」はフランス人が設計した洋館でした。華族たちがこだわって建てた洋館は普段の住まいというより接客空間、所謂応接間で、明治になり西洋化政策の先陣を切って洋装、断髪に徹した明治天皇の行幸を受けるためだったようです。明治7年に全華族の融和と団結を目的とした「華族会館」が発足し、昭和22年に華族が廃止された後は「霞会館」に代りました。そういえば武生出身の天皇の料理番、秋山徳蔵が兄の恩師に紹介されて「華族会館」の厨房で働き始めた様子が先だってのドラマで描かれていました。





 武生ルネサンス通信 256号

2015年9月3日

 

9月例会のお知らせ


日時  9 月26日(土)
集合場所 越前市文化センター前
内容 バス小旅行
愛知県犬山市 犬山城、有楽苑、明治村見学




■8月は例会をお休みしましたが、皆様お変わ りなくお過ごしでしたか。今年の夏は熱中症の ニュースが毎日流れるほど猛暑日の連続でし た。いつこの暑さが終わるのだろうと思いまし たのに、立秋を過ぎたころから急に朝晩が涼し くなり、処暑を迎えるころには例年通り蜩の声 が聞こえました。二十四節気が見事に季節の変 化を表わしていることを実感しました。 9月1日は立春から数えて210日目に当たる 「二百十日(にひゃくとうか)」でした。これは日本 人の長い生活体験から生まれた「雑節(ざつせつ)」 と呼ばれるもので、新暦の8月1日頃の「八 朔」、9月10日頃の「二百二十日」と共に、昔 から三大厄日(天候の悪い荒れ日)として恐れら れてきましたが、今年もまたあちこちで雨や風 の被害が出ております。

■ さて今月の例会は上記のバス日帰り旅行を 計画しました。
8時  越前市文化センター前を出発
11時  犬山城前でバス下車、犬山城の前にある食事処「ことぶき家」で昼食
〜13時 犬山城、有楽苑を好きに見学
13時15 分 犬山城駐車場をバス出発
13時40 分 明治村到着
〜16時  明治村散策
16時15分 明治村駐車場をバス出発
19時  越前市文化センター到着
食事処はお昼になりますと大変混雑するよう なので、「ことぶき家」に交渉したところ、店 の開店時間は11時半ですが、その前にゆっく り食事をさせていただけることになりました。 少し早い昼食になりますのでご了承下さい。

■国宝犬山城は、織田信長の叔父織田信康によ って1537年に創建されたもので、日本最古の 木造天守閣が現存しています。
入城料550円、 見学に要する時間は約40分です。

■織田信長の実弟、織田有楽斎に因んだ有楽苑 (うらくえん)は犬山城の東、ことぶき家から徒歩 10分の名鉄犬山ホテルの敷地内にあります。 庭園内にはあちこち流転の末昭和47年にこの 地に移築された国宝の茶室「如庵」が建ってい ます。しかし茶室の室内は月に一度しか公開さ れていませんので、観られるのは外観だけです。
入園料1,000円,見学に要する時間は約15分。

■明治村については、行きのバスの中で福井宇 洋さんに、概観の説明をしていただきますので、 ご興味に従ってご自由に散策してください。 乗り物付入場券をお渡しいたします。 65才以上はシニア料金になりますので、年齢 を証明できるものをご持参下さい。




 武生ルネサンス通信 255号

2015年7月10日

 

7月例会のお知らせ


日時  7 月25日(土)19時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 「日本一周 自転車野宿旅」
お話:泉 義信氏(会員)


泉さんは福井新聞社を退職なさった61歳から、今春までに、四国、北海道、九州・沖縄、東北山陰、山陽と
自転車で日本一周を成し遂げられましたので、その旅のエピソードをお聞きすることにしました。


■先月の例会は、横田利宏氏による「手軽にできる直しの方法」の伝授でした。7時半から始 まったのに、みんな殊の外熱心で、あっという間に10時になっていたのには驚きました。 気長にぼちぼちやれて仕上がりが楽しみな「金継ぎ法」はいい趣味になりそうだと感じた人も多かったのではないかと思います。 またこんな貴重な機会に習っておきたいと思いつつ、都合が悪く、参加できなかったという方もおられたかもしれません。
参加者の一人、三木あいさんが講師の言葉を絵入りで記録していましたのでコピーさせてもらいました。 材料、その入手先、やり方、横田氏の極意まで、非常によくわかります。このコピーをご希望の方はお申し出ください。

■ 今月の例会でお話ししていただく泉さんが寄せて下さった一文をご紹介いたします。

「旅の始まりは定年後の61歳。四国のお遍路からです。
50歳頃から「退職したら四国のお遍路をしよう」と思い続けていたのです。 何が私をお遍路に駆り立てたのか。はっきりした理由は分かりませんが、私のルーツに関係するのかも知れません。 自転車にテントと寝袋、コンロを積んでの野宿旅はお遍路を終えると北海道へと向かいました。 若い時からの憧れの地で、北海道大学を夢み、「彼女にも会える」とも思ったのです。 北海道一周を終えると、今度は九州へ行きたくなりました。 若い頃、あの水俣病に関心があって一年近く水俣に住んでいたからです。 あの人たちに会いたい、そして今、水俣がどうなっているのか見たい。 そんな気持ちでした。それから、ついでに沖縄まで行こうと思いました。 そこで出会ったのは”幻の鳥”ヤンバルクイナ。毒蛇のハブがこわくて一晩中寝れないこともありました。 四国、北海道、九州と回ったのだから「どうせなら 全国一周を」と東北、山陰・山陽にも行って今春、「全国一周 自転車野宿」を終えたのです。 旅の途中、テントに弁当を差し入れてくれた女性。「今が一番幸せ」とつぶやいた元過激派学生の牧場住み込み男性。 福井まで追いかけて来た(?)東北の女性などいろいろな出会いがありました。 5年がかり、1万キロを超える放浪の旅でした。全国一周して区切りがつき、「これで旅は終わり」と自分に言い聞かせています。 でも世界は広く、揺れる心のこのごろです。」
泉さんのこの文を読みますと、芭蕉の『奥の細道』の冒頭「予もいづれの年よりか、片雲の風に誘われて漂泊の思ひやまず」が思い出されますが、 その忌憚のないお心を伺いましょう。




 武生ルネサンス通信 254号

2015年6月10日

 

6月例会のお知らせ


日時  6 月27日(土)19時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 「直し」を楽しみましょう
講師 横田利宏氏(武生ルネサンス会員)
もってくるもの 会費(500円)・直したい器もの
申込みは22日までに三木まで


古来茶人は器の瑕や器に施された直しの痕を、「景色」として賞玩してきました。
うっかり割ってしまった愛用の器や、入やホツがあることを承知で手に入れた掘り出し物を自分で直してみませんか?


■先月の例会は、田山方南の「紫 みどりなす若葉楓の庭ぬちに(庭のうちに)みやまつつじの むらさきのよさ」という掛物を床に掛け、五月 の風を感じながらの茶会を楽しみました。
お濃茶は初めての方もおられたでしょうが、とにかく笑いの絶えない、武生ルネサンスらしい茶会でした。 こういう茶会なら、炉の点前、風炉の点前と趣向を変えて、一年に二回ぐらい催せたらいいなという思いを持ちました。
床の花は鵜籠にホタルブクロ,シモツケソウ、 センダイハギ、ナデシコ、コアジサイ、コバノズイナ、ツユクサが生けられました。こういう季節の野草を愛でるのもうれしいものです。

■さて今月は骨董通の横田さんから「手軽にできる直しの方法」を伝授してもらいましょう。
直しのために必要な材料は用意しますので、大事な器で、入やホツがあるか、割れているものを持参してください。以前に一度教えてもらっているのですが、未だ身についていない人が多く、もう一度指南していただくことにしました。自分で満足いくように直してみると、きっと「瑕もまたたのし」「瑕があるからこそ掘り出し物を、どこかで探してこよう」という心境になるに違いありません。

■伝統的に行われてきた「直し」のいろいろを紹介いたします。
共継ぎ:割れた器物の元の破片を接合して形を整える方法。
かすがい止め: 割れた器物を接合するのに鎹(かすがい)を使って補強する方法。
焼き継ぎ: 割れた茶碗や皿の破片の割れ口に鉛ガラスの粉末を塗布し、元の形状に固定し、これを加熱することで、陶磁器の割れ口に塗った鉛ガラスを熔かし、破片同士を接着する方法。
二度窯: 割れた器物を接合して釉薬を掛け、もう一度窯で焼き直す方法。
共直し: 欠損した部分をパテで補填し、本体と同じ色調の塗料で彩色して本来の器に復元する方法。
金直し、銀直し、蒔絵直し: 割れた器物の接合部分や欠損した器物の補填部分に金、銀、蒔絵を施す方法。金継ぎとか金繕いともいう。
呼び継ぎ: 欠損した部分を補うのに、ほかの器物の破片を使う方法。尤も唐津は唐津同士というように同系統の破片を使う。
寄せ継ぎ: これといった母体がなく、数多くの破片を寄せ集めて造形する方法。この場合も同系統の破片を用いる。

■来年の絵暦は「越前の川の魚たち篇」としてただいま編集中。


 武生ルネサンス通信 253号

2015年5月13日

 

5月例会のお知らせ


日時  5 月24日(日)11時半〜15時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 正午の茶事
申込 5月20日までに三木まで
会費 2,000円(懐石・お茶・お菓子)
 町屋倶楽部の座敷に炉を切って以来、武生ルネサンスでは毎年茶会を催しておりますが
今年は昼食として懐石を供してからお茶をふるまう「正午の茶事」風にやってみようということになりました。

*お願い  水屋、お運びなど手伝って下さる方は10時迄に来てください 

■数年前に、公会堂の前やいくつかの駐車場などに植えた紅葉の新芽が美しい季節です。 今年は薫風かおる5月半ばになってもまだ朝晩少し暖が欲しいような気温が続いておりますが、皆様風邪など召されておられませんか。さて予てお知らせしてありますように来る24日に身内の茶事を催しますので、気楽にご参加下さい。

■お茶会といいますと、最近は大寄せの茶会が多く、そこで出されるのは「薄茶」と言われるものです。 抹茶には「濃茶」と、「薄茶」があります。 抹茶の製法に変わりはありませんが、濃茶は濃度が高くなるので、抹茶のよしあしが出やすく、より上質なお茶を使うことになります。 濃茶、薄茶と言っても本来は独立したものではなく「茶事」という一つの流れの中で接待されるものなので、今回はその流れに沿って皆様にお茶を楽しんでいただこうという趣向です。
初めての方も多いと思いますので、茶事の流れを簡単にご説明しておきます。

■11時半になりましたら、案内に従ってみなさんに席に入っていただきます。
亭主の挨拶の後、懐石を召し上がってもらいますがその時少しお酒もおすすめします。
食事が終わった頃、お菓子(主菓子)が出されますのでそれを食べてから一度席を立ちます(中立ち)。
亭主はその間に座を清め、又案内に従って席入りします。
改まった席で格式の高い濃茶点前が手順通りに進み、濃茶が出されます。 濃茶を飲み終えましたらもう一度中立ちしていただき、亭主がまた席を改めます。
次の席では気楽な薄茶がふるまわれ、茶事が終わります。

■濃茶の飲み方は一人が一椀ずつ飲む薄茶とは違います。これもここで一応のご説明をしておきます。濃茶は数人で上座の客から飲み回しします。これは「吸い茶」と呼ばれ、千利休が始めたものと言われています。濃茶を運んできた人が、「三人様で」とか「四人様でどうぞ」等と、言いますのでそれに従って自分が飲む量を調節してください。正面にお茶碗を置かれた方がお茶碗を畳の縁内に取り込み、同じお茶碗でいただく人全員でお礼をします。大体三口半で飲むようにし、畳の縁内に一旦お茶碗を置いて、用意されている濡れ茶巾で茶碗の飲み口を茶巾の場所を変えて三回拭き、次の人に回します。二人目の客は一人目の人が飲んでいる間に三人目の人に「お先に」とお辞儀をしておきます。最後に飲む人だけ「ずずっ」と音を立て「吸いきり」をして、飲み終わった合図をします。 濃茶は「練る」と言われるほど粘度が高いのですが、お茶の味は格別です。


 武生ルネサンス通信 252号

2015年3月24日

 

4月例会のお知らせ


日時  4 月5日(日)11時半〜15時半頃
場所 林病院農園
内容 お花見
申込 3月31日までに三木まで
花見弁当(1,000円)を希望の方は、参加の申し込みの時におっしゃってください。
           * 朝から雨が降っている場合は、町屋倶楽部で行います。 


■ここ数年武周ヶ池のほとりで花見をしてきましたし、昨年は小浜まで足を延ばしましたが、今年は久方ぶりに林農園で、楽しませていただこうと思います。
梅や桃や椿が同時に咲いていて、きっと春を満喫できることでしょう。
今年は例年よりも桜の開花期が早まっているようです。

■江戸末期から明治初期に江戸の染井村に集落を作っていた造園師や植木職人によって育成された桜は、西行法師の和歌にもたびたび登場する桜の名所吉野山にちなんで、最初「吉野」と名付けられたそうですが、もともと吉野山に自生していた桜はヤマザクラなので、それと区別するために、「染井吉野」と、命名されたと言われています。 ソメイヨシノは種子では増やすことが難しく、接ぎ木で増やしていますので、全国のソメイヨシノがクローンという事になります。 だからその地の気候に従って、一斉に咲き、一斉に散るという現象が起き、「開花宣言」ができるのでしょう。
今年はよく「カワヅザクラ(河津桜)が満開です」というニュースを見られたと思います。 ソメイヨシノは寿命が60年ぐらいと言われていますので、老木を河津桜に植えかえているところが増えてきているからのようです。 河津桜はソメイヨシノみたいにパッと咲いてパッと散ることはなく、花が一ヶ月ほど持つらしいし、クローンではないので、 咲く時期もバラバラで、今のような開花宣言はそのうちなくなるかもしれません。

■桜を賞玩する「花見」は元々貴人のものだったのが、武家の間にも広がり、江戸時代になると庶民も楽しむようになったようです。吉田兼好は『徒然草』138段の「花は盛りに」で、「よき人(物のわかった上品な人)の」花見と、「片田舎の人(教養のない田舎の人)の」花見を比較して述べていますので、この時代には花見の宴がかなり広まっていたのでしょうか。 それにしても「花見弁当」「花見酒」と、飲食を伴う花見や、「夜桜見物」は、桜見独特のものでしょう。

■『絵暦』も「きさらぎ」に入りました。
昨年11月頃に渡ってきたオオハクチョウもいよいよ北帰行です。 「鳥帰る」という季語の他に、北方に帰る渡り鳥が雲間はるかに見えなくなる様子を「鳥雲に入る」とか、「鳥雲」という言い方もします。 「鳥雲に入り終(おわ)んぬや杏(きょう)花村(かそん) 虚子」

■みにキネマさんの映画
「31年目の夫婦げんか」は4月15日@13:30/A19:00
 「大いなる沈黙へ」は5月20日@13:30/A19:00テアトルサンク4で。

■会費を納入してください。
会員2,000円/年 会友1,000円/年
郵便振替  口座:00790-3-8194
名義:武生ルネサンス


 武生ルネサンス通信 251号

2015年3月12日

 

3月例会のお知らせ


日時  3 月28日(土)19時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 母、娘 アメリカ西海岸二人旅
お話 藤井敦子さん(武生ルネサンス会員)
 昨年末の12月27日から正月2日まで、親子水いらずの旅行を楽しんでこられた藤井さんに写真を見せていただきながら、色々なお話をお聞きしましょう。
旅行の主な目的は、3つの美術館を観ることと、ラスベガスでシルクドソレイユのショーを観ることだったそうです。

■3月6日に啓蟄を迎え、21日のお彼岸まで、少しずつ春に向かうはずですが、今日もまた真冬並みに気温がさがり、小雪さえ舞っておリます。今年は越前海岸にも相当雪が降り、特産の水仙を傷めてしまい、その後に出た花芽を今度は鹿と猪が食べてしまい悲惨な状態だったと、聞いています。因みに、縄文時代の遺跡から出土する獣骨では、鹿と猪が最も多いそうです。「しし」とは日本語で元来「肉」を意味しました。「い(猪)のしし」と「か(鹿)のしし」がわが国古代の食肉獣の代表だったのでしょう

■先月の例会は、ごく普通の市民が慎ましい生活の中で約30年の歳月をかけてこつこつと買い集めた現代アートのコレクションが20世紀のアート史に名を残すような作家のものばかりだったという映画『ハーブ&ドロシー』の鑑賞会でした。 この映画の後編もありますので、そのうちにまた観る会を催したいと思います。

■今月の例会は、藤井敦子さんに西海岸の3つの美術館めぐりと、カナダケベック州で誕生したエンターテイメント集団、シルクドソレイユの本場でのパフォーマンス鑑賞など、旅先での様々なエピソードを交えて気楽にお話していただきます。

■今後の例会の予定は下記の通りです。

*4月例会は4月5日(日)
花見の宴(今年は林農園)

*5月の例会は5月24日(日)
皐月の茶会を催します。「正午の茶事風」な流れで楽しんでみようかと話し合っております。ルネサンスの茶会としては初めてお濃茶を飲みます。

*6月の例会は6月27日(土)
もう一度、簡単な「金繕い」を習います。

*7月は、多分7月25日(土)
東北地方を自転車で周って来られた泉さんにお話をしていただきます。

*8月は例年通りお休み
*9月はバス小旅行
行きたいところがあればご提案下さい。 今のところ出ている案は、愛知県犬山市の明治建築を保存、展示する野外博物館「明治村」見学  

*10月は平成28年版絵暦の紹介
*11月は平成28年絵暦ケース入れ作業
*12月は笑年会


■会員の三田村善衛さんが、4,5,6,7,8月の第三水曜日の夜、図書館で「カルチャー講座」を行います。4月15日は同じく会員の横田さんとの骨董対談です。(チラシ入り)

■みに・キネマ・福井の映画「31年目の夫婦げんか」が4月15日、「大いなる沈黙へ」が5月20日に、福井のテアトルサンクで上映されます。


 武生ルネサンス通信 250号

2015年2月10日

 

2月例会のお知らせ


日時  2 月28日(土)18時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 映画「ハーブ&ドロシー」鑑賞
会費 弁当代1,500円(飲み放題)
※ご自分で弁当を持参される方は無料
実在する現代アートコレクター・ヴォ―ゲル夫妻を追った日本女性監督の感動のドキュメンタリー。
食事をしながら映画を観て、思った事などを気楽に話合いましょう。 

■今年の「立春」は旧暦の十二月十六日でしたので、「あれ?立春は旧暦の正月元旦では?」と、思われた方もいらっしゃるでしょう。 「立春」は二十四節気の一つで、太陽が1年間に動く道を24等分して、太陽が各分点を通過する時の時候を表す名称です。 また旧暦は常に新月の日を一日として暦ができているので、「立春」と旧暦の正月元旦が一致するのは4、50年に一度ぐらいで、この前は1992年、次は2038年だと言われています。 この時を特別に「朔(さく)旦(たん)立春(りっしゅん)」と言います。因みに今年の旧暦正月元旦は、新暦の2月19日、二十四節気では「雨水(うすい)」の日です。

■今月の例会は映画観賞です。
2008年制作のこの映画は数年前にみに・キネマ・福井さんが上映していますので、その時に観ておられる方もいらっしゃるでしょうが、今回は我が会らしい鑑賞をしたいと思います。
アートコレクターというと、何かで財を成した人というのが一般的ですが、NY在住の郵便局員ハーブと図書館司書のドロシーが、40年余りかけて、コツコツとアート作品を買い集めた話です。
高校中退のハーブは独学で美術を学び、ドロシーはそんな夫に共鳴してのコレクションでした。「自分たちが気に入ったものであること」「自分たちの給料で買える値段であること」「1LDKのアパートに 収まるサイズであること」の3つの条件のもとに手に入れた4,000点にも上る作品は、20世紀現代アート史に残る名作ばかりです。1992年に全てのコレクションをアメリカの国立美術館ナショナルギャラリーに寄贈。1,000点ばかりが永久保存と決定され、残りを全米50州の美術館に50点ずつ分けて寄贈する「50×50プロジェクト」が立ち上がり、大きな話題になりました。2012年にハーブは死去しています。

■平成27年の『絵暦越前富士篇』は人から人へと渡り、思わぬところから感想が寄せられています。
かこさとしさんの絵本を出版している偕成社から、「かこ先生に見せていただきましたが、素晴らしい暦でしたので3部送ってください。」との注文。
天理参考館の学芸員からは、「東京の和田律子先生に頂きました。机上に置いてありますが心癒される暦です。」と、うれしい一言が寄せられましたし、青森市在住で越前市出身の人からも武生ルネサンスのHPを見て「懐かしい日野山の絵暦を送ってください」とのメールがありました。

■この「通信」も250号になりました。
もし「メールで送ってもらえばいい」と、思われる方は、その旨を、三木のメールアドレス(miki.yosimiのあとにアットマークをつけpeach.plala.or.jp) にお知らせください。検討いたします。

■年会費をお納めください。


 武生ルネサンス通信 249号

2015年1月10日

 

12月例会のお知らせ


日時  1 月31日(土)19時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 武生ルネサンス総会
初顔合わせ
平成26年会計報告
 平成27年事業計画相談
年会費をお納めください
2,000円 / 年( 通信を受け取るのみの方は 1,000円 / 年 )
郵便振替:口座番号 00790-3-8194
名義 武生ルネサンス 


■数年ぶりに霏霏として降りしきる雪を見ました。1月6日は所謂「寒の入り」の「小寒」。冬至から15日目にあたります。小寒から節分までを「寒の内」と言って、厳しい寒さが続くことになりますが、雪は程々にと願います。

■平成26年の例会を振り返る
1月25日  総会
2月22日 「越前国武生市街分間図と明治九年地籍図について」小川利男氏 
3月30日  小浜へ花見
4月19日 「春うらら」の茶会
5月24日 「九頭竜川の魚たち」田口哲氏
6月26日 「掛け軸鑑賞会」 松村忠祀氏
8月 3日 「落語」を楽しむ 都の亭真笑氏
9月27日 平成27年絵暦の紹介 河合俊成氏
11月 1日 敦賀、小浜見学(建築士会南越支部との合同行事)
11月23日 絵暦ケース組立作業
12月27日 笑年会


■平成27年はどんなことを楽しみましょうか?「こんなことをやってみたい」と思われることがありましたら、何なりとご提案下さい。メールでも結構です

■『絵暦』についての感想が寄せられていますので、12月に続いてご紹介いたします。
「写真家もすごいと思いますが、日野山だけで1年の絵を創れてしまう武生と呼ばれた古くからの都に感動しています。(沖縄 十郎愼一氏)」
「さっそく組み立ててみましたがまことによろしく、今は『むつき』の雪の朝を楽しんでいます。(福井 増永迪男氏)」
「日野山、武生はさすがに話題にテーマに事欠きませんね。私以上にこの『絵暦』を楽しみにしておりますのが母でございます。(福井 吉田純一氏)」
「武生で暮らした10年間、日に一度は眺めた日野山の懐かしい姿を素敵な写真で見せてくれます。(神奈川 小田貞夫氏)」
「デジタル化が進む今、この暦と懐かしい風物に眠っている体内時計が目覚めるようです。(大阪 畑中一一氏)」
「故郷が遠くなりつつある小生にとって絵暦は、故郷を思うよすがであり、頼りにしている心のよりどころでもあります。心から感謝申し上げる次第です。(東京 菱川元氏)」
「武生に特化したシリーズでいつも楽しみにしております。解説は簡潔で適確でしかも柔和な内容と存じます。(福井 角鹿尚計氏)」
「日野山を主題にすえて、季節の移り変わりにより、田んぼの風景と共にこれほど美しく自然が変化することを写真を通して改めて思います。この暦をめくりながら来る年を元気で過ごしたいものです。(福井 石黒洪基氏)」


 武生ルネサンス通信 248号

2014年12月5日

 

12月例会のお知らせ


 12 月27日(土)
時間 18時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 笑年会
会費 2000円(弁当代、飲み放題)

武生ルネサンスならではの「雑排」を楽しみこの1年を大笑いで締めくくりましょう。   準備の都合がありますので、12月22日(月)まで にお返事ください。


■勤労感謝の日の絵暦仕上げの作業では皆さんに大変お世話になりました。連休の中日ということもあり、例年よりも参加人数が少なかった為、2,000部全部は困難かなと、思っておりました。しかし何年も続けているおかげか、いつの間にか皆さんがベテランになっておられ、自分の仕事なら決してここまではやらないだろうと思われるほどの集中力で、予定通り夕方5時半にはすべて終了することができました。お歳暮、新年のご挨拶に使っていただけることを願っております。

■絵暦を受け取った方から届いているお声を紹介いたします。
「日野山の頂上で流星群を浴び、輝く陽光の中下山した十代の頃を思い出しています。合掌(埼玉県 福田治代様)」
「それぞれの月によって表情が変わり、淋しくもありまた力強くもあり美しいですね。解説でいろいろ勉強できありがたいです。(芦屋 信多智代子様)」
「暦を始められてから長いですね。素晴らしい歴史になると思います。(越前市 神門桐郎様)」
「毎年楽しみにしております。今年の鳥も好きなテーマでしたが、越前富士は私達の心の故郷です。今年も10冊お送りください。(東京 五十嵐義和様)」
「この絵暦はどこを開いても惚れ惚れします。(鹿児島県 神田橋條治様)」
「この絵暦は忙しい中で心の安らぎです。県外の心待ちにしている友人にも送ります(越前市 長谷川厳様)」
「素晴らしい写真と解説、デザイン。今年もまた知人にプレゼントするのが楽しみです。(東京 後藤球様)」
「今回は越前富士日野山の十二景。その状景の美しさにさすが『故郷の山は有難き哉』の思いを新たにしました。いつもの事ながらその選眼構成の見事さに感じ入っている次第です。(神奈川県 かこさとし様)」


■今年のように九月に閏月が入るのは大変珍しく、前回は1843年迄さかのぼります。(黒船来航はその10年後です。)従って後の月と呼ばれる十三夜を二回見ることができました。これはまさに171年ぶりの事です。2012年にも閏三月が入りましたのでその時にご説明いたしましたが、月の満ち欠けの一巡りは29.5日なので、一年の長さは29.5×12=354日になり、太陽暦よりおよそ11日短くなっております。それで約3年に一度閏月を入れて暦を調節しないと季節がずれてしまうことになります。「立春」から始まる二十四節気は、立春が「節」、雨水が「中」、次の啓蟄が「節」、春分が「中」と「節」と「中」が一つ置きになっています。一ヶ月には「節」と「中」の二つが入るのですが、「中」が入って来ない月が出てきますので、そこへ閏月を持って来ています。(これは中国から入ってきたもので、天保暦『置閏法(ちじゅんほう)』で決めたルールです。




 武生ルネサンス通信 247号

2014年11月6日

 

11月例会のお知らせ


日時  11 月23日(日)
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成27年版『絵暦−越前富士篇』の
ケース組立て、ケース入れ作業

毎年こうして『絵暦』を作成しておりますと一年があっという間に過ぎるように思えます。
今年もまた皆様のお力をお借りしなければならない時がやってまいりました。勤労感謝の日に作業奉仕をしていただくのは心苦しいのですが、どう かご協力ください。
(お帰りの際には出来立ての1冊をお持ち帰りください)


■平成6年版の『絵暦』から平成27年版まで、『絵暦』作成22年目になります。最初の3年間は大判の絵暦で、今の卓上型のものは平成9年版からです。ここまで長く続けて来られたのは、ひとえに毎年武生ルネサンスの絵暦をお買い上げ下さる皆様、作成に協力していただいている会員その他の皆様のお陰です。深く感謝申し上げます。今年も「これが武生ルネサンスの絵暦です」と、自信をもってお薦めできるものが出来上がったと思います。友人、知人の方へのプレゼントにお使い頂けたら幸いです。

■四方が海に囲まれた海洋国の上、国土の7割が山地の森林国でもあるわが国では、平成22年に、7月の第3月曜日を「海の日」として祝日にしましたが、平成28 年からは、8月11 日が「山の日」として祝日に加わります。また平成25年には富士山が世界文化遺産に登録されたこともあり、武生ルネサンスでは、平成27年の『絵暦』のテーマに日野山を取り上げました。全国には「…富士」と呼ばれているいわゆる「ふるさと富士」が300近くあるそうですが、今回取り上げた日野山も「越前富士」と称され、まちのシンボルとして親しまれています。 それぞれの写真の題は季語の中から付けてみましたので、写真とともにお楽しみ下さい。
題の中の「山笑う」「山滴る」「山粧う」「山眠る」は、中国北宋時代の山水画家、郭熙(かくき)の「春山淡冶(たんや)にして笑うが如く、夏山蒼翠(そうすい)にして滴るが如し、秋山明浄(めいじょう)にして粧うが如く、冬山惨淡(さんたん)にして眠るが如し」(『臥遊録』)が出典です。

■それから「日野山」と言いますと、鴨長明の 『方丈記』の一節が頭に浮かびます。「ここに 六十の露消えがたに及びて、更に、末葉の宿り をむすべる事あり」(六十歳と言う老齢になってまた私は余生を送る家を作ることになった)として、「いま日野山の奥に跡をかくして後、東に三尺余の庇をさして、柴折りくぶるよすがとす」(あらたに、日野山の奥に隠れ住んでからは、庵の東に三尺余りの庇をかけ、その下を炊事をする場所とする)と、今の京都市伏見区日野町に方丈の草庵を作って移り住んだことが書かれています。『方丈記』はこの日野山中の庵で書かれたものと言われています。世の無常にふれるところから始まる『方丈記』に思いを馳せますと、同じ名前の我がふるさとの日野山が一層いとおしいものに思えてきます。




 武生ルネサンス通信 246号

2014年10月7日

 

10月例会のお知らせ


日時  11 月1日(土)
集合 午前8時半
集合場所 JR武生駅
国高ふれあいセンター
内容 敦賀、小浜 見学会

見学コース
越前市→敦賀市博物館・山車会館→小浜で昼食→ 小浜市飯盛寺→常高寺→小浜西組重要伝統的建造 物保存地区→越前市(17時半頃)

武生ルネサンスと福井県建築士会南越支部との合同行事です。
会費は昼食代込で3,000円
定員40名ですので、申し込み順とさせていただきます。



■10月8日は二十四節気の「寒露」で、秋も深まり露が霜にかわる直前。ぼちぼち紅葉が始まります。標高3千メートルの御嶽山では、美しい秋の色に染まった山を求めて沢山の人が楽しい時間を過ごしていたはずなのに、突然牙をむいた自然は一瞬のうちに紅葉した木々を灰で覆い、多くの命も奪ってしまいました。 来年の武生ルネサンスの『絵暦』は、「越前富士日野山篇」で、現在印刷製本の段階です。
ところで、「山」を「さん」と呼ぶ場合と、「やま」と、呼ぶ場合がありますが、山岳信仰の対象としての山は、大抵「さん」と呼ばれていたようです。日本では江戸時代以前は、「山に登る」といえば、山岳信仰に基づいたものが中心で、今のようなスポーツ的要素の強い近代登山は明治初期に外国人によって広められたそうです。明治3年生まれの仏教学者、鈴木大拙が東洋的思考について、「自然を人間のために征服し、造り替えていくという風には考えずに、おのずからそこにある自然に従い、調和し、自然と一体となって生きようとする」と、説明していた事を思い出します。東洋的な登山は、山を征服するという発想の西洋的な登山とは違うような気がします。我々は自然に寄り添って、それを観照し、楽しみたいものだと思います。

■3月の武生ルネサンスの例会では、小浜に花見に行きましたが、このたび舞鶴若狭自動車道開通に合わせて、上記の行事を計画しましたので、ご参加下さい。
敦賀市博物館は昭和2年に竣工した旧大和田銀行本店です。第2次大戦の大空襲で敦賀市街地の7割が焼失しましたが、この建物は戦災を免れ、当時北陸では珍しかったエレベーターも残っています。2012年から大修復していました。山車(やま)会館は敦賀まつりに使われる山車、武者人形、鎧、兜、能面等が収蔵されています。飯盛寺(はんじょうじ)の本堂は、室町時代後期の真言宗の寺院で、若狭地方では十一面観音で有名な羽賀寺に次いで古く、国の重要文化財です。改修中の茅葺き屋根も見学出来るそうです。常高寺は臨済宗の寺院で、浅井三姉妹の次女「初」、京極高次の正室(常高院)の祈願によって建立されたものです。常高院の墓所やゆかりの品があります。 小浜西組重要伝統的建造物は江戸時代に小浜城下の町人地域を、東、中、西の三組に分けましたので、その西組地区です。街路構成は近世初頭の絵図とほぼ変わりがないそうです。建物はほとんどが明治21年の大火以後のものですが、江戸時代からの伝統的様式を踏襲したものになっています。






 武生ルネサンス通信 245号

2014年9月5日

 

9月例会のお知らせ


日時  9 月27日(日)19時半〜
内容 平成27年 『旧暦絵暦―越前富士篇』紹介
講師 河合 俊成氏
場所 府中町屋倶楽部




平成5年から発行し始めた武生ルネサンスの『絵暦』が今年も編集がほぼ終了し、印刷の段階に入ろうとしています。
平成25年に富士山が世界文化遺産に登録されましたし、
平成28年からは8月11日が「山の日」として祝日に加わることもあって、
来年の絵暦のテーマには、「越前富士」と呼ばれ親しまれている日野山を取り上げました。



■8月7日の「立秋」以後すっきりしないお天気が続き、各地で雨による大きな被害が発生しております。このまま秋気が本格的に加わる「白露」を迎えることになるのでしょうか。今年の中秋の名月は9月9日です。なんとか澄んだ秋空に名月を拝みたいものです。

■来年の絵暦の写真は稲総和さん、河合俊成さん、矢根明男さんの三人、写真解説は武生ルネサンス出版部の三木世嗣美、デザインは例年通り、エッグデザインの松田良一さん、印刷等は府中美術印刷さんが担当致しました。

■写真の表題は季語の中から付けてみました。
一月「初日野(はつひの)」二月「鳥帰る(とりかえる)」三月「名残の雪(なごりのゆき)」四月「山笑う(やまわらう)」五月「山滴る(やましたたる)」 六月「梅雨晴れ間(つゆはれま)」七月「青田(あおた)」八月「盆の月(ぼんのつき)」九月「豊の秋(とよのあき)」十月「山粧う(やまよそおう)」 十一月「初冠雪(はつかんせつ)」十二月「山眠る(やまねむる)」という具合です。
例会の時には来年の『絵暦』の試し刷り段階を見ていただけるかと思います。

■尚「発刊に寄せて」は、永く絵暦の写真を担当して下さっている河合俊成さんに書いていただきました。

■発刊に寄せて
「武生ルネサンス発行の絵暦の写真を撮り始めたのは、2002年の「武生の気になる庭篇」からであった。その後わが故郷の魅力ある風景、行事、生き物を写し続けているが、裾野を大きく広げた日野山が自分の写真の背景によく写り込んでいる。このまちのどこからでもその優美な姿が目に入り、それは「越前富士」と呼ばれるに相応しいシンボル的存在だと改めて思う。2015年の絵暦のテーマが「越前富士篇」 と決まり、写真撮影を依頼されてから、まともに日野山と向き合うことになった。このまちに住むもので一度もこの山に登ったことのない人はいないだろう。考えてみると、私も初めて登ったのは小学校の秋の遠足だった。小学生の自分には、その高さ、急な坂道、山頂からの360度広がるパノラマが大きな驚きだった事を思い出す。また家族で麓の日野神社の脇から登り、人の手が入っていない山道を草をかき分けて進み、露出した岩肌をやっとの思いでよじ 登り、山頂の社で神妙に手を合わせた事も懐かしい。冬の時期の特に冷え込んだ朝、平野の雪景色と相まってその純白の姿は神々しいほどに感動的である。この山は古来から山岳信仰の対象であったこともさもありなんと思う。」




 武生ルネサンス通信 244号

2014年7月14日

 

7月例会のお知らせ


日時  8 月3日(日)19時〜
内容 「落語」を楽しむ
ふく福落語会 都の亭 真笑さん
場所 府中町屋倶楽部



7月の例会ですが、来ていただく噺家さんのご都合から、8月3日に行います。
落語サークル「ふく福落語会の喋る貴公子」と呼ばれている真笑さんに高座をつとめていただきます。
夏の宵、落語に描かれた人生の哀歓や人情の機微を楽しみましょう。
尚8月は例年通り例会はお休みです。




■会員の加藤博一さんから「町屋倶楽部で一度落語を聴きませんか」と、都の亭 真笑さんを紹介していただきました。 考えてみましたら「町屋倶楽部で、武生ルネサンスの会員が落語を聴く」というのは、今迄なかったのが不思議なくらい似つかわしい事のように思います。落語は江戸時代以来の長い時を経て、磨き抜かれ、熟成された世界に類のない芸能です。また同じ演目が何度も口演されることによって、観客と共に成長を遂げて行く大衆文化です。さあ真笑さんはどんな噺をして下さるでしょうか?

■ちょうどいい機会なので、落語について少し考えてみましょう。
豊臣秀吉のお伽衆だった曾呂利新左衛門が落語家の祖と言われているように、歴史はその頃まで遡れるようですが、「落語(らくご)」いう言い方が出てくるのは明治になってからです。江戸時代は「落とし咄」と言われていました。 歌舞伎を見るのはかなりの贅沢でしたが、寄席は手近な庶民の娯楽で、1834年に発行された『江戸繁盛記』によりますと、一町内に一ヶ所もあったそうです。また江戸の寄席経営者には鳶の頭等が多く、自分の家の二階等で大抵夜席が持たれ、仕事を終えた庶民が夜の楽しみに出かけたようです。そういえば「真打」は、「真 (芯)を打つ」から来ています。夜の寄席での高座の明かりは蝋燭。寄席の最後の演者が、落語を終える時に蝋燭の火を消すために芯を切り落としていた様子から、高座で「トリ」をつとめることの出来る実力のある噺家のことを「真打」言うようになったと伝えられています。 最近の落語家には、やたら観客に向かって冗談を飛ばす人がいますが、観客に話しかけるようにして笑いをとるのは「漫談」で、落語は本来登場人物の語りも地の文も一人でつとめ、「話を語る」ものです。江戸小咄の中に「狼、口を開き、道なかにいる。早飛脚来かかり、口へ飛び込み、それも知らず、腹の中をエッサエッサと走り、尻から抜けて急ぎゆく。狼『ふんどしをすればよかった』」というのがありますが、こんな「オチ」のあるばかばかしいような話が落語の面白さです。落語を成り立たせている三つの要素「正座」「上下を切る(首を右左に動かすことで人物が入れ代わる)」「扇子と手拭」を考えますと、落語は聴き手の想像力に委ねた無限の可能性を持った特殊な日本の芸能であると言えます。必ず「オチ」がありますが、それは詳しい説明なしに噺家によってポンと投げられ、観客の方は何度も聞いた話でもそれに反応してまたまた大笑いするというものです。




 武生ルネサンス通信 243号

2014年6月10日

 

6月例会のお知らせ


日時  6 月26日(木)19時〜21時半頃
内容 松村忠祀氏を囲んでの座談会
場所 府中町屋倶楽部



  梅雨入りが間近に迫って来て、たそがれ時に田んぼの畦には蛍がちらほら飛んでいます。皆様初蛍をご覧になりましたか。
長い間朝晩、暖がほしいような気分でしたのに、最近急に気温が上がり、この分では本格的な夏はどうなるのだろうと心配になるような日が続いています。

今月の例会は家にある掛け軸を持ち寄って「ああでもない、こうでもない」と批評し合いたいと思います。




■数年前に武生ルネサンスで植えたもみじがかなり大きくなり、柔らかな葉が風に揺れています。 しかし所々枯れた枝がみられますので、そのうち一度手入れに歩いた方がいいかなと、思います。 モミジは虫に強いと思っていましたが、意外にがんど虫(ゴマダラカミキリムシ)という厄介な虫が付きやすいようです。 結構な太さの枝がまるで「がんど鋸」で切ったようにポトンと落ちている事がありますし、枝の中に穴が開けられ、ポカポカになり、枯れることもあるみたいです。

■さて今月の例会は、武生ルネサンスらしい雑談会になりそうです。どこのうちにも掛け軸が何本かはあると思います。 その中には代々伝わってきたものでかなりいいものらしいというものや、名前は有名な人のものになっているが、ホントかな?というものやら、これは自分が惚れ込んで買ったもので、自慢の一品だというものなど、色々あることでしょう。
また掛け軸は仕立ての面白さも鑑賞のだいご味です。話題になりそうなものを持ってご参加下さい。
元福井市立美術館館長で、美術品について慧眼をお持ちの松村忠祀さんに中心になっていただき、一幅ずつ楽しみながら賞翫したいと思います。

■武生ルネサンスの来年の『絵暦』は、越前富士日野山篇にするつもりで、現在河合俊成さんに季節ごとの写真を撮っていただき、矢根明男さんにも協力をお願いしています。
日野山は紫式部が
「ここにかく日野の杉むら埋む雪 小塩の松にけふやまかへる」
と、 松尾芭蕉が
「あすの月雨占はんひなが嶽」
と、詠みこんでいる山。村国山は2006年に『絵暦』にしていますが、日野山は今回初めてです。 昨年富士山が世界遺産に登録されたことや、2016年から8月11日が山の日として、国民の祝日になることなどから、「来年は日野山で」と、いうことになりました。全国には富士山のように八の字に裾野が広がる「ふるさと富士」が300ほどあるそうですが、わが越前富士もなかなかのものだと思います。きっと越前出身の方々にも懐かしく見ていただけることでしょう。

■先だって出雲大社宮司のご長男千家国麿さんと,高円宮家の次女の典子さまのご婚約が内定したことが報道されました。出雲大社さんには昨年も今年も武生ルネサンスの『絵暦―鳥篇』を購入いただいております。 「何故かな」と、思っておりましたが、国麿さんのご趣味がバードウオッチングと知り、納得しました。




 武生ルネサンス通信 242号

2014年5月10日

 

5月例会のお知らせ


日時 2419日(土)19時〜21時半頃
内容 「九頭竜川の魚たち」
映像を見ながら魚の話を聞く
講師 田口 哲氏
   (水中記録家 我が会会員)
場所 府中町屋倶楽部



田口さんは茨城県水戸市ご出身ですが、2008年から、パートナーの縁で越前市に居を構えられました。
大学をご卒業後、米国に潜水留学し、帰国後日本で初のNAUI潜水教師協会を設立。
そのダイビングの技術を生かして、水中の生き物を撮影し、1984年に『渓流の魚たち』(山と渓谷社)で、水中記録家として華々しいデビューをされました。




■先月号の通信でお知らせしましたように、会員の田口哲さんは、『淡水魚識別図鑑』(誠文堂新光社)を今年3月末に上梓されました。 携帯用の図鑑として非常に解りやすく、評判は上々だと聞いております。現在は、学研や小学館が子供の図鑑の大改定の最中なので、田口さんは魚類(淡水魚と海水魚)、鳥類、水中の無脊椎動物等の図鑑に参入なさっておられるそうです。 普段私達に馴染みのある魚は海水魚が多いように思いますが、古来夏の季語でよく取り上げられるのは、アユ科の淡水魚の鮎、サケ科の岩魚(いわな)、山女(やまめ)、コイ科の追川魚(おいかわ)等です。今回は九頭竜川水系に棲む魚たちについて、いろいろお話いただきたいと思います。 魚に興味がおありの方がいらっしゃいましたら、 会員以外の方でもお誘いいただいて結構です。

■つい先日、群馬県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」が6月のユネスコ世界遺産委員会で正式に登録される見込みであることが報道されました。国内の産業遺産としては2007年に世界遺産に登録された石見銀山に次ぐものです。民間への払い下げ後の昭和16年以来所有していた片倉工業株式会社が、「売らない、貸さない、壊さない」という考えで建物を保存、管理してきたことが、今回の登録につながったと、伝えられていました。 この経過を聞くにつけ、旧武生市街地の年毎の変化が残念でなりません。
つい最近、駐車場になっていた場所に、隣の病院の続きの建物が建ち始めています。ここには昭和2年に大和田銀行武生支店と大和田貯蓄武生支店が建設され、その建物は鉄筋コンクリート造りながら、腰の部分には花崗岩が使われ、玄関脇には左右に円形の柱を配した洒落たデザインになっていていました。 永年福井銀行橘支店として使われていた建物は、旧北陸道のランドマークになっていたように思います。 平成8年に福井銀行は支店を廃止したため、その後建物を手放すことになりましたが、「この近代化遺産としての建物を大事に保存する」という約束付の売却だったと、聞いています。 ところが平成13年5月、突然建物全体に覆いがされたので、保存のために壁面を修理するのかと思っておりましたところ、その市民の予想を裏切って、一気に建物は破壊され、駐車場にかわってしまいました。
あれから13年、今度はその場所に病院拡張のための建物が建設されようとしています。 また旧北陸道沿いの上の方に、平成11年5月まで存在した文化4年(1804年)築の大井家の跡地は、現在は草茫々です。
町並み保存はまさに掛け声だけで、次々に貴重なものが消えていっているのが、越前市の現状です。




 武生ルネサンス通信 241号

2014年4月7日

 

4月例会のお知らせ


日時 4月19日(土)19時〜21時半頃
内容 「春うらら」の茶会
場所 府中町屋倶楽部


二十四節気の「清明」が過ぎ、いよいよ山笑う季節になってまいりました。
これからしばらくは、野にも山にも色々な花が咲き乱れ、ゆったりとした気分を味わえます。
少しずつ日が長くなり、明るさがまだ残る7時から、夕さりの茶会を持ちたいと思います。
どうぞ気楽にお出かけ下さい。

会 費 500円(お茶とお菓子代)



■3月30日は、前日も翌日も晴れなのに、その日だけが雨というめぐりあわせで、急遽予定を変更した花見でした。予定していた小浜公園の桜は蕾未だ固し。ソメイヨシノの開花は1週間程後とわかり、それより早く花が咲くエドヒガンザクラはないかと探したところ、妙祐寺の枝垂れ桜が見つかり、寺に電話して聞いてみると、五分咲きですとの嬉しい返事。後ろに山を背負った高さ20m程の巨木は、雨だからこそ山に上がる霧と共に見事な姿を見せてくれました。まるで謡曲「桜川」の「げにげに見れば山おろしの、木々の梢に吹き落ちて・・・」の一節が思い出されるような景色でした。来春もまた今まで知らなかった桜に出会いたいものです。ご希望があればご提案下さい。

■今月の例会は、府中町屋倶楽部に炉を切りましたので、昨春同様茶会を催します。お茶では、5月から10月は風炉、11月から4月は炉を使います。従って、今月は炉との別れの茶会になります。寒さとも別れたうららかな夕べ、季節感のある別注のお菓子と、お茶を用意いたしましょう。余談になりますが、『枕草子』に「三月。うらうらとのどかに照りたる」とあります。「うらうら」は光線の明るさ、「のどか」は時の流れの悠揚(落ち着いた状態)を言っている と考えられています。あの有名な在原業平の「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのど けからまし」の「のどけし」も然り。
春は色々な花がありますが、利休の茶について語っている『南方録』には、「花入れに入れさる花ハ、ちんちやうけ(沈丁花)、太山しきミ(ミヤマシキミ)けいとうの花(鶏頭の花)、女郎花(オミナエシ)さくろ(ザクロ)こうほね(コウホネ)金銭花(キンセンカ)・・・」などという記述があり、八重咲きや、房咲きの華やかな花、強い匂いの花、そしてシキミのように盛りが長い花が嫌われているようです。 また「小座敷の花ハ、かならず一色を一枝か二枝、かろくいけたるがよし。勿論花によりてふわふわと生けたるもよけれど、(ふさふさとたっぷり生けるのも良いけれど)本意は(軽く生けるという本当の意味は)景気(見た目)をのミ好む心いや也、四畳半にも成てハ、花により二色もゆるすべしとぞ」とも書いてあります。
茶会では掛物、花も十分鑑賞して下さい。

■会員の田口哲さんが、『淡水魚識別図鑑』(誠文堂新光社 1,800円)を3月末に上梓されました。写真も美しく、素人にもよくわかる素晴らしい図鑑で、川遊びのお供に最適です。書店にありますので手にとってご覧下さい。


 武生ルネサンス通信 240号

2014年3月5日

 

3月例会のお知らせ


日時 3月30日(土)朝9時半〜夕方6時頃
内容 小浜へ花見
集合場所 越前市体育館前の駐車場
(武生税務署の前)

「いずみ観光の大型バス」が9時15分から駐車場に停車していますので、着いた人から乗り込んで下さい。 9時半出発です。
日曜日は体育館前の駐車場のゲートは上がっています。したがって 駐車料金はかかりません。

会 費  : 3,000円/1人
人数がいっぱいになりましたので、締め切らせていただきます。



■今年の花見は少し遠出をして、小浜で花見の宴を楽しみたいと思います。
弁当、飲み物等はご用意いたします。
朝9時半に出発、途中休憩をはさんで12時に「明通寺」に到着、拝観。そのあとお水送りの 神宮寺を見て、遠敷川沿い鵜の瀬の河原で弁当を食べます。河原は整備されてはいるものの石がごろごろしていますので、歩きやすい靴を履いてきて下さい。ここで座るための敷物は各自持参してください。河原で若狭の干物を炭火焼きにして酒の肴にしようと、考えています。十分に食べて飲んでから、小浜公園に移動して花見。小浜公園には800本の桜があるそうですが、3月30日に果たしてどれだけ咲いているかはさあ、どうでしょう。花より団子になる可能性もありますが、それもまたルネサンスの行事に相応しいかもしれません。越前市には夕方6時頃到着の予定です。もし雨が降った場合は桜の花が見られそうな所へバスを止めて、バスの中で弁当を食べることになると思います。晴れでも雨でも、とにかく出発したらすぐに宴会が始まると考えていただいて結構です。

■若狭の国府が置かれていた小浜には古い寺社が沢山残っています。最初に訪ねる明通寺は真言宗の古刹です。国宝に指定されている本堂、 三重塔は国内の鎌倉建築を代表する建造物です。長い間桧皮屋根の葺替工事のために覆いがされていましたが、平成24年4月に完了しましたので、その全体像が見られますし、平安後期作の仏像も見ものです。木々の芽生えの美しいこの季節に、荘厳な雰囲気を味わえると思います。3月2日のお水送りの神事でよく知られている神宮寺は神仏習合思想に基づいて神社に付属して建てられたお寺の総称です。明治になり廃仏毀釈の考えから国内の多くの神宮寺が破壊されましたので、今では珍しい建物になっています。本堂にかかる注連縄にその特徴がありますし、千年以上も続いてきた日本の宗教思想の一端も垣間見ることが出来ることでしょう。お水送りの時は、神宮寺で湧き出た水を深夜に松明の行列を作って2キロほど上流の鵜の瀬まで運び、この淵に水を流しいれ、奈良に送ることになっています。3月13日の夜中の1時半頃、東大寺二月堂の下にある閼伽井屋の若狭井からその水が汲まれ、お水取りの行事が取り行われ、春を告げることになります。

■水脈が奈良の二月堂まで続くという鵜の瀬の河原で、昔の人々のロマンに浸りながら楽しいひとときを過ごしたいと思います。流れを前にしますので暖かい服装でおいで下さい。


 武生ルネサンス通信 239号

2014年2月5日

 

2月例会のお知らせ


日時 2月22日(土)
19時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 「越前国武生市街分間図と明治九年地籍図について」
講師 小川 利男氏 (武生ルネサンス会員)

*3月の例会は3月30日(日)
バスを借り切り、小浜に桜見に出かけようと思います。
明通寺、神宮寺、羽賀寺など小浜には魅力的なお寺が昔の姿を留めていますので、きっと楽しめるはずです。
バス代と弁当代を入れて会費は3,000円です。




■今年は何とも変な年です。寒の内は雪の北陸であることを忘れる程の天気が続き、雪の全く見当たらない中で節分を迎え、さあ今日から春という立春の日から真冬のような冷え込んだ雪が舞っております。これからしばらく寒いようですので皆さまどうかご自愛下さい。

■2月の例会は上記のお話を伺うことになりました。小川さんは武生の明治以後の町並みの変遷について、残されている古い地図をもとに、建築家らしい考察を行っておられます。以前から明治八年の武生市街分間図として知られていたものが、実は明治初年の頃に作られたものであることを発見し、明治8年当時の市街の実情と、分間図の違いを調査したいと思われたそうです。というのは明治3年に「武生騒動」が起きています。これはみなさんもすでにご存じのように、越前福井藩の陪臣として幕府から大名格の処遇を得てきた本多家の当主本多副元が、明治政府が制定した華族制度では華族でなく士族と決められた事を不服とした旧家臣や町民が、その変更を求めて暴動に至った事件ということになっています。この時多くの逮捕者、刑死者、獄死者を出しています。福井藩の旧府中藩士に対する権力の誇示が強かったのでしょうが、騒動の処理後、旧府中藩士は福井に強 制移住させられ、その財力を失わされたといわれています。この時旧府中藩士たちの元の住いがどうなったのか、この疑問が越前市税務課で明治九年の地籍図を見せてもらうことが出来たことで、幾分明らかになったそうです。 震災も戦災も受けていないのに武家屋敷の残っていない武生の市街地の特徴が解るかも知れません。大変興味深い話です。会員以外の方でももしこういうことに興味のある方がおられましたらお誘いいただいて結構です。

■今年上半期の例会
2月22日(土)「越前国武生市街分間図と明治九年地籍図について」(小川利男氏)
3月30日(日)小浜へ花見
4月19日(土)府中町屋倶楽部での茶会
5月 ?日  「特定秘密保護法案について」
       (福井大海氏)
6月28日(土)会員各自がお宝(掛物)持ち寄っての座談会
 

■講演会のご案内(建築士会南越支部主催)
「土の中に隠れている越前国府」真柄甚松氏
3月15日(土)18:30〜20:00
武生駅前アル・プラザ4階 多目的ホール
3月10日迄に下記迄申し込みをして下さい。
Tel.0778-24-4788 Fax.0778-24-4779(吉村)



 武生ルネサンス通信 238号

2014年1月13日

 

1月例会のお知らせ


日時 1月25日(土)
19時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 武生ルネサンス例会
初顔合わせ
平成25年会計報告/平成26年事業計画相談

*年会費をお願い致します
2,000円/ 年(通信を受け取るのみの方は1,000円/ 年)
郵便振替:口座番号 00790-3-8194  名義 武生ルネサンス
 



■あけましておめでとうございます。
今年の元旦は丁度「新月」でした。私達が発行しております旧暦の絵暦を買っていただいている数人の方から、「今年の正月は新月から始まりますので、願い事をします。」というお便りを戴きました。旧暦では毎月第一日目の月を「朔月(さくげつ)」と言いました。この時は太陽・月・地球が一直線に並び、月全体が太陽の光線を背後から受けることになり、地球からは月が見えません。西洋天文学の影響が入ってきて後、「朔月」を「New Moon」というところから、「新月」と呼ぶようになったようです。またこの日は「月の旅立ち」の日というところから「ついたち」とも言います。そしてこの日に決心して始めたことは成就すると、信じられてきました。 皆さまも何か願い事をされましたか。

■昨年一年の例会
1月25日  総会
2月23日 「旧暦について」三木世嗣美
3月20日  初花の茶会
4月14日  武周が池での花見の宴
5月15日 「前川事件を通して再審制度を考える」福井大海氏
6月22日 「精神科医と語る会」三木勅男氏
7月25日 「越前の鳥たち」矢根明男氏
8月    お休み
9月19日 「中秋の名月を愛でる」弄庵にて
10月26日 「ヨーロッパの木造建築」
       福井宇洋氏
11月23日  絵暦ケース入れ作業
12月21日  笑年会(歳忘れ会)
さて今年はどんなことを楽しみましょうか。


■『絵暦』の反響
今年も県民福井、福井新聞、朝日新聞、読売新聞、FBCテレビで取り上げられました。
先月に引き続き、寄せられた声を紹介します。

「源氏アカデミーで講演をさせていただき、その年末に素晴らしい絵暦を送っていただきました。写真もきれいで、旧暦、新暦を対照出来る月齢表は古典に親しむ小生にとっては役立つばかりかとても楽しい暦であり、2月10日以降も是非使用したいと思っていますので、2冊注文いたします。(高橋文二様・東京)」 
「今年も御秀写を遥かに凌ぐ絵暦を拝見出来、福井育ちの(昭和5年〜23年)私にとっては同時期に重なる満州事変から太平洋戦に至る記憶とともに、嘗ての『うぶすなの地』が如何に豊かな自然に恵まれていたかを改めて回顧するよすがと相成りました。・・・感銘深く拝見いたしております。(山本恵一様・富山)」




 武生ルネサンス通信 237号

2013年12月13日

 

12月例会のお知らせ


日時 12月21日(土)
18時半〜21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 笑年会

はや極月も半ばになってしまいました。 恒例の武生ルネサンス笑年会を行います。
この一年、例会の日に都合が悪く一度も出席できなかったなと思っておられる方も是非元気なお顔を見せて下さい。
お待ちしております。




■12月7日が「大雪」12月22日が「冬至」と、いよいよ冬本番になってまいりました。今朝は霰がいつの間にか雪に変わり、藪椿にうっすらと雪が降りかかっておりました。旧暦の12月13日は、昔から「正月の事始めの日」とされ、新年の干支に当たる歳男が新年の恵方(縁起の良い方角)の山から正月の松飾り用の松をとってくる習わしがありました。現代では新暦の12月13日をこの日に当てて、門松を立てたり、神社や寺院などが煤払いを始めたりしています。みなさんは丁度年賀状を書き始めになられる頃でしょうか。

■先月は来年の絵暦のケース入れ作業に30名程の会員の方が参加下さいましたので、1時半から4時で2,000部すべてを完了することができました。ご協力ありがとうございました。

■来年の絵暦の売れ行きは順調ですがまだ残部が300部程あります。会員の皆様、年末年始のご挨拶にどうぞお使い下さい。

■絵暦を手にしていただいた人からの声が届いておりますので、その一端を紹介いたします。

「美事な鳥の写真、極意を知得しているカメラマン!加茂川でも鳥をよく見かけますが、このような姿にはなかなかお目にかかれません。(朧谷 寿様)」
「今年も素敵な絵暦を送っていただきました。四季折々に越前の里山でこんなに多彩な鳥たちを見ることができるのかと驚きました。故郷への思いを満たしてくれる素晴らしいものです。(小田貞夫様)」
「日曜日の朝から3時間もこの絵暦に見入っていました。写真、説明、デザインどれも楽しめました。(佐野周一様)」「美事な写真に感動しています。あと4部送ってください。(後藤祥子様)」
「素敵な絵暦の定位置はトイレです。(一番よく見ます)月齢が分かるのが嬉しいです。(上野千鶴子様)」
「写真や構成さすがに『ルネサンス』の名にふさわしく、そのご配意の見事さに感心しています。後3部送って下さい。(加古里子様)」
「今回は続編としての矢根様の素晴らしい鳥たちの様子に、そのコメントにと、何度も何度も見入っております。特にクマタカの一期一会の眼光にはこちらも一瞬にして射とめられてしまいました。(宮本正子様)」
「こんな素晴らしい鳥達の一瞬の姿を撮影できるのは、確かに並々ならぬ熱意の賜ですね。私たちはその恩恵 に浴することができて幸せなことです。(松浦トヨ様)」
「今年の第一ページ、矢根さんのクマタカの写真は迫力満点ですね。年間を通してこのクマタカのページを飾っておきたい気持ちです、とお伝えください。(矢野 久様)」


 武生ルネサンス通信 236号

2013年11月13日

 

11月例会のお知らせ


日時 11月23日(土)13時半〜17時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 絵暦ケース組立て、ケース入れ作業
来年の『絵暦‐越前に生きる鳥たち篇U』

またみなさんの力をお借りしなければならない時期が やってまいりました。武生ルネサンスの『絵暦』は、毎年 愛用してくださっている方々に、価格を上げずに提供して おります。これは皆様のご協力あってこそのこと。 全部の時間でなくても結構ですのでお手伝い下さい。 (お帰りの際には出来たての1冊をお持ち帰り下さい。)  




■11月7日(旧十月五日)は二十四節季の「立冬」に当たります。 これから冬に入る初めの節で、冬の季節風第一号が吹き、時雨れる日もあり、また山茶花が咲き始める頃です。 (「春一番」というのに、冬は「季節風第一号」と言います。 前者は江戸の終わり頃の旧二月三日、長崎県五島列島沖に出漁した漁師53人が強い突風にあって全員遭難して以来、このころに吹く風を漁師の間で「春一」または「春一番」と言い、1950 年代後半からマスコミで使われるようになったからで、本来漁師用語です)
旧歴の十月は「亥の月」です。 (月の十二支は、草木の発生・繁茂・成熟・伏匿の過程を十二の段階に分けて名付けたもので、寅の月が正月)
 明治以前は、武家屋敷では旧十月の初亥の日(今年は11月5日)、庶民の家では旧十月の中の亥の日(今年は11月17日)に「炬燵開き」や、 お茶の風炉を閉じて地炉を開く「炉開き」をしたようです。 「亥」は陰陽五行説では火を司る水の気。亥の月亥の日に炉開きや炬燵開きをするのは、その冬火事にならないことを願ってのことでした。
また、亥の月亥の日亥の刻には穀類を混ぜた「亥の子餅」を食べる習慣も宮中行事にはあったようです。 これは猪の多産にあやかるという意味があったそうですが、猪の被害に悩まされる現代では、喜んで亥の子餅も食べられない気がいたします。

■ 立冬の日11月7日の日の出は6時23分、日の入りは16時54分です。現在のような時刻制度を用いるようになったのは、旧暦を新暦にかえた明治5年の太政官布告に拠ります。 (十二月三日を明治6年1月1日にする。『太陽暦』に基づいて1年は365日。1日は24時間、時刻は何時何分という表示にする)
江戸時代までは日の出と日の入りを基準にする「不定時法」が使われていました。日の出の約30分前を「明け六つ」、日の入りの約30分後を「暮れ六つ」と言い、その間を6等分して、一区分を一刻と言いました。したがって夏の昼間より冬の昼間は短くなり、その間隔も変化します。夏至の頃の昼の一刻は2時間40分、冬至の頃の昼の一刻は1時間50分。「お江戸日本橋七つ(朝4時頃)立ち」、「お八つ(午後3時頃)」など今でも残っている言葉があります。不定時法だとややこしいようですが、江戸時代に時計を持っているのは大名や豪商だけで、庶民はお寺などが鳴らす鐘の音でその時刻を知ったので、問題はなかったようです。今でも越前市の山里・安養寺では、明け六つ暮れ六つ頃にミュージックサイレンが鳴っています。



 武生ルネサンス通信 235号

2013年10月13日

 

10月例会のお知らせ


日時 10月26日(土)19時半〜
場所 府中町屋倶楽部
内容 ヨーロッパの木造建築
講師 福井 宇洋さん
(元福井大学建築建設工学科教員)

先生は福井大学で設計製図教育にかかわりつつ、民家等の古建築の調査を長く行なってこられました。 そして三国の町家、板取宿、熊川宿、おさごえ民家園、大野 の武家屋敷内山家、木の芽峠茶屋等数多くの復原指導に当たられ、『福井県史』の「民家」「伝統的建造物群」の 執筆もなさっています。  




■先月の例会は中秋の名月を鑑賞しました。中秋の名月と満月が重なるのは、8年後2021年までもうありませんので、晴れ上がった空に煌々と輝いた今年の満月は大変貴重でした。

■ さて今月の例会は、武生ルネサンス会員の福井宇洋さんに、ヨーロッパの木造建築についてお話していただきます。
丁度月見の宴があった頃、福井さんが外国に行っておられる話を聞きましたので、 きっとどこかの建築物を見に行かれたのだろうと思い、お尋ねしました。 すると、30年以上にわたってヨーロッパの木造建築を研究し紹介し続けておられる太田邦夫さんの企画、案内で「魅惑の木造建築を訪ねる旅」に行ってこられた、と言うことでした。 更にお聞きしますと、2週間ほどハンガリー、ルーマニア、ウクライナ、スロヴァキア、ポーランドを回られたとか。 ポーランド南部マウォポルスカ地方には、築数百年を超える木造の正教教会やカソリック教会が沢山点在していて、世界遺産に登録されていることを聞いた事があります。
世界最古の木造建築というと、法隆寺の金堂、五重塔です。 良質な木材が豊富に採取できた日本では、19世紀以前の建物は全て木造でした。福井さんは次のように話して下さいました。
「日本には木造建築が、ヨーロッパには石造建築が一般的だと多くの人が思っているかもしれませんが、日本に石造建築が少ないだけなのです。 ヨーロッパには多くの木造建築があります。田舎の住宅は多くが木造ですし、都市の郊外でも住宅は木造が一般的です。 教会でさえ中世以来の木造建築がたくさん残っています。 ポーランド南部からウクライナ、ルーマニアにかけて「J」の字を横にしたように連なるカルパチア山脈周辺には独特のしかも多くの木造教会や民家が残っています。 今回の旅はそれらを見て回るものでした。ヨーロッパの木造建築の一端を紹介できればと思います。」と。
古来、森で覆われていたヨーロッパでは、やはり建物は木造建築から始まっているようです。 日本の木造建築について、大学卒業後一貫して研究してこられた福井さんから、そういうお話が聴けたらありがたいと思い、 是非にとお願いしました。会員でなくても興味のある方がいらしたら、どうぞおいで下さい。

■来年の『絵暦 越前に生きる鳥たち篇U』が現在印刷段階に入っています。今年もセンスのある旧暦の暦が出来上がってくると、思います。 この出版物は、これを使ってくださる多くの地元企業に支えられていますので、ご愛用いただけますようどうぞよろしくお願いいたします。


 武生ルネサンス通信 234号

2013年9月10日

 

9月例会のお知らせ


日時 9月19日(木)18時半〜
場所 横田弄庵
内容 中秋の名月を肴に遊びましょう

9月19日は、旧暦の8月15日で中秋の名月がみられる日です。昨年同様に今年もこの日が丁度満月に当たりますので、草原に集う虫の音を聴きながら、皆さんとともに満月を愛でたいと思います。  




■今年の夏の暑さは異常なほどでしたのに、なんだか急に秋めいて、気が付いたらいつの間にか蝉の声が虫の音に入れ替わってしまっていました。先月は例会がお休みでしたが、皆様風邪などひいてはおられませんか。

■ 旧暦の秋は七、八、九月ですので、その真ん中の八月十五日の月を「中秋の名月」と言って古来から愛でてきました。勿論毎月十五夜はあるのですが、旧暦八月の十五夜の頃は特に夜空が澄み渡り、ハギやススキなどの秋草が咲き乱れ、虫の音が競い合い、月を見るには条件が揃うので、特別に月見を楽しむことになったのでしょう。2011年、2012年、2013年と、八月十五日の「中秋の名月」が丁度「満月」になる年が続きましたが、それ以前は毎年、1日か2日ずれていて、中秋の名月が必ずしも満月ではないことがわかります。また十五夜の前日の旧暦八月十四日の夜は「待宵(まつよい)」といい、この時の月を「待宵の月」とか「小望月(こもちづき)」とよんで、名月を待つ気持ちがそこに感じられます。昨年も弄庵での月見を行ないましたが、生憎天気が悪く月が見られないと思っておりましたら、10時ごろ雲が晴れて、くっきりとした月を拝むことが出来ました。今年は月の出から眺める事が出来ますよう。

芭蕉の『おくのほそ道』から名月に期待を寄せていた芭蕉の表現を引用してみます。
芭蕉は福井で、10年ほど前に自分を訪ねて江戸へ出てきた等栽という旧知に会い、その家で2泊します。折りしも元禄二年旧暦八月十四日。名月は敦賀で見たいものだと等栽とともに福井をたち、武生を通って敦賀に入ります。
「名月はつるがのみなとにとたび立つ。等栽も共に送らんと、裾おかしうからげて、道のしおりと(さあ道案内しましょうと)浮かれ立つ。 やうやう(漸く)白根が嶽(白山)かくれて、比那が嶽(日野山)あらはる。*」
ここで『おくのほそ道』には収容されなかった句ですが、この時同行していた丸岡の俳人蓑笠庵梨一(さりゅうあんりいち)の『一蓑一笠(いっさいちりゅう)』には「明日の月雨占はむ比那が嶽」という句が紹介されています。
「*玉江の葦は穂にいでにけり。鴬の関を過ぎて、湯尾峠を越ゆれば燧が城、かへるやまに初雁を聞きて、十四日の夕ぐれつるがの津に宿をもとむ。その夜、月殊に晴れたり。・・十五日、亭主の詞にたがはず雨降る 名月や北国日和(ほっこくびより)定めなき」
結局芭蕉は敦賀で中秋の名月を見られなかったようです。


 武生ルネサンス通信 233号

2013年7月11日

 

7月例会のお知らせ


日時 7月25日(木)19時半〜
場所 府中町屋倶楽部
内容 越前の鳥 珠玉の写真紹介(来年の『絵暦』)
講師 矢根 明男氏 (越前のバードウオッチャー)

越前の鳥たちのことをこの方ほど知り抜いている人はいないだろうと思うほど、鳥の日常生活についてあらゆることをご存知です。 よっぽど鳥がお好きなのでしょうが、きっと天才的観察力をお持ちなのでしょう。 バードウオッチングの指導もしていただきましたが、「あそこにいる」と、教えてもらっても、素人にはなかなか双眼鏡の視野に鳥を入れられないものです  




■連日30度を越す猛暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしですか?今年は7月7日が二十四節気の「小暑、7月23日が「大暑」です。暑い季節の表現には「極暑」「酷暑」「猛暑」「炎暑」「炎熱」「溽暑(じょくしょ)」等がありますが、埼玉県甲州市の39度などはさしずめ「炎暑」と、表現されるのかもしれません。7月の例会は大暑の2日後で、最も暑い頃になりますが、矢根さんの地道な観察に基づく貴重なお話を聴きにお出かけ下さい。鳥好きの方がいらっしゃれば、お誘いいただいてもかまいません

■また子供たちの夏休みに向けて8月9日(金)〜8月18日(日)、越前市ふるさとギャラリー叔羅で矢根さん撮影の「福井県内で観察できる野鳥たちの写真展」が、開催されます。こちらも合わせてご鑑賞下さい。故郷の自然の豊かさに改めて気づかされると思います。今回の展覧会は越前市文化振興事業団の主催です

■昨年から商工会議所の月刊誌『JP』の表紙に武生ルネサンス発行『絵暦』の写真が使われています。今年の6月までは河合さんの樹木の写真でしたし、7月、8月、9月は矢根さんのコウノトリ、カワセミ、ヤマセミの予定です。

■先日ユネスコの世界記憶遺産に、藤原道長の政務や日常生活についての最古の日記『御堂関白記』が登録されました。 世界記録遺産というと、フランス革命の「人権宣言」、イギリスの「マグナ・カルタ(大憲章)」、アンネの日記、ベートーベン「第九」の直筆楽譜などがありますが、千年も前の、当時の最高権力者の日記(道長33歳〜56歳頃)がそのまま残っているのですからすごいことです。もともと36巻あったらしいですが、現存するのは自筆本14巻、古写本12巻です。越前市で毎年開催されている「源氏物語アカデミー」の指導者、朧谷寿先生(同志社女子大学名誉教授)は「藤原史を知れば日本史が見える」と、おっしゃっています。鎌倉時代あたりから藤原氏は近衛家、九条家、冷泉家、飛鳥井家といった家名を名乗るようになって、現代まで続いています。この『御堂関白記』も近衛家が守り抜いてきたもので、近衛文麿が戦前、京都右京区に設立した陽明文庫に収蔵されています。最近、講談社学術文庫から倉本一宏国際文化研究センター教授のわかりやすい現代語訳が発行され、読み易くなりました。

■8月25日〜9月2日「武生国際音楽祭2013」が越前市文化センターで開催されます。 8月25日(日)は15時からオープニングコンサート、8月26日は19時から気軽にクラシック (誰もが知っている名曲をあなたに)などが繰り広げられます。

■年会費をお支払い下さい。2,000円/年
(通信を受け取るのみの会友の方は1,000円/年)
郵便振替 口座番号00790-3-8194
名義 武生ルネサンス





 武生ルネサンス通信 232号

2013年6月10日

 

6月例会のお知らせ


日時 6月22日(水)19時半〜
場所 府中町屋倶楽部
内容 精神科医と語る会
精神科医をやめられない理由(わけ)
講師 三木 勅男 ( 精神科医、武生ルネサンス会員)

 三木勅男氏は、武生市長を退職後、直前の職業の精神科医に戻り、古希を過ぎた今も一介の臨床医として現場にいます。 今までと違ってこの状況は当分続きそうですが、それは「なんでか?」の本音と精神科医療の現状を語ってもらいながら、 皆さんの疑問も気楽に問いかけてみましょう。




■「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」(道元禅師和歌集)という歌の通り「ほととぎす」は、「雪月花」に並ぶ夏の代表的な季語ですが、現在その声を殊の外良く聞きます。 バードウオッチャーの矢根明男さんの話では「今年はほととぎすの当たり年だそうです」この鳥は、「時鳥、子規、不如帰、杜鵑」などいくつもの漢字が当てられ、「夏告げ鳥」とも呼ばれています。 初音を待たれるのは、鶯と時鳥ですし、夜ひそかに鳴く声は忍び音といって歌にも歌われています。「卯の花の匂う垣根に、時鳥早も来鳴きて、忍び音もらす、夏は来ぬ」(佐々木信綱作詞「夏は来ぬ」)

■通信228号(2月号)で、5月に勝山市北谷町の住民二人という限界集落小原地区を訪ねる予定を書きましたが、この超過疎地区に息を吹き込み、「小原ECOプロジェクト」を展開している福井工大吉田研究室の学生さん達がここに入るのが、8月の夏休みシーズンらしいので、賑わいがあり、色々説明も受けられるこの時期に予定をずらします。日程については又お知らせします。

■先月の例会は、弁護士の福井大海氏に「前川事件ら、再審制度を考える」というテーマでお話を していただきました。
再審は刑事訴訟法435条6号に「無罪となるべき明らかな新たな証拠を発見した時」とあるように非常に厳密であることを前川事件を通して教えて下さいました。(この時の詳細な説明資料の残部があります。)

■さて今月の例会は上記の座談会を企画いたしましたので、気楽にご参加下さい。ご興味のある方を誘っていただいても結構です。  標題の「理由」とは次のことのようです。 ・時代が引退を許さない。・地域が引退を許さない。・求める人達がいる。・たまに妖術を使って難病を治してしまう。・どんな話でも我慢して聴く。根掘り葉ほり聴く感性がある。・診療が好き。 ・行き当たりばったりの人生のたたりで年金がひどく少ない。・いくつになってもやれる職業である。(他にも何やらありそうですが・・・・)

■今年の『絵暦』は、矢根さんの鳥の写真で、その家族の絆を表現して、あちこちから高い評価を受けました。来年は「季節の風物と鳥」というテーマで、もう一年矢根さんの珠玉の写真を使って編集するつもりですので、ご期待下さい。

■年会費をお支払い下さい。2,000円/年
(通信を受け取るのみの会友の方は1,000円/年)
郵便振替 口座番号00790-3-8194
名義 武生ルネサンス



 武生ルネサンス通信 231号

2013年5月5日

 

5月例会のお知らせ


日時 5月15日(水)19時半〜
場所 府中町屋倶楽部
内容 講演 「前川事件を通して再審制度を考える」
講師 福井大海(ヒロミ)先生(武生ルネサンス会員)
元 最高検察庁検事、 現在 弁護士

  再審制度を概観した後、所謂前川事件の概要、犯人逮捕と裁判の経緯、有罪判決・服役と再審請求の理由、再審開始決定とその取り消しを巡る重要争点、今後の行方についてわかりやすくお話下さいますので、会員以外の方を誘っていただいても結構です  




■今年は二十四節気の「穀雨」が4月20日、「立夏」が5月5日で、5月2日が雑節の一つ「八十八夜」ですが、毎日朝の気温が10度を切るような寒い日が続いております。
「穀雨」は、江戸時代に著された暦の解説書『暦便覧』には「春雨降りて、百穀を生化すれば成り」とあり、立夏までの半月ばかりを言います。「穀雨」の期間は七十二候ですと、更に初候「葭始生(よしはじめてしょうず)」、次候「霜止出苗(しもやんでなえいず)」、末候「牡丹華(ぼたんはなさく)」の三つに分けられ、自然の移り変わりを見るとなるほどと思われます。
「八十八夜」は明治末に発表された日本の童謡・唱歌「茶摘」に「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る」とあるように、立夏の直前にくる雑節の一つです。雑節というのは二十四節気以外に季節の変化の目安とする特定の日の総称で、他に節分、彼岸、入梅、半夏生などがあります。立春を起算日として、88日目に当たり、「八十八夜の別れ霜」と言って、これ以後は霜が降らないことになっています。
しかし「九十九夜の泣き霜」という言葉もあって、たまに5月の半ばまで霜が降り、農家が泣かされることもあるそうですから、今年は油断できません。


■さて今月の例会は上記の講演会を行ないます。
解説していただけるのは、元検事で現在弁護士というこれ以上最適の人はいらっしゃらないだろうと思うほどの方です。
予備知識として、前川事件について、経過を簡単に示します。

・1986年(昭和61年)3月福井市内の市営団地の一室で、その日卒業式を終えたばかりの中学三年生の女子生徒が殺害された。
・1987年3月前川彰司さん(当時21歳)が殺人容疑で逮捕された。
・第一審 1990年9月福井地裁で無罪判決。検察は控訴
・第二審 名古屋高裁金沢支部で有罪判決。弁護側上告

・1997年11月 最高裁第2小法廷:上告棄却、有罪が確定
・2003年3月 前川さん刑期満了で出所
・2004年7月 前川さん再審請求
・2011年11月 名古屋高裁金沢支部:再審開始決定
・2011年12月 名古屋高検金沢支部:異議申し立て
・2013年 3月6日 名古屋高裁:再審決定の取り消し
・2013年3月11日 弁護団最高裁に特別抗告



 武生ルネサンス通信 230号

2013年4月1日

 

4月例会のお知らせ


日時 4月14日(日)12時から15時頃
場所 武周ヶ池畔山荘付近
内容 花見の宴

今年は例年よりも10日ほど桜の開花が早まっていますので、 14日頃には山荘周辺の桜が満開なのではないかと思われます。 天正18年(1590年)に山津波(山崩れなどによる大規模な土石 流)によって、天賀峰という山が崩壊し、武周谷を塞いで出来 たというこの池は深山幽谷の雰囲気を漂わせています。  
会費 2,000円(弁当代) 飲み物の用意もあります。



■先月は「初花の茶会」を催しました。透木釜を掛けての茶会は、客、亭主、点前、運び、水屋すべてから笑いの出る楽しい茶会でした。これからも季節毎にこんな武生ルネサンス流茶会を楽しめたらいいのにと思います。
また座敷に炉を切った大正二年の建築物は、お茶の雰囲気にはピッタリですので、わが会以外にも色々な方が使ってくださるといいのですが。 最近の建物は座敷で炭を使うことを禁じておりますので、「炭手前」をすることが出来ません。
でもこの府中町屋倶楽部では炭を使っていただくことも十分可能ですので、本格的なお茶会を楽しめると思います。

■さて4月は例年通り花見の宴を行ないます。 昔日本では春に山から神様が里に下りてくると考えられていて、桜はその依代だ(「さ座」さくら)とされてきました。桜の木の下でする宴会は、神と人が一緒に食事をする「直会(なおらい)」です。 また奈良時代までは、中国文化の影響で、「花」といえば「梅」をさしていました。「花」といって「桜」をさすようになったのは、平安時代からのようです。京都御所の紫宸殿前庭の「左近の桜 右近の橘」も桓武天皇の平安遷都の際に植えられたのは、梅と橘だったのですが、960年に内裏が焼 失した時、これらの木も枯れて、その後、桜と橘が新たに植樹されたそうです。(鎌倉初期の説話集『古事談』による)
この場合の「左」「右」は、南を向いて政務を執る 天皇から見てのことであって、臣下側からすると 逆になります。今年の雛の節句(旧暦の三月三日)は今の暦では4月12日ですが、このお雛様の飾り方もしかりです。元々陰陽五行説から、男性が陽、女性が陰で、左が陽、右が陰ですので、左手に男雛、右手に女雛(「向かって」だとこの逆になりますが)を飾っていましたが、明治になり西欧文明が入ってきてから、西欧人の男女の並び方を見習うようになり、大正天皇がご即位の際、西欧に習って並ばれたため、それ以後お雛様の並べ方も変わりました。しかし京都の旧家あたりでは、頑固に旧来の並べ方を守っているそうです。
■5月の例会は勝山の小原地区に行くことになっていますがまだ日程は決まっておりません

■武生ルネサンス会員で、現在弁護士としてご活躍の福井大海先生から「福井県の事件なのでご説明しますよ」との有難いお申し出がありましたので、5月16日(木)19時半から、これも5月の例会として「福井女子中学生殺害事件再審請求棄却」について、特に「再審とは何か」の講演を行ないます。


 武生ルネサンス通信 229号

2013年3月9日

 

3月例会のお知らせ


日時 3月20日(祝)12時から15時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 初花の茶会

 今年は雪が少なく、春が一気に来そうですですので、一足早く「初桜」をテーマに茶会を催します
   炉には「透木釜」を懸け、初炭点前を見、お弁当を楽しんでいただいて、その後に薄茶を一杯差し上げたいと思っております。 ご参加お待ちしております。
お茶会会費 2,000円 お弁当、お菓子の用意がありますので、3月15日までにお申し込み下さい。


■急に暖かくなりました。
春分の日にお茶をいただきながらゆったりとした時間を共有したいと思いますので、気楽にご参加下さい。勿論普段着で結構です。 茶会を催すことを「釜を懸ける」とも言い、社寺などで「在釜」と、書いてあれば、茶会が開かれていることを意味します。それくらい釜は茶道具の中でも象徴的存在です。今回は炉や風炉で五徳が登場する以前から使われていた、胴の部分に張り出した羽のある釜「透木釜」を懸けて、お茶を飲んでいただこうという趣向です
釜を炭火の上に懸けるのに、五徳を使わずに「敷木(しきぎ)」から転訛したと言われている「透木(すきぎ)」を炉壇と釜の羽の間に挟んで釜を支えます。透木の材質は耐火性の強い桐の他、朴や桜、梅も使われるようです。
暖かくなり、炉から風炉に移る頃に懸ける釜ですが、三千家の内、表千家と武者小路千家は三月に「透木釜」四月に「釣釜」を懸けますし、裏千家では、三月が「釣釜」で、四月に「透木釜」となっています。しかし五月になり、初風炉で釣釜に使った小ぶりの筒釜を土風炉に乗せることを考えますと、三月に「透木釜」で四月が「釣釜」の方が理に適っているような気がします。
ところで三千家というのは江戸時代初期、千利休の孫の子の代に分派したものです。千利休の孫、宗旦の次男宗守が官休庵武者小路千家、三男宗左が不審菴表千家、四男宗室が今日庵裏千家を継承し、現在に至っています。三千家とも千利休をその始祖にしていますが、それぞれの流派の中で変化がおきて、前記の釜を懸ける時期のみならず、色々と流儀が違ってきています
今回は武生ルネサンスの女性会員で、茶道具も持ち寄りで行ないます。武生ルネサンス流お茶会をどうぞお楽しみ下さ

■お願い 20日の茶会のために、前日の19日午後1時半から府中町屋倶楽部の掃除を行いたいと思いますので、お時間のある方はご協力下さい。

■4月例会の予定 4月の例会は14日にいつもの武周ヶ池畔の山荘にて桜見の宴を行います。10時半町屋倶楽部集合で、車に相乗りして行きますが、直接山荘に向かう人は11時半頃現地に到着するように行ってください。お昼のお弁当を用意しますので、申し込みが必要です。

■年会費をお支払い下さい。2,000円/年(通信を受け取るのみの、会友の方は1,000円/年)


 武生ルネサンス通信 228号

2013年2月13日

 

2月例会のお知らせ


日時 2月23日(土)19時半から22時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 『旧暦について』
講師 三木 世嗣美 (武生ルネサンス出版委員長) 

 「明治5年12月3日をもって明治6年1月1日にする」という太政官布告が発表されたのは明治5年11月9日。 この突然の改暦の謎、日本の歴史や文学の中の、旧暦でないと理解できない事象などについて、やさしく解説します

*年会費をお支払い下さい
2,000円/年(通信を受け取るのみの会友の方は1,000円/年)
郵便振替 口座番号 00790-3-8194 名義 武生ルネサンス


■今年は今のところ異常なほどに雪の少ない冬で、天気予報では、2月に又雪が降りそうだと言ってはいるものの、節分、立春が過ぎて、そのまま春になりそうな感じさえします。 既に日当たりの良い所では蕗の薹が顔を出し始めています。
ここで「立春」というのは二十四節気の一つですが、「節分」というのは、一年間の季節の移り変わりを、より的確に掴むために設けられた所謂「雑節(ざつせつ)」と、呼ばれるものです。 雑節は日本人の長い生活体験から生まれたもので、主に農作業に照らし合わせて作られています。
ところで、雑節と呼ばれるのは次の九つです。
「節分」「彼岸」「社日(しゃにち)」「八十八夜」「入梅」「半夏生」「土用」「二百十日」「二百二十日」。
この中であまり馴染みのないのは、「社日」ですが、これは一年に二回で、春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日で、春には豊作を祈り、秋は収穫のお礼参りをする日です。 又「二百二十日」は二百十日と同じく、立春から数えて二百二十日目の日で台風の襲来を警戒する日です。

■これまで『通信』に旧暦に関することを思いつくまま色々と書いてきましたが、思い返してみますと、系統だった纏ったお話は出来てないように思います。 先日武生ロータリークラブからの要請がありましたので、年初めのクラブ例会で「旧暦について」卓話をしましたところ、大変興味を持って聞いていただけました。 ロータリークラブの会員の中には武生ルネサンスの絵暦を毎年買っていただいている人が何人もいらっしゃるのですが、旧暦については意外とご存知ないまま、装飾品として『絵暦』を使っておられたようでした。
『絵暦』を発行して20年目に当たる今年、我が会でも一度旧暦のカレンダーというテーマでお話しようと思います。どうぞ足をお運び下さい。

■先月の総会で決まった今年上半期の事業計画についてお知らせします。
1月25日(金) 総会
2月23日(土) 「旧暦」について(三木世嗣美)
3月下旬  茶会 
4月14日(日) 桜狩 (武周ヶ池畔山荘)
5月    勝山市北谷町小原地区「小原ECOプロジェクト」を訪ねる
6月22日(土)何かの話(精神科医三木勅男氏)


下半期の中で、11月は絵暦のケース入れ作業、12月は笑年会と、決まっていますが、その他の月で「こんなのいかが」と、思われることがありましたら、ご提案下さい。  





 武生ルネサンス通信 211号

2011年6月7日

 

6月例会のお知らせ


日時 6月17日(金)19時半から22時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 講演 「師田組によって描かれた図面―近代の設計図と施工図を見る」
講師 高嶋 猛先生 (福井大学建築建設工学科) 

越前市師田建設(我が会員師田祐治さん宅)の蔵に明治時代からの大量の建築図面が残っていました。 それは近隣の大きな建物の他、永平寺、長野の善光寺のものまで含まれています。 日本近代建築史がご専門の高嶋先生が美術品のようなそれらの美しい図面を整理なさいました。



■曹洞宗の開祖道元禅師が永平寺で詠ったものとして伝えられている「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪冴えて冷(すず)しかりけり」また良寛の「形見とて何か残さん春は花山ほととぎす秋はもみぢ葉」の歌の通り、今の季節はホトトギスの声をよく耳にします。この鳥が鳴けば夏と、昔はその初音を待ちわびたようですし、夜密かに鳴くのを忍び音とも言ったものです。
■先月の例会は鳥が活動しそうな朝方にひどい雨が降り、村国山でのバードウオッチングは叶いませんでしたが、町屋倶楽部で講師の矢根さん、安井さん(越前カワセミ倶楽部メンバー)から、今の季節に見られる鳥の話を色々聞きました。 村国山の夫婦池の近辺、興禅寺へ登る道辺りへ行くと、「月日星ホイホイホイ」と鳴くサンコウチョウに出会えるかもしれないそうです。
■さて今月の例会は上記の講演を行ないます。
建物は棟梁の指揮の下に建てるもので、建築設計といういう事がまだ一般的でなかった時代に、ここまで完璧な手書きの建築図面が残されているのは貴重なことです。しかも専門家の先生に解説していただけるのは有難いこと。講演会には知人を誘っていただいても結構です。 因みに、武生の公会堂建設の古い記録を見ますと、「公会堂の設計は、武生出身で元京都府技師、安立浩氏の手により着々と進行、設計図完成に伴う説明などの協議会が開かれたのは、昭和3年4月8日であった。・・・・・昭和3年5月4日の地鎮祭で着工の第一歩を踏み出した。三田村町長他90余名の参列を得て・・・安立設計者代理、師田庄左衛門の諸氏が玉串を奉奠・・」(「御大典記念武生公会堂概要」)と、書かれています。
又江戸時代に越前の小野谷町や、氷坂に大工の集団がいた記録もあるそうですし、三国の大湊神社の棟札には小野谷の大工の名が記されていることを聞いたことがあります。又氷坂の峠には橘曙覧の書いた氷坂の棟梁永宮氏を称える石碑が建っていて、その石碑建設の発起人に は、師田庄左衛門他、越前の多くの大工の名が刻まれています。
■古地図(正徳元年1711年の「府中御城下絵図」)で歩く武生歴史散歩が武生立葵会の主催で6月18日(土)に行なわれます。
集合場所 公会堂記念館前 午前9時30分
参加費は無料ですが資料の準備の都合上小川建築設計事務所へお申し込み下さい。
Tel 0778-22-1314 / Fax 0778-24-4665


 武生ルネサンス通信 210号

2011年5月9日

 

5月例会のお知らせ


日時 5月22日(日)9時から10時半頃
場所 村国山周辺  
内容 野鳥観察 (双眼鏡を持参のこと)
津軽三味線を楽しむ(演奏者はわが会員を含む5人)
講師 矢根 明男氏

今年の絵暦の写真(アカショウビン)などを写して下さった写真家矢根さんは、45年以上この越前の周辺で毎日野鳥の観察を続けておられる野鳥観察の達人です。



■先月の武周ヶ池での花見は、今年は桜の開花が一週間ほど遅れていたせいで一片の花も見る事が出来ませんでした。しかし三味線、尺八な どのお囃子入りの宴会は、昔ながらの花見の宴を思い出させてくれるもので、花はなくとも十分に楽しめるものでした。
■昨年は2月に、日野川松ヶ鼻用水付近で野鳥観察会を行いましたが、今年は上に紹介いたしました矢根明男さんを講師にお頼みして、村国山周辺で、野鳥の観察を楽しみたいと思います。 矢根さんは、半世紀近く仕事も野鳥観察が可能な範囲のものを選んでやってこられたほどの方で、コウノトリの越前への飛来も新聞に書いてあった日より数日前にすでに把握しておられました。その観察姿勢についての話も興味があります。 こういう本当の観察の達人に案内していただけるのは、めったにないことですので、どうぞこの機会にご参加下さい。村国山に夏鳥が入ってきているらしいです。
■6月の例会は多分17日(金)で、福井大学の高嶋猛先生に、会員の師田さんの家に残る古い建図面について講演していただきます。
■来年の『絵暦』は、越前の伝統行事をテーマに編集します。
今皆さんに使っていただいている『絵暦―生物多様性篇』は、越前の生物多様性の紹介だけでなく、さまざまな提案を含んでいます。 環境問題を考える時、私達人間もその他の生物と同じ生き物であって、今流行の『地球にやさしく』という言葉自体不遜な言い方ではないかという事、環境を破壊してまで生活の範囲を広げているのは、多くの生物の中で人間だけなのではないかという疑問など。東日本大震災は、原子力発電所の暴走で、本当の復興の方向が見えてきません。 今私達は生物の一員としての人間の「分に応じて生きる」という意味を熟慮したいと思います。 そして、自然の現象に畏怖の念を抱き、その恵みに感謝しつつ、日々の生活を営んだ時代からこの越前の郷に、連綿と受け継がれてきた伝統行事を振り返ることの大切さを、『絵暦』を通じて語りかけたいものです。
■朝日新聞福井総局長から取材の依頼があり、4月13日の新聞に武生ルネサンスが紹介されましたので、同封いたします。
■映画のご案内「ハーブ&ドロシー」
5月19日(木)@13:30A15:30B19:00
テアトルサンク4 みに・キネマ福井上映
NYで17週のロングランを記録し他話題作



 武生ルネサンス通信 209号

2011年4月5日

 

4月例会のお知らせ


日時 4月17日(日)10時から15時半頃
場所 武周ヶ池畔の山荘
内容 桜狩(民謡と尺八の師匠も同行)
集合場所 府中町屋倶楽部 車に相乗りしていきます。
会費 2.000円




■3.11の大震災以後、連日胸詰まるような惨事が報道されております。この間何度も「想定外」と言う言葉を見聞きしましたが、昔から地震国 日本においては、その筋の専門家は当然想定すべき事態ではなかったのでしょうか?
鴨長明が1212年に書いた『方丈記』の中の大地震(1185年平安末)の描写が思い出されます。
「そのさま世の常ならず。山はくづれて河を埋み、海はかたぶきて陸地をひたせり。 土裂けて水湧き出で、巌割れて谷にまろび入る。・・・ 在々処々、堂舎塔廟、一つとして全からず・・・ 地の動き、家の破るる音、雷に異ならず。家の内におれば、忽ちにひしげなんとす。走り出づれば、地割れ裂く。羽なければ、空をも飛ぶべからず。龍ならばや、雲にも乗らむ。恐れの中に恐るべかりけるは、只地震なりけりとこそ覚え侍りしか。かくおびただしく振る事は、しばしにて止みにしかど、そのなごり、しばしは絶えず。世の常、驚くほどの地震、二三十度振らぬ日はなし。・・・おほかた、そのなごり、三月ばかりにや侍りけむ。」
■桜狩へのお誘い 
昨年と同じく、武周ヶ池の畔で、花見をしたいと思いますので、気楽にご出席下さい。
飲み物と酒の肴は十分にありますが、ご飯ものは用意しませんので、各自少しばかりご持参下さい。米の汁だけでいい人は何も持たずにおいで下さい。
先日越前祝い唄を指南して下さいました民謡の師匠林幸子さんと、尺八の師匠上西弘さんが同行して下さいますので、花見の宴は大いに盛り上がるでしょう。武周ヶ池の少し手前にある西雲寺の樹齢200年のしだれ桜も丁度盛りを見ることが出来そうです。湖面に映る桜と新緑を満喫しましょう。
花見のシーズンになると必ず思い出される俳句があります。一つは芭蕉が故郷伊賀上野を、桜が盛りの時期に訪れ、自分の膳の中に花吹雪が散り掛かった情景を詠った一句。
「木のもとに汁もなますも桜かな」
もう一句は、芭蕉45歳の頃、同じ伊賀上野に滞在中に、若い時使えた藤堂新七郎家の下屋敷で花見の句会が会ったときの句。
「さまざまなこと思い出す桜かな」
■4月2日から10日万葉菊花園の温室(ガラス展示室)で、武生ルネサンス絵暦の写真を担当していただいた、田口哲さん、矢根明男さん、 河合俊成さん三人による「野鳥写真展」を開催しています。



 武生ルネサンス通信 207号

2011年2月18日

 

2月例会のお知らせ


日時 2月18日(金)19時半から22時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 越前の伝統的な祝い唄を身につけましょう。
「菜種の花」「越前長持ち歌」「越前盆唄」「粟田部音頭」
講師 林 幸子さん(加賀山昭佳) 唄
講師 上西 弘さん   尺八

昭和40年代頃まで行なわれていた越前の伝統的結婚式を、平成21年5月に三木家では自宅で再現しました。
この時の映像を見ながら、越前の祝い唄を習うことになりました。
*こういうときにはやはり少々お酒が入らなくては!従って、ほんのちょっとづつ酒の肴をご持参下さい。



■旧正月、立春を迎えましたが皆様お元気でお過ごしですか?今年ほど寒の入りに当たる「小寒」、寒さ絶頂の「大寒」、春の気配がどことなく漂う「立春」をはっきり感じた年はないような気がします。数年ぶりによく降りました。ここ何年も大雪になっていなかったものですから、昔に比べたら融雪も除雪もずっと進んでいる筈ですのに、幹線道路やJRまでもが止まって大変なことでした。「やっぱり越前は雪国だったんだ」と、再認識させられました。
■さて今月の例会は旧正月の月に相応しい越前の伝統的祝い唄を習う会にしたいと思います。
昭和40年代頃までは、結婚式、上棟式、祭りなどの祝い事で親戚、知人が集まると、「菜種の花」や「粟田部音頭」が誰からともなく唄われ始め、みなが手拍子を打ち、「ハアヨイヨイ ヨイヤナ」とか「ヨーホイ ヨーホイ ヨーイヤナ アレワイセコレワイセ サーサナンデモセ」と、唱和して、座が盛り上がったものです。時には芸者さんの三味線が調子をとりました。この時の手拍子の叩き方は日本独特なものだともいわれています。
住宅事情が変わり、宴会を自宅で行なうことがなくなり、一方でカラオケが流行りだしてから、皆で唱和する楽しみもなくなりましたので、このような伝統もそのうち忘れ去られていくかもしれません。今回習う「菜種の花」は祝いの席で謡曲を唄えない者は、これを唄っていればいいといわれていた越前のもっとも知られた祝い唄です。
謡曲の高砂や四海波が謡われたあと、すぐにこの「菜種の花」が唱和されて、一挙に座が和みます。
三木家では2年前の皐月に越前市安養寺の自宅で夕方6時から結婚式を執り行ないました。
この時に祝い唄を唄って下さったのが林さんと、上西さんです。この時の模様をDVDで楽しみ、ついでに習い覚えようということになったわけです。故郷の文化を後の世に引き継いでいきたいと、毎年絵暦を発行しております我が会、こういう宴会のあり方も次の代に伝えられたらと思います。 今年の絵暦、生物多様性篇は大変好評でした。来年の絵暦は越前に残る行事や祭りを取り上げる予定です。
■3月例会は希少野生動植物保存推進委員の長谷川巌さんの講演になりますが、4月は昨年と同じ武周ヶ池の山荘で花見と茶会をする予定です。 この花見の宴で今回習う祝い唄を唱和できたらどんなに楽しいでしょう。
■年会費を払ってください。
会員2000円/年 会友1000円/年


 武生ルネサンス通信 206号

2011年1月17日

 

1月例会のお知らせ


日時 1月28日(金)19時半から
場所 府中町屋倶楽部
内容 武生ルネサンス総会
平成22年会計報告
平成22年会計報告
平成24年用の絵暦テーマについて

会費 2,000円をお支払い下さい。
会友の方(通信を受け取るのみ)は、1,000円/年です。
郵便振替:00790-3-8194  名義:武生ルネサンス




■あけましておめでとうございます。
一月のことは十二ヶ月の中で特別「お正月」と呼び、他の月とは違う敬意を表しています。旧暦の正月を「睦月」というのは、人々が睦ぶ(睦まじくする)からだと言われていますが、他に「祝ひ月」「端月」「太郎月」「初春月」「謹月」などの異名があります。
■平成22年事業報告
1月31日 総会
2月28日 バードウオッチング(松ヶ鼻用水)
     講師 上木泰男氏
3月26日 「建築士が見たアンコールワット」
     講師 宗澤公夫氏
4月18日 桜狩 (武周ヶ池畔の山荘)
5月30日 「志田弥広足跡をたどる展覧会」
     金津創作の森
6月25日 蛍狩(越前市エコビレッジ周辺)
7月23日 「生物多様性と人の暮らし」
     講師 長野義春氏
8月   休み
9月23日 月見の宴(満月を見る)
10月29日 「アントニオ・ガウディ作品群」
     講師 河合俊成氏
11月14日 絵暦ケース入れ作業
12月23日 笑年会  津軽三味線を楽しむ

■平成23年上半期事業計画案
1月28日(金) 総会
2月
3月18日か25日 長谷川巌氏講演
4月17日(日)桜狩(武周ヶ池畔山荘)
4月   バードウオッチング(夏鳥観察)
     講師 矢根明男氏
5月   福井大学 高嶋猛氏講演
     師田建設に残る絵図面と太子堂
6月   小旅行
昨年は2月にバードウオッチングを行ない、鳥の見方などを習いました。今年は絵暦の「ヤマショウビンやアカショウビン」のすばらしい写真を撮られた矢根明男さんに講師になっていただいて、観察会を持ちます。矢根さんのお話では今年はなぜか冬鳥が少ないそうですので4月あたりになると思います。



 武生ルネサンス通信 205号

2010年12月10日

 

12月例会のお知らせ


日時 12月23日(祝・木)18時から21時半頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 笑年会
津軽三味線を楽しむ(演奏者はわが会員を含む5人)
会費 ワンコインプラス一品(何でも結構です)

三味線、唄、尺八、太鼓で今年の笑年会の幕が開きます。
演目は津軽じょんがら節、津軽よされ節、津軽小原節、津軽あいや節、津軽三下がりなどの「津軽五ツ物」と言われるもののようですので、お楽しみに。



■12月も半ばになりましたが、既に年賀状を書き始めておられますか。
来年は卯年。
兎といいますと、月に見える黒い影を兎の餅つきと見たり、昔話にも「因幡の白兎」「兎と亀」「かちかち山」など子供の頃から 馴染みの深い動物です。 また実際経験した人は少ないと思うのに、唱歌「故郷」の出だし「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川」はわれわれ日本人の原風景に なっています。
兎に関する諺で、今でもよく使うものにどんなものがあるか考えてみました。
「ニ兎追う者は一兎を得ず」「脱兎の如し」「兎の昼寝」「兎波を走る」「兎死すれば狐これを悲しむ」「兎に祭文」「兎の登り坂」「兎の糞」「兎兵法」「兎も七日なぶれば噛み付く」
■先月の絵暦のケース入れ作業には、30名ほどの会員が懸命に働いてくださいましたので、予定通り夕方5時に2,000部全部終了することが出来ました。販売を始めて1ヶ月で発行部数の95%が捌けました。保存用に残す分を考えますと残り50部ほどですので、必要な人は早めに申し出てください。
■『絵暦―生物多様性篇』は、時宜にかなっていたこともあり、あちこちから良い評価をいただいておりますので、ご紹介いたします。
「生まれ育った風土が今もつながっている絵暦を手に、満たされた気持ちと感謝で一杯です。埼玉 福田治代様」
「東京に住んで5年経過して、初めて武生の自然が宝であることに気が付きました。東京 五十嵐義和様」
「旧暦サイクルで暮らす心地よさを実感しています。富山 二村文人様」
「いつも何かしらほっとする写真に癒されています。夫が病に臥せ最近は散歩もなかなか出来ない状態なのでこの絵暦は夫婦の楽しみになります。広島 松浦トヨ様」
「貴重な生物を越前の里山と取り合わせた美しい絵暦にしばし見入りました。この絵暦のすばらしさ、それを継続していらっしゃるすばらしさを思いながら拝見しています。神奈川 和田律子様」
「この度の生物多様性篇は時期に即し且つ見事な映像を集約されていて、さすがと感嘆しておる次第です。関係の皆様のご努力の賜と存じます。神奈川 加古里子様」
「毎年机上の友になっています。すばらしい暦ですね。東京 上野千鶴子様」
「息長く制作されている武生ルネサンスの皆様のご努力と精進に敬意を申し上げます。一新聞記者として旧武生市に赴任して、こよなく郷土を愛しもうとされていた市民諸氏に出会えた幸せを感じます。富山 筆谷正夫様」
「珍しくて貴重な暦愛用します。京都 中村昌生様」



 武生ルネサンス通信 204号

2010年11月8日

 

11月例会のお知らせ


日時 11月14日(日)13時から17時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成23年『絵暦』のケース入れ作業

毎年この時期のお願いです。絵暦のケース入れ作業を手伝ってください。
平成5年の武生ルネサンス設立以来18作目になります。
可能な限り手をかけた絵暦がこうして発行し続けられるのは、皆様のご協力のお蔭です。 少しの時間でも結構ですので、お願いします。
お帰りの際は、出来たての絵暦を一部お持ち帰り下さい。


■はや立冬を迎えました。今年の夏は異常な暑さでしたが、今頃になりますといつもと同じ寒さになり、時雨れることが多く、ちゃんと山茶花が咲き始めました。
「短日」「暮れ早し」「今朝の冬」などの季語がなるほどと思われます。
■来年はなんとしても越前の生物多様性をテーマにと思い、編集を進めてまいりました。どの生物を選ぶかに頭を悩ませたほど、越前市周辺は沢山の生物が生息している自然豊かな環境であることを改めて感じました。赤トンボの歌で馴染みの深い「アキアカネ」もどんどん姿を消していて、石川県では殆ど見られないが、福井県にはまだかなり飛んでいるという報告もあります。来年の絵暦の解説をしていただいた環境省希少野生動植物種保存推進委員長谷川巌さんの「発刊に寄せて」を紹介します。

「発刊に寄せて 
2010年は国際生物多様性年で、10月には世界の生物多様性条約締約国会議「COP10名古屋大会」が開催され、改めて、世界の全ての人達が、宇宙に浮かぶ水の惑星地球号の生物多様性の保護と、持続可能な利用の在り方を考える機会を共有しました。生き物は地球の誕生から46億年の歴史を経て、様々な環境に適応して進化 して、約175万種の生き物が知られ、未知なるものを入れると3000万種の生き物が生息しています。それぞれに個性があり、人間の目に見えなくても精密で複雑で多様な生き物の食物連鎖でつながっています。私たち人間の暮らしもは、この生き物たちの癒し・医薬品・食糧としての恵によって成り立っています。しかし、今、人間の生活様式の変化から、1年間に4万種という猛烈なスピードで生き物が絶滅し、生物ピラミッドが崩れてきています。身近な越前市でも、過去に普通に見られた生き物が見られなくなってきています。希少種や珍種だけでなく、普通のただの虫、ただの植物、外来種にも目を向ける姿勢や生き物に接する価値観を代える必要が大事ではないでしょうか」

■絵暦の見返しの所では「アベサンショウウオ」を取り上げましたので、その解説文も紹介いたします。

「日本の小型山椒魚19種に中でも生息域が狭い。越前市西部地域の里地里山には日本の80%、県全体では93%が生息。幼生の食性は、水生の小さい節足動物や環形動物。共食いもする。成体は小型のミミズ、昆虫の幼虫等。環境省絶滅危惧TA類に指定され、「種の保存法」でも指定。捕獲、採集すると100万円以下の罰則または懲役。
―長谷川巌」



 武生ルネサンス通信 203号

2010年10月15日

 

10月例会のお知らせ


日時 10月29日(金)19時30分から21時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容 高校時代に衝撃を受けたアントニオ・ガウディ作品群について
講師 河合俊成氏 
カサ・ミラなど6ヶ所の写真を紹介しながらその印象を語っていただきます。
11月例会のお知らせ 11月14日(日)午後1時から 
平成23年『絵暦』のケース入れ作業

来月は、11月14日(日)午後1時から『絵暦』のケース入れ作業を行ないます。
      一人でも多くの人手が要りますので、ご協力お願いいたします。お帰りには真新しい絵暦をどうぞ。


■毎日の暑さに閉口した日々もすっかり終わり、秋分の日から15日目にあたる「寒露」も過ぎました。寒露とは晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことをさし、この日を迎えますと秋の深まりを感じるようになります。そして今月の23日(旧暦の九月十六日)は「霜降」。秋の季節最後の二十四節で、木々の紅葉が始まり、小雨が降り、「冬隣り」という季語がなるほどと思われます。
■先月の例会では天気予報に反して、幸運にも見事な望月を見ることが出来ました。
さて今月は、絵暦の写真でお馴染みの河合俊成さんにユネスコ世界遺産に登録されているアントニオ・ガウディ作品群を紹介していただきます。
河合さんは高校時代に授業でガウディのカサ・ミラの写真に出会い、その異様さに衝撃を受け、その後ずっと気になっていて、1987年、34歳の時初めての海外旅行でスペインのバルセロナを訪ねたと、言っておられます。
今回紹介してもらうのはその時の写真と、若き日の新鮮な印象です。
A・ガウディは19Cから20Cにかけてスペインのバルセロナを中心に活動した建築家です。彼の「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければ ならない」という言葉が残っているように、ガウディは自然の中に最高の形があると信じ、独自の構造力学的合理性をもって、植物、動物などをリアルに表現したと、言われています。
建築士として仕事をしながら、自然の美しさを写真に撮り続けておられる河合さんの原点に触れる事が出来るように思います。
■現在名古屋で生物多様性第10回締約国会議(国連地球生きもの会議)が開催されています。
来年の絵暦はこの会議に焦点をあわせて「越前の生物多様性篇」として編集しました。
今回の写真は河合俊成さん。田口哲さん、長谷川巌さん、矢根明男さんの4人のコラボレーションです。それぞれにすぐれた才能のある4人の方に参加していただくのは、ともすると纏りがつかない危険もありましたが、エッグデザインの松田良一さんが非常にセンスよく仕上げてくださいました。解説は長谷川巌さんです。
■22日から源氏物語アカデミーが始まります。
テーマは「源氏物語と雪」 是非ご参加を
■「街並み見学会in今庄」と街づくり講演会
11月6日(土)
13:30〜14:20 見学会
14:30〜18:00 講演会
会場 昭和会館(南越前町今庄)  


 武生ルネサンス通信 202号

2010年9月1日

 

9月例会のお知らせ


日時 9月23日(木)19時30分から22時頃
場所 堀川別邸
内容 月見の宴
旅行のお誘い 9月25日、26日
「平城遷都1300年祭と京都」(主催 福井県建築士会南越支部)




■8月は通信も例会も夏休みにさせていただきました。
もう9月ですのに、人に会えば「暑いですね」という挨拶ばかりの日々、皆様いかがお暮らしですか。
「盛夏」と言いますと、梅雨が明けて本格的な夏を迎えたという喜びを感じさせる健康的な季語ですが、 今年の暑さはそれどころではなく、「極暑(ごくしょ)」「酷暑」「猛暑」「炎暑」などの表現が似つかわしい気がします。
二十四節気の「小暑」から「立秋」までは「暑中見舞」、「立秋」から八月末までは「残暑見舞」ということになっていますが、 「処暑」を過ぎても尚この暑さですから、まだまだ残暑見舞が続きそうです。
■さて今月の例会は、丁度秋分の日と満月が重なる23日に月見の宴を催したいと思います。
堀川さんの姫川町別邸は、昔ご祖父様の月見亭があった場所だと聞いておりましたので、 この度お願いして、そこからの月を鑑賞させていただくことになりました。
越前富士と呼ばれる日野山の頂にかかる満月は、俳人ならずとも一句詠みたくなることと思います。
元来「中秋の名月」は旧暦八月十五日の「十五夜の月」を言いますので、今年は「満月」とは1日ずれています。 もっとも中秋の名月と満月が一致していたのは最近では2005年で、その後今年まで毎年ずれています。 満月の夜23日の月の出を調べましたところ、17時38分で、正中が23時6分、月没は3時43分です。 月の出の時間というのは地平線に見える場合ですから,堀川別邸からでしたら、多分19時頃に山から出てくるのが見られると思います。 勿論もう少し早めに行ってその前兆を楽しまれるのもいいでしょう。 因みにこの日の日没は17時37分になっています。
「菜の花や月は東に日は西に 蕪村」
の月は満月だったのではないでしょうか
■旅行のご案内
25日武生を朝6時半頃バスで出発して、春日大社の秘宝展、興福寺国宝館、新薬師寺、平城宮跡を観て、京都市内の旅館に宿泊(1泊17,000円)。 26日は有栖川宮邸、秩父宮御殿、下鴨神社、知恩院、霊山歴史館で龍馬展を観て武生に夕方6時半ごろ帰ります。 費用はバス代、拝観料、宿泊費、食事代、保険など入れて25,000円です。かなりの補助もありますし、建築士会の人たちと一緒ですので、何かと楽しいことが多いと思います。是非ご参加下ださい。

■音楽祭のご案内
9月5日〜12日
特集 フランスの音楽
世界中から著名な音楽家を招いて催される滞在型の音楽祭です。周辺の施設でもミニコンサートがありますので足をお運び下さい。


 武生ルネサンス通信 201号

2010年7月10日

 

7月例会のお知らせ


日時 7月23日(金)19時30分から21時頃
場所 府中町屋倶楽部
内容(講演) 「生物多様性と人の暮らし」
講師 長野 義春氏 
京都大学で動物生態学を修める。環境省認定環境カウンセラー    
越前市エコビレッジ交流センター指導員
朝日新聞に4年にわたり「環境早わかり」を連載

画像を使った、解り易くしかも今の時代に非常に興味ある話になると思いますので、会員の方でなくても誘って いただいて結構です。


■毎日よく降る雨を見ながら、日本語には豊富な雨の表現があることをあらためて思いました。夏の雨から思い出してみましょう。
例えば俄かに強く降ってくる雨を「村雨(むらさめ)」、その中でも限られた地に不意に降ってくる雨を特に「私雨(わたくしあめ)」、 又俄か雨で景色が白く見える雨を「白雨(はくう)」、俄かに降ってきてもすぐ止んでしまう雨を「驟雨(しゅうう)」、 ぽつぽつと細かく降る雨を「小糠雨(こぬかあめ)」「霧雨(きりさめ)」、旧暦5月の長雨のことを「五月雨(さみだれ)」、 特に旧暦5月28日に降る雨は「虎が雨」、この日曽我十郎が死に、愛人の遊女虎御前の涙が雨となって降ると伝えられたもので、 「虎が涙」「曽我の雨」ともいいます。どしゃ降りの雨には「篠突く雨」という言い方もありました。 また日が差している時に降る雨は「日照り雨」か「天気雨」。 粋なものには、客を帰さないために引き止めるように降る「遣らずの雨」があります。
■先月の例会は小糠雨の降る中、蛍狩を楽しみました。
坂口地区越前エコビレッジセンターの横の道から馬借街道の入り口にかかるまでの場所は、まさに蛍鑑賞には最高の環境でした。
小川が流れ、その反対側が杉木立で高暗く、蛍が杉の木のてっぺんまで上がっていくのが見られました。 指導員の方の説明によると、カワニナを餌にして清流に生息するのは源氏蛍。タニシやモノアラガイを餌にして田んぼや沼に生息するのは平家蛍。また源氏蛍は体が大きく、1分間に約20回点滅し、平家蛍は約80回も点滅するので、点滅光を見ればどちらの蛍かわかるそうです。この日は両方の蛍が見られました。
「ホッホッ蛍こい。こっちの水は甘いよ」という歌がありますが、蛍が餌を食べるのは幼虫のうちで、成虫になると夜露の水以外何も食べず、幼虫時代(水中生活およそ9ヶ月)に食べた栄養分だけで生き続け、その蓄えられた栄養分を消化しきると寿命が尽きるそうです。
それに蛍は極めて地域性の強い生物で、同じ蛍だからとよそから持ってきたり、別な地域のカワニナを与えたりすると、生態系に変化が起き、自然保護にはならないと、言われています。
■来年の絵暦は「生物多様性」をテーマに、現在編集が進んでおります。絵暦の写真は田口哲さん、矢根明男さん、河合俊成さん、解説は越前市希少野生生物保護アドバイザーの長谷川巌さん、デザインはエッグデザイン松田良一さんに頼んでいます。



 武生ルネサンス通信 200号

2010年6月10日

 

6月例会のお知らせ


日時 6月25日(金)19時30分から21時頃
場所 越前市エコビレッジ交流センター周辺
内容 蛍狩(同封のチラシ「ホタルを見ようナイトハイク」)
集合場所 府中町屋倶楽部 
車に相乗りして行きます。19時出発
直接行く人は越前市湯谷町5-25-2エコビレッジ交流センターへ

暗くなってから田んぼの畦道などを歩きますので、動きやすい服装、歩きやすい靴で。
また雨が降った時のために雨具、懐中電灯を持参してください。   



■金津創作の森で開催されている志田弥広画伯の遺作展も13日で終ります。先月の例会は20名ほどで遺作展を見に行きました。
今回初期の抽象画から最期の仏画までの一連の作品を鑑賞して、志田さんの真面目さを改めて感じました。
以前に志田さんから「自画像を描くときは、自分の絵に疑問を感じたりして、心に悩みのある時や。だから自画像に笑っているのは無いやろ。」と、お聞きしたことがありますが、確かに節目ごとに難しいお顔の自画像がありました。 また自画像はデッサンですので、悩んだ時は原点に戻るという態度を取っておられたのでしょう。 会場には無かったのですが、志田さんは死の1ヶ月前にも小さな自画像を仕上げておられました。
そして不思議なことに、突然の死であったにもかかわらず、ご遺族のお話では、それ以後絵を描いておられなかったのか、未完成の絵が残っていないということです。
他界される前年、およそ1年かけて、ご自分の菩提寺のために阿弥陀来迎図の襖絵を仕上げておられます。 (会場には最後のところに飾ってありました)襖の一番右に「滴水院空弥」と、自分の戒名が書き込んであり、まるで自分が阿弥陀さんに迎えられるような風に描いてあったのは印象的でした。
■さて今月は丁度梅雨の季節ですので、蛍狩りに行きましょう。
越前市坂口地区のエコビレッジ周辺は、コウノトリを呼び戻す農法を実現している所で、県内有数の蛍の生息地です。その上、周りが暗いので「蛍火乱飛」が楽しめます。
蛍は日本文学の中でもよく取り上げられています。枕草子には
「夏の夜、月のころはさらなり。やみもなほ蛍の多く飛びちがいたる。またただ一つ二つなどほのかにうち光て行くもおかし」
と、書かれていますし、歌では紀貫之の
「音もせで思ひに燃ゆる蛍こそ鳴く虫よりもあわれなりける」
や、和泉式部の
「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る」
などが良く知られています。この辺から「恋にこがれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」という都都逸が生まれたのでしょう。
■7月の例会は7月23日(金)19時30分から町屋倶楽部で環境カウンセラーの長野義春さんに「生物多様性と人の暮らし」について講演をしていただきます。改めてご案内しますがこの日を空けておいて下さい。
■毎週火曜日、福井新聞の文化生活欄にわが会員田口哲さんの「魚ッチング」が連載中です。



 武生ルネサンス通信 199号

2010年5月10日

 

5月例会のお知らせ


日時 5月30日(日)9時45分から15時頃
場所 金津創作の森
内容 「画家・志田弥広の足跡をたどって展」鑑賞
集合場所 府中町屋倶楽部 
車に相乗りして行きます。9時50分出発
直接行く人は11時までに金津創作の森に行って下さい。

観覧券は用意しておりますので、早く着いた人は、会場に入らないで待っていてください。
昼食は 創作の森レストランのフランス料理を予約します。 参加希望者は1.子鴨のコンフィ 2.骨付きチキンのコンフィの何れかを三木までお知らせ下さい。



■二十四節気では、4月20日が、春雨が降って百穀を潤すという「穀雨」、5月5日が「立夏」です。しかし最近の朝晩は未だ何らかの暖が欲しいほどの肌寒さ。「今朝の夏」を感じられるのはいつのことでしょう。部屋の中にストーブと扇風機が並んでいるお宅もあると聞きました。 「八十八夜の別れ霜」と言われるように、立春から八十八日目の夜降る霜が最後で、それ以後は霜が降ることはないとして、農作業が進められてきましたのに、今年は例外でした。そのために野菜が高騰しています。
■さて今月の例会は上のご案内の通り、志田弥広さんの遺作展を観に行きます。志田さんは2年前の5月15日に急逝されました。
平成5年に武生ルネサンスの絵暦は、志田さんの鬼の絵で誕生しました。当時のことを思い出しますと、ひとしお志田さんのお人柄が偲ばれます。会で故郷にこだわった絵暦を出したいということになり、武生の名所を題材に志田さんに12枚の絵を描いていただくことを依頼したのは3月頃だったと思います。4月、5月と志田さんは武生の名所にスケッチに来られ、6月には全部仕上げてくださいました。 ところがその絵は真面目すぎて面白みがありません。志田さんはサービス精神の強い方ですから、名所旧跡をきちんと描くことを私達が望んでいるだろうと、思われたのでしょう。 とはいっても何しろ相手は画伯、悩んだ末、「先生この絵は私達が求めている粋に欠けるので、誠に申しにくいのですが、お得意の鬼が武生の名所を巡るという趣向で、もう一度描いていただけませんか」と、断わられるのも覚悟でお願いしましたところ、「ああほかほか。鬼が名所を回るというのはおもしろいの。2週間ほどもあれば描けるわ。」と、いとも気楽におっしゃいました。 こちらはもう嬉しくなって、ついでに「あのーお好きなお酒を飲みながら描いて欲しいんですけど」と、またまたお願い。すると「ほりゃいいのお。絵を描く時は楽しいのが一番やでの」こんな画伯は二人といないだろうと思ったものです。
■会員の水中記録家、田口哲さんが国内外の海や川で撮影してきた魚の写真を紹介する「魚ッチング」が福井新聞の文化生活面に連載され始めました。地元の福井新聞は火曜日のみですが、他県の5つの地方新聞では毎日の連載で、しかもこれから2年間続くそうです。
■会費2000円/年払っていただけましたか。
振込先〒00790-3-8194名義:武生ルネサンス



 武生ルネサンス通信 198号

2010年4月10日

 

4月例会のお知らせ


日時 4月18日(日)10時30分から15時頃
場所 武周ヶ池畔の山荘
内容 桜狩
集合場所 府中町屋倶楽部 
車に相乗りして行きます。10時半出発
会 費 2,000円

ご飯ものだけを少なめにお持ち下さい。当日は現地で、海産物や猪肉などを焼いて食べます。
桜の下、師田さんのお点前でお抹茶も一服飲む予定です。



■桜狩へのお誘い
急に暖かい風が吹き始めて、桜が満開になりました。でも武周ケ池の辺りは花の開花が一週間ほど遅いようですので、18日に花見の計画を立てました。武周ヶ池は福井の西、越前海岸側に位置しますので、清水町志津が丘団地の横を通って県道3号線に入るのが行きやすい道のようです。直接現地に向かう人は、山荘の場所が少々判りにくいのと、山荘周辺では携帯電話が繋がりませんのでご注意下さい。
上にも書きましたように、炭火であれこれ焼いて食べようと思いますので、酒の肴には事欠きませんが、ご飯ものの準備はしません。各自ご持参下さい。山荘までは誰も入ってこないし、静かな池の水面に木々の新芽が映り、きっとすばらしい景色が見られるだろうと思います。
■5月例会の予告
5月30日(日)に金津創作の森へ「画家・志田弥広の足跡をたどって」を観に行きます。
チラシを同封しましたので、ご覧下さい。
志田画伯は、2008年5月に他界されましたが、武生ルネサンスの絵暦に先生らしい多くの絵を描いてくださいました。生前画伯が世に残された拓画、油絵、墨絵、デッサンなどを約100点展示して、その足跡を辿る展覧会です。
■来年の絵暦
絵暦のテーマとして、2008年は「越前の樹木」2009年は「越前に翔ぶ」と、越前の自然シリーズを取り上げてきましたが、来年は「暮らしと生物多様性」をテーマに色々な生物の写真で、旧暦の絵暦を創ることになりました。
2010年は国連が定めた「国際生物多様性年」で、「Biodiversity is life. Biodiversity is our life (生物多様性それはいのち、生物多様性それは私たちの暮らし)」というスローガンを掲げています。現在、哺乳類、鳥類、両生類の約10〜30%が絶滅の危機にさらされているそうです。 こんな中、今年の10月6日から29日まで名古屋で「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されます。COP10のスローガンは「Life in harmony, into the future(いのちの共生を未来へ)」で、生物多様性の保全、自然との共生、持続可能な社会の構築などが話し合われるようです。で、私たちの会でもこれにあわせて絵暦を創ろうと思いますので、皆様のご協力をお願いします。先日40数年ぶりに越前に飛来したコウノトリは、会員の田口さんが写真におさめて下さいました。



 武生ルネサンス通信 197号

2010年3月10日

 

3月例会のお知らせ


日時 3月19日(金)19時30分から21時30分
場所 府中町屋倶楽部
内容 講演「建築士が見たアンコール遺跡」
講師 宗澤 公夫氏

アンコール遺跡を心行くまで楽しみたい」 「カンボジアの生活に触れてみたい」 「感動を共感できる人達と楽しく旅をしたい」という思いから、 建築士向けのアンコール遺跡ツアーを企画され、2009年11月19日から23日までの5日間、 13名の方々が、アンコール遺跡めぐりをして、クメール美術に存分に浸ってこられたそうです。 その楽しさを沢山の写真や話を通じて、私達にも分けていただきましょう。


■冬の間、土の中で冬ごもりしていた色々な虫が地上に這い出してくるという「啓蟄」を3月6日に迎え、春の風も感じておりましたのに、この雪はどうしたことでしょう。今頃の重い雪は樹木を傷めますので、心配です。
■2月の例会は、予定通り、日野川松ケ鼻取水堰付近でバードウオッチングを行ないました。 この日もかなり寒い日でしたが、1時間半程、上木先生の説明を聞きながら高尚な趣味に興じることができました。 前日までの雨と雪解け水とで、川がかなり増水していて、普段川面にいる鳥は殆どいませんでしたが、確認できた鳥は、 カワウ、アオサギ、エナガ、ツグミ、ヤマガラ、シジュウカラ、モズ、マガモ、ヒヨドリ、キジ、シラサギ、カワラヒワ、ホオジロ、 セグロセキレイ、ハクセキレイ、キセキレイ、スズメ。 鳥のことを知り尽くしておられる上木先生のお話は面白く、年に何度かこういう機会を持てたらいいのにと思いました。
今回先生からお聞きした話の中からいくつかをご紹介します。
「シジュウカラは胸のネクタイが特徴で、ネクタイが太いのはオス、細いのはメス」
「ホオジロはゲンペイツツジシロツツジと鳴く」
「ヒヨドリは波を打つように飛ぶ」
「エナガは柄杓みたいに尻尾が長い」
「セキレイは昆虫食だから蓋がない溝などで、ユスリカの幼虫を食べる」
「モズはアイシャドウのようなのが特徴」など。
「今年の1月22日に日野川で確認できた鳥の種類は40種で、自然がまだ残っている」と、おっしゃっておられました。しかし現在、先月号の通信にも書きましたが、川の中の柳の木をどんどん伐採している様子が窺え、この分では鳥の止まる場所がなくなってしまいます。鳥の楽園だった松ケ鼻近辺もいつの間にか雑木林が切り払われ、驚いたことにその跡地に芝を張り、ぽつんぽつんと、何かよくわからない苗木が植樹してありました。どういう考えなのでしょう。上木先生は個人的に日野川周辺の木を切らないでくれ」と、何度も役所と掛け合っておられるらしいですが、私達の会でも声を上げた方が良いような気がします。街中にこういう自然が残っているのは武生の大きな宝です。
■映画紹介(みに・キネマ・福井上映会)
貧しい国民を騙し続けた国策の真実を知る。
「嗚呼満蒙開拓団」羽田澄子演出作品
3月26日(金)福井駅前響のホール
第1回13:00〜 羽田氏トーク15:15〜
第2回16:00〜 第3回19:00〜





 武生ルネサンス通信 196号

2010年2月15日

 

2月例会のお知らせ


日時 2月28日(日)朝8時45分から11時(観察は9時から)
場所 越前市松ケ鼻用水ほか日野川周辺
内容 バードウオッチングを楽しむ
講師 日本鳥類保護連盟専門委員 上木 泰男氏(2010年『絵暦』解説者)
持ち物 鳥観察のため出来れば双眼鏡を持参してください。
集合場所 8時45分に府中町屋倶楽部

直接現場へ行く人は、村国橋を村国山のほうに渡り、土 手上の道を南下します。日野大橋、次の橋を越え行き止 まり迄進んでください。左手に「日野川用水中央管理 所」の建物がありますので、その周辺に駐車して下さい。




■今年は2月14日が新月で旧暦の一月一日でした。新春のお喜びを申し上げます。 朝起きると、一面の雪に驚かされることもまだありますが、まさに春の淡雪、暫くするとその影もすっかりなくなっています。 皆様の庭にも万作や蝋梅がすでに花を咲かせていることでしょう。 古く『枕草子』では正月を次のように述べています。
「正月一日はまいて、空のけしきもうらうらと、めづらしう霞こめたるに、世にありとある人は、 みな姿かたち、心ことにつくろひ、君をも我が身をも祝ひなどしたるさまことにおかし。」 「七日、雪間の若菜つみ、あおやかに」

■ いよいよ『絵暦―越前を翔ぶ篇』の睦月を開いて、今年はこの絵暦に従って鳥の観察をお楽しみ下さい。 鳥の観察には樹木に葉が出ていなくて、河原にもまだ草の生えていない今頃の季節が適していると言うことですので、 2月の例会は観察会を計画しました。 鳥の鳴き声だけでも何の鳥が何つがいいるかおわかりになる上木先生に直接バードウオッチングの指導をしていただけるのは有り難いことだと思います。 またとない機会ですので、お知り合いの方を誘っていただいても結構です。 双眼鏡をお持ちの方は是非ご持参下さい。お持ちでない方も数台は用意があります。
日野川は一級河川にもかかわらず、街中を流れる川であるからこそ、禁猟区になっていますので、多種の鳥が生息しています。しかし、近年松ケ鼻トンネルの工事やら、東西一号線に関わる橋の工事やらで、大きな機械が入る以外にも、中州の鷺の営巣地にもなっていた木々を伐採してしまったりで、鳥が減っているように思います。
2005年に『絵暦 日野川―この巨大ビオトープ』を作りましたが、野生生物にとって、この頃とははるかに住みにくい環境になっていることは確かです。この辺のことについても半世紀にわたって日野川周辺の鳥の観察を続けてきておられる上木先生にお話を伺いたいと思います。街中に陳腐で、季節外れのイルミネーションをちらつかせるより、街のど真ん中にこんなにも巨大なビオトープを持っていることに誇りを持ち、それを大事にした方がいいのではないかと思います。因みに今年は国連が定めた「国際生物多様性年」です。

■年会費2,000円をお支払下さい。
郵便振替:00790−3−8194
口座名義:武生ルネサンス






 武生ルネサンス通信 195号 

2010年1月15日

 

1月例会のお知らせ


日時 1月31日(日)午後7時30分より
場所 府中町屋倶楽部
内容 武生ルネサンス総会  初顔合わせ
会計報告。平成22年の事業計画案検討
平成23年の絵暦テーマについて、その他話し合い円

年会費2,000円をお支払下さい。 会友の方は1,000円/年 です。 郵便振替: 00790-3-8194 名義: 武生ルネサンス




■ あけましておめでとうございます。今年は1月5日が小寒(寒の入り)で、1月20日が大寒です。寒の入りから節分(寒明け)までを「寒の内」といい、一年中で一番寒さの厳しい時期に当たりますが、ここ数日の雪はまさに厳寒を感じさせられました。また寒の入りから九日目を特別に「寒九(かんく)」と言い、「寒九の水」を汲むと腐らないと昔から言われています。

平成21年事業報告
1月 総会
2月 旅の話「音楽、絵画、旅紀行―アメリカの古都」講師 藤井玲子氏
3月 魚のさばき方と干物の作り方講習
   講師 小川利男氏、松井透氏
4月 花見 林病院農園
5月 天然の河豚と鯛を楽しむ
6月 金津創作の森
   「クラフトデザイン展」鑑賞
   茶の湯釜師木村肇次郎氏工房を訪ねる
7月 北村市朗さんの『越前府中の石佛ほか』の出版を祝う会
8月 休み
9月 平成22年の『絵暦−越前に翔ぶ』紹介
講師 上木泰男氏、河合俊成氏
10月 「未来に残したい里地・里山の水辺の自然」講師 田口哲氏
11月 絵暦ケース入れ作業
12月 笑年会


平成22年事業計画案
1月31日(日) 総会
2月28日(日) 越前市松ヶ鼻用水でバードウオッチング 講師 上木泰男氏
3月26日(金) 建築士が見たアンコールワット
       講師 宗澤公夫氏
4月18日(日) 花見 武周ケ池山荘
5月30日(日) 金津創作の森へ志田弥広展を見に行く(4/17〜6/13志田弥広展)
6月
7月
8月 休み
9月
10月
11月 絵暦ケース入れ作業
12月 笑年会
総会では他にやりたいことや、来年の絵暦のテ ーマも話し合いたいと思います。 どうしても出席できない方は電話でなりとご 意見をお知らせ下さい。


 武生ルネサンス通信 194号 

2009年12月10日

 

12月例会のお知らせ


日時 12月23日(水・祝)午後6時より
場所 府中町屋倶楽部
内容 笑年会
会費 3000円


愈々平成21年も終わりに近づきました。この一年色々と、難しい局面にも出くわしたかもしれません。 でも「山より大きい猪は出ん」の精神で新しい年を迎えたいと、思います 。一献傾けながら、武生ルネサンス年末恒例の「べーすけ俳句」を楽しみましょう。 弁当を用意しますので、出席の方は三木までご連絡下さい。



■11月22日には武周ヶ池で紅葉狩をしました。盛りは少し過ぎてはいたものの、照り葉が静かな湖面に映り、池の畔に建つ山荘の、囲炉裏とストーブで焼きながら食べた猪肉も格別でした。山荘を快く貸してくださった持ち主に深謝。厚かましくも四季折々この山荘で自然を楽しみたいとさえ思いました。武生の市街地では武生ルネサンスが植樹したモミジが美しい紅葉を見せてくれました。12月7日は二十四節気の「大雪」でしたが、この時期を過ぎますと、山の木々がぼちぼち葉を落とし始め、そのうち雪をかぶり鳥や獣の影も見えなくなって山は静まりかえります。こういう冬の山の様子を昔の人は「山眠る」といい、春の山を「山笑う」、夏の山を「山滴る」、秋の山を「山装う」と表現しています。昔の中国では、春は青春、夏は朱夏、秋は白秋、冬は玄冬と青朱白玄(くろ)と色で分けたり、春は青年、夏は壮年、秋は中年、冬は老年と、季節を人に見立てて表現することが盛んだったようです。こうした中国の自然観、季節感が日本にそのまま伝わっているのでしょう。
君が世や風治りて山眠る  一茶

■11月初めには絵暦のケース入れ作業にご協力いただきましてありがとうございました。残部は200になりました。大変好評です。出版部のほうに寄せられている感想のいくつかを紹介いたします。
「その見事な企画、配置、内容、製本等、誠に武生ルネサンスの名にふさわしく、広く国内外に流布してしかるべき作と存じ、愛用させて頂いております。次々に新鮮な切り口で展開され、感嘆久しくしておる所です。さぞ多くの御苦労、御配慮の賜と拝察、敬意と共に篤く感謝申し上げます。」加古里子氏
「いつもながらの素敵な暦です。手の込んだ暦には、新鮮さが詰っています。とてもいい感じです。」橋詰武宏氏
「すばらしい絵暦はここ十年来、年末の楽しみとなりました。一年を通じて暦と馴染んでいます。」佐野周一氏
「この絵暦に出会えたあの初めの日−みたび心ときめきて皆様の越前への想いと、鳥達のメッセージを拝見させていただきました。」北濱アサ子氏
「旧暦の表示は面白い趣向。日々の暮らしの中で新しい発見に繋がるかもしれません。」小田貞夫氏
「ふるさとに舞う鳥の姿が美しい。白鷺の写真が特に素敵。滅多になさそうなシャッターチャンスをよく捉えた名カメラマン。絵暦がいろいろな方の協力あって出来上がっていることと、製本まで拘っていることに感激。」 内藤賦一氏




 武生ルネサンス通信 193号

2009年11月10日

 

11月例会のお知らせ


日時 11月14日(土) 午後2時〜
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成22年『絵暦―越前を翔ぶ篇』ケース入れ作業


毎年のお願いですが、今年もケース入れ作業を手伝って下さい。 平成5年、武生ルネサンス創立年に初めて『故里名所絵暦』を上梓してから18年目になります。 故里にこだわった絵暦で、これだけ長く、しかも値上げをせずに発行し続けられたのは、偏に皆様のご協力あればこそです。 この作業にはとにかく人手が必要です。可能な時間で結構ですので、ケース入れ作業に参加して下さい。 お帰りの際は出来立ての絵暦を一部お持ち帰り下さい。



■朝晩かなり寒くなってまいりました。11月7日が立冬でしたので、晩秋からいよいよ初冬に入ります。ところで、武生恒例の菊人形はご覧になられましたか。旧暦の九月九日(新暦10/26)は五節句の一つ「重陽の節句」です。陰陽道(おんみょうどう)では奇数は縁起のいい「陽」の数になっていて、一桁では一番大きい「九」が二つ重なる九月九日を大変めでたい日としています。またこの日は「菊の節句」とも言われ、平安時代から、観菊の宴が催されたり、菊の花びらを浮かせた酒を飲んで長寿を願ったり、菊の花に綿をかぶせ朝露を吸わせて、化粧に使ったりした記録などが残っています。考えてみれば、武生の菊人形はこの重陽の節句に合わせて開催されているのですね。
■旧暦の絵暦も今回で5年目になります。当初はあまり馴染みがないためか、「間に合わんカレンダー」のように言われたこともありましたが、最近では進歩しすぎた世の中への反省からか、自然の巡りに沿った生き方とか、月の満ち欠けに合わせた生活とかが、見直されるようになって来たようです。 「定年退職後は、旧暦で生活しよう」という呼びかけもあるくらいです。地球各地の気候の安定性も、並外れて大きな衛星=月の存在あってのことと聞きました
■十月下旬に今年も「源氏物語アカデミー」が開催され、日本全国から、源氏読みの人たちが集いました。例年この会場で、我が会の絵暦を紹介しても、せいぜい10部ほどの予約を頂くだけでしたが、今年は70部近くも予約が取れたことは大変嬉しい限りです。今年のテーマが「源氏物語と月」だったのと、「旧暦カレンダーなしに源氏物語は読めません!」と、キャッチコピーを付けた事が効いたのでしょうか。

■会員の皆さんもお歳暮、新年のご挨拶などにこの『絵暦』をお使い下さい。きっと品のある贈り物として喜ばれる筈です。越前の日野川周辺で見られる鳥たちを河合俊成さんが見事なアングルで撮影しています。また解説は日本鳥類保護連盟専門委員上木泰男さん、デザインはエッグデザイン所長松田良一さん、印刷は府中美術印刷、製本は経本仕立てを得意とする京都の製本屋へ出しました



  

 武生ルネサンス通信 192号 

2009年10月11日

 

10月例会のお知らせ


日時 10月30日(金)19時半〜21時半
場所 府中町屋倶楽部
内容 DVD鑑賞と講演
「未来に残したい里地・里山の水辺の自然」
講師 水中記録家 田口 哲氏(越前市在住)




■二十四節気では「寒露」の季節、朝晩は何か暖が欲しい頃になりました。皆様「中秋の名月」はお楽しみになられましたか。旧暦では七月、八月、九月をそれぞれ初秋、中秋、晩秋といい、旧暦八月十五日の月を特に「中秋の名月」と呼んでいます。ご存知のように旧暦では一日は「新月」、三日目の月を「三日月」、十五日目の月を「十五夜」と名付けています。十五夜はおおよそ満月になりますが、今年のように十五夜と満月が一日ずれることもあります。武生ルネサンスの絵暦で月の満ち欠けを楽しんでおられる方は、この事に気づかれたと思いますが、同時に『絵暦』の旧暦八月九日から十五日までの月の形が間違っていることにも気づかれたことでしょう。私自身今頃になってその間違いを見つけ、ぞっとしてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。日本では「お月見」は、旧暦八月十五日の「十五夜」、旧暦九月十三日の「十三夜」の二つの月を見ることを言い、どちらか一方の月だけを見るのを「片見月」と嫌われたと言います。また十五夜の晩雲がかかって月が見えない状態を「無月(むげつ)」雨が降ると「雨月(うげつ)」十四日は「待宵(まつよい)」十六日は「十六夜(いざよい)」と、さまざまな風流な言葉があります。

■先月の例会は野鳥の専門家上木泰男さんのお話をお聞きしましたが、今月の例会はまたまた越前市にこんな方がおられたのかと、驚かれるような専門家をご紹介します。「NAUI」という世界で最も古く権威のあるダイバー認定団体をご存知ですか。田口さんは1967年にアメリカに潜水留学し、当時アメリカで一番充実していると言われていたロスアンゼルス潜水教師協会のインストラクター・コースに参加し、その資格を取られました。帰国後1970年、「NAUI・JAPAN」を設立して、日本で最初のダイバーインストラクター養成に尽力されました。その後ダイビングの高度な技術を生かして30年近く日本に生息する魚介類の生態を水中撮影による写真とビデオで記録しておられます。
■絵暦のケース入れ作業にしばらくの時間でも手を貸してください。皆様のご協力あってこそ今年も発行にこぎつけることができます。お帰りの際は一部お持ち帰り下さい。
■武生ライオンズクラブ主催で、10月18日(日)「一日だけの小さな映画館」があります。(チラシ同封)お誘いあわせの上ご参加ください。
■10月23日、24日、25日は源氏物語アカデミー「源氏物語と月」が開催されます。


 武生ルネサンス通信 190号 

2009年7月10日

 

7月例会のお知らせ


日時 7月24日(金)19時〜22時
場所 府中町屋倶楽部
内容 北村市朗さんの『越前府中の石佛ほか』出版祝


北村さんに三十分程、高著のハイライトについて、スライドを使ってお話していただきます。 その後、我が会の男性陣が作る料理を肴に、祝いの杯を交わしましょう。



■このところ越前市の蔵の辻、タンス町通りでは、七夕の飾りつけが賑やかです。明治6年の新暦への改暦は突然でしたので、今まで行なわれてきた年中行事について、旧暦のままか新暦に従うか混乱したままでした。政府のお膝元の東京では「年中行事は新暦による」が定着したようですが、地方ではまちまちでした。「七夕」も本来は旧暦の七月七日、今年の場合は8月26日の夜です。旧七月七日の夜は「上弦」の半月が夜の10時過ぎに見えなくなり、牽牛星と織姫星が天の川を挟んで接近する様子が澄みきった初秋の空にはっきり見えるはずです。ところが新暦7月7日に行なわれている七夕祭は、梅雨の最中でしかもその夜は満月ですので、天の川が見えるどころではありません。芭蕉は「七夕や秋を定める夜のはじめ」 と詠っていますが、7月7日は「小暑」で、真夏盛りということになります。
■武生ルネサンスの長老北村市朗さんが、ライフワークとして取り組んでおられる「一光三尊善光寺式阿弥陀仏」の調査報告書を上梓されました。長野出身の北村さんは、定年退職後県内各地に残る善光寺式阿弥陀仏を探し回り、記録して来られました。それまで福井県の善光寺式仏は知られていなかったところを、北村さんがこの20数年掛けて93点も見つけられたといいますから、そのエネルギーに頭が下がる思いが致します。 現在85歳にもかかわらず、万年青年の北村さんのあふれる情熱と心意気をお祝いしましょう。
■来年の絵暦は『越前の自然 鳥篇』にします。 写真はここ3年間越前の鳥を撮り続けた河合俊成さん、解説は鳥に関してのエキスパート上木泰男さん(越前市芝原在住)に頼んでいます。
■武生の誇る恒例「武生国際音楽祭2009」が始まります。8月18日(火)〜25日(火)越前市文化センター他街中コンサートもあります。  今年のテーマは「ロシアの音楽」だそうです。 チラシを同封しています。
■この音楽祭の期間に(8月20日〜25日)府中町屋倶楽部で、「古木晶子とんぼ玉作品展」が開かれます。とんぼ玉は正倉院御物の中にもあり、その製法も記されているほど歴史の古いものです。人の手で作る宝石とも言われるとんぼ玉に魅せられ、作品を作り続ける三国出身古木晶子さんの世界をお楽しみ下さい。
■現在福井県立美術館で「古美術品選」を開催しています。(7月26日まで) 我が会の小川さん蔵の屏風も展観されていますので、どうぞ足をお運び下さい。




 武生ルネサンス通信 187号 

2009年3月10日

 

3月例会のお知らせ


日時 3月20日(金)春分の日 午後3時〜6時
場所 交流センターみどり(旧みどり保育所)
内容 魚のさばき方と、美味しい干物の作り方の伝授
講師 小川利男さん(小川建築設計事務所所長)
松井 透さん(松井武助商店主、ナイフ作家)




■今年はたいした雪なしのまま春を迎え、これからは毎日小さな春を見つける楽しみが味わえます。つい先日、人の姓で「四月一日」というのを見かけ、一体どう読むのだろうと調べましたところ、「わたぬき」というのです。旧暦では春は一、二、三月、夏は四、五、六月、秋は七、八、九月、冬は十、十一、十二月で、その並び順にそれぞれ初・中・晩と呼んでいます。つまり正月一月は初春、二月は仲春、三月は晩春で、四月は初夏ということになります。今年は旧暦四月一日が、新暦では4月25日ですので「なるほど初夏だ」と、頷けるでしょう。江戸幕府では九月九日から三月晦日までは綿入れ小袖を着て、四月一日からは着物に入れた綿を抜いて着用する事になっていたそうで、この事から「四月一日」を「わたぬき」と読むらしいです。

■さてお彼岸の日に「魚のさばき方」というのもいかにも何事にも拘らない武生ルネサンス行事らしいと言う気がしますが、講習会の後はさばいた魚をありがたく頂こうと思います。今回は初心者にもさばきやすくて、よく間に合う「アジのさばき方」を習得しましょう。さばいたアジで「アジのたたき」と、「アジのなめろう」を作ります。
次に自家製の美味しい干物の作り方を教えてもらいましょう。現代の日本では食べ物について「鮮度がいい」事を美味しさの第一と考えているところがありますが、魚については必ずしもそうではありません。「干す」というシンプルなひと手間をかけることにより、生の魚にはない美味しさを味わえます。自分で作った一夜干はやみつきになりそうです。なお魚料理に使いやすい包丁を持っておられない方は、講習会申し込みの際言っていただければ、松井さんに注文しておきます。
■定額給付金の支給が始まろうとしています。2兆円の給付金を国民に配る経費が約825億円かかるそうです。去年のわが会の笑年会で、「受け取ったお金を個人がばらばらに消費せず、会に持ち寄って何か有効な使い道を考えましょう」という意見が出ましたので、この件について意見を交換しましょう。何か提案があれば申し出て下さい。

■恒例の花見は4月5日(日)正午から林農園で、行ないますので、予定しておいてください。

■行事案内
*2月27日〜3月29日福井県立美術館
桃山ルネッサンス 陶芸の近代化
川喜多半泥子(はんでいし)と人間国宝たち

*3月21日〜5月6日福井市立郷土歴史博物館
平成21年春季特別展「大奥」(チラシ入り)



◆武生ルネサンス通信 182号以降は近々UPします
  


 武生ルネサンス通信 181号 

2008年9月12日

 

9月例会のお知らせ


日時 9月26日(金) 夜7時半〜9時半
場所 府中町屋倶楽部
内容 「座の文学 連句の楽しみ」
講師 三木 世嗣美

五七五というと、「俳句」を思い浮かべることでしょう。
でも江戸時代にはこれに七七を付け、また五七五と次々に連ねていく「俳諧」が盛んでした。その完成者が芭蕉です。
明治以後は「連句」と呼ばれ、世界的にも珍しい「座の文学」として今に伝えられています。




■野の草におくつゆが秋の気配を感じさせる「白露」が過ぎますと、次は仲秋の名月が待たれます。『絵暦』を見ていただきますと解かりますが、今年は新暦の9月15日が丁度満月になりますので、お楽しみください。まん丸のお月様は15日午後5時50分頃に出て、丁度真夜中0時頃に南中します。月の入りは朝方の5時ですので、夜中月が煌々と照っているということになります。旧暦では7,8,9月が秋で、それぞれを初秋、仲秋、晩秋と言いましたので、旧暦8月の満月は特に仲秋の名月として、古来から鑑賞されてきました。秋になると春や夏に比べて、空気が乾燥し、月が鮮やかに見えるから「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」と、詠われたのでしょう。でもせっかくの十五夜が曇りや雨で待ちに待った月を見られないときもあります。昔の人は「宵待月」「十六夜」「立待月」「寝待月」と、その前後の月も楽しんだ事がこれらの言葉からうかがえます。

■先月の30日は13名の方が府中町屋倶楽部の掃除に参加してくださいましたので、押入れ、水屋などが整理整頓されました。小川さんの所から塗のお膳を運びました。これからは今まで以上に粋な宴会が楽しめそうです。その後 横田さんが押入れの中に棚を付けて下さったので、そのうち又第2弾の整理を実行します。

■さて今月の例会は連歌を源流として、江戸時代に松尾芭蕉が完成させた俳諧と連句についてお話したいと思います。連句は紙と鉛筆と歳時記があれば誰でも気楽に始めることができます。連句なんて聞いたことないという人でも「二の句が継げない」「一巻の終わり」「挙句の果て」「つかぬことを言いますが」「花を持たせる」などの言葉は聞いたことがあるでしょう。実はこれらは全部連句から出ている言葉なんです。連句とは何かをお話した後、お膳の上に一献と、ささやかな肴をのせ、連句風粋遊びをしたいと思いますのでお楽しみにおいでください。

■現在来年の旧暦絵暦の編集中です。来年は閏五月が入り、一年が十三ヶ月になります。

■現在鯖江の図書館(文化の館)の喫茶店において、9月末日迄福井大海さんの絵画展を開催しております。(9月10日に絵展示替え)

■9月23日〜28日ふるさとギャラリー叔羅で、メダカ集団40周年記念写真展が行なわれます。 絵暦の写真を担当していただいている河合俊成さんの作品が出品されています。

■国際平和映画祭の案内が同封してあります。



  



 武生ルネサンス通信 180号 

2008年8月11日

 

8月例会のお知らせ


日時 8月30日(木)(土)午後3時〜
場所 府中町屋倶楽部
内容 府中町屋倶楽部の掃除

例年8月は暑いので、例会は休みにしていますが、今年は町屋倶楽部の掃除をしたいと思います。
室内は木下秀男さんがいつもきれいに保って下さっていますので、今回は押入れ,台所、水屋、二階などの整理整頓をします。
掃除終了後、アクアシピーで入浴して、夕食を食べます



■残暑お見舞い申し上げます。
今年は8月7日が丁度旧暦の7月7日(七夕)で、立秋でした。万葉集や古今集などでは秋上の項に七夕の歌があり、俳句の世界でも七夕は秋の季語になっているのがわかります。今頃は夜の空に天の川を挟んで、鷲座のアルタイル(牽牛星)と琴座のベガ(織姫座)を見つけることもできます。

■暦の上では立秋でもとてもそうとは思えない暑さですが、皆様夏バテなどしてはおられませんか。今月末の土曜日に上記案内の通り、府中町屋倶楽部の片付けを行います。2時間ほどの労働後汗を流し、ゆったりした食事とおしゃべりを楽しむ予定です。3時からは無理という人も、風呂と夕食だけでも如何ですか。

■平成21年の『絵暦』の編集が進んでいます。 今回は「越前の名木」を河合俊成さんの写真、鷲田一意さんの説明で示しますが、単なる樹木の紹介にとどまらず、「旧暦と自然」の関係に着目し、大きな自然の営みを表現できればと、考えています。今エッグデザインの松田良一さんが、デザインを考えてくださっていますので、 皆さんのご期待に沿うものが出来上がると思います。来年は福井県で全国植樹祭が行われます。武生ルネサンスの『絵暦』が、多くの人の手に渡るよう、皆さんのご協力をお願いします。

■9月以降の例会予定をお知らせします。
*9月26日(金)7時半〜
講演「座の文学連句の楽しみ」三木世嗣美
*10月25日(土)3時〜
平成21年『絵暦』ケースいれ作業
*11月○日(日にちは未定)
一泊二日で東京行き(美術館、骨董やなど)
*12月○日(日にちは未定)
料理持ち寄り笑年会


■武生国際音楽祭(第19回)が開催されます。
9月3日(水)〜9月10日(チラシ入り) テーマは「オーストリアの音楽」モーツアルト、 ベートーヴエン、ブラームス、マーラー、ブルックナー、シェーンベルクなどオーストリアで活躍した作曲家の名曲を中心に多彩なプログラムが展開されるそうですので、一年一度のこの機会に、本物の音楽をお楽しみ下さい。

■武生高校同窓会関東支部は非常に活発に活動されていて、毎年『絵暦』も沢山買っていただいています。「惜しまれて消えゆく越前の古建築物」という題で、原稿を求められましたので、一文を寄稿しました。(別紙)









 武生ルネサンス通信 179号 

2008年7月10日

 

7月例会のお知らせ


日時 7月24日(木)午後7時半〜
場所 府中町屋倶楽部
講演 「鬼検事」
講師 福井大海(ヒロミ)先生(武生ルネサンス会員)
福井公証人合同役場 公証人、元最高検察庁検事





■例年の今時分に比べると、随分過ごしやすい気がいたします。「梅雨」は、ちょうど梅の実が熟する頃というところから付いた言い方ですが、黴が発生しやすい頃なので、「黴雨(ばいう)」、栗の花が墜ちる頃ですので、「墜栗花(ついり)」という言い方もされてきました。「梅雨」は高浜虚子以降の大正年間に俳句に盛んに用いられるようになりましたが、それ以前は、この季節の雨を「五月雨(さみだれ)」と詠むことが多かったようです。梅雨の終わる頃雷を伴った大雨が降る事がよくありますが、これを「送り梅雨」と呼びます。終わったかと思うとまた梅雨が続くときがあり、これを「返り梅雨」とか、「戻り梅雨」と、言います。

■6月の例会は、福井市の公証人福井大海さんに「裁判員制度」について、お話していただきました。具体的な殺人事件の概要を説明し,このとき自分が裁判員に選ばれていればどう判断するかを私たちに考えさせる流れで話は進められましたが、その要領を得た必要十分なお話ぶりは、見事というほかなく、誰一人、横見もせずに、聞き入っていました。裁判官、検事、弁護士の中で、検事というのは状況を言葉で説明する事にもっとも長けた人だと、今まで思ってはいたものの、検事さんから実際裁判にかかった事件について直接話を聞く機会が今までなかったものですから、この日は会員一同、難しいことでもここまでわかりやすく誰の頭にもすんなり入るよう説明できる人がおられることに驚きました。で、7月例会ももう一度ご講演いただくことになりました。先月の通信でご紹介しましたように、福井さんは法曹の道に進まれてからも、法曹の草鞋以外に画家の草鞋も履いておられます。上に案内しました展覧会最終日に講演をお願いしましたので、先月聞き逃した方は是非ご参加下さい。会員以外を誘っていただいても結構です。今回は「鬼検事」という題で話していただきます。鬼検事と聞きますと、昭和疑獄、造船疑獄などを暴いた東京地検特捜部の河井信太郎検事や、高倉健主演の東映の映画を思い出しますが、この「鬼」は、厳しい鬼の目を持って、現場を見、揺るがぬ証拠を固めて事件の真相を明らかにしていくことだとおっしゃっておられました。「本当に鬼になれたかどうかわからないが担当した事件を2つばかり紹介したい。」と、おっしゃっておられます。この辛抱の要る作業を支えるものは「非業の死を遂げた被害者の無念」だそうです。

                


 武生ルネサンス通信 178号 

2008年6月10日

 

6月例会のお知らせ


日時 6月27日(金)午後7時半〜
場所 府中町屋倶楽部
講演 「裁判員制度を考える」
講師 福井大海(ヒロミ)先生
福井公証人合同役場 公証人、北陸公証人会会長、元最高検察庁検事

わかりにくい問題をやさしくかみ砕いて話していただきます。裁判員制度についての疑問をなんでもご質問下さい。
会員以外の方をお誘い下さって結構です。



■5月の風に吹かれながらの名木を見る会は、目通り寸法を測ったりして楽しい一時でした。又三国の雄島散策は、雨模様でしたが、大湊神社神主松村さんの案内でニッケイ、ツバキ、タブ等の原生林の姿をよく観察することができました。今回は島の半分ぐらいを廻りました。折しもシャリンバイが満開。この白い花が咲く頃鯛が獲れるので、土地の人はこれを「鯛花」と呼ぶのだと松村さんに教えてもらい、お昼には見事な地の鯛の刺身をご馳走になりました。

■今月の例会は、今話題になっている裁判員制度について勉強することにします。講師は元最高検察庁検事をなさっておられた公証人福井大海先生。福井先生は日本水彩画会の会員でもあり、今武生の伝統的建築物等を描いておられて、27日にも出来上がった絵を何点か見せて下さるそうです。

■国民が裁判に参加する裁判員制度は、2009年5月21日から実施されます。施行まで1年を切った今、この制度は国民の間でまだ十分に知られてはおりません。 先進国の多くが司法への国民参加制度を備え、その歴史は100年、200年に及んでいますが、日本は戦後新憲法で「国民主権」へ大転換した後も、明治憲法下と同じく司法の判断はもっぱら法律専門家の判断に委ねて来ました。 なぜ今裁判員制度が必要なのか、誰でも選ばれるかもしれない裁判員制度、この制度の根本から学びましょう。

■5月15日早朝『絵暦』の絵を描いて下さった志田弥広画伯が胸の動脈瘤破裂のため逝去されました。その日まで普段と変わらずお元気だったので、先生自身、亡くなった事に気づいておられないのではないかと思うほどです。「明日のことはわからんのやで今日一日を楽しまなのお」と、いつも言っておられましたが、身をもってこの事を示されたように思えます。

■みに・キネマ・福井上映会お知らせ(チラシ入)
「水になった村」今から50年ほど前に計画された日本最大のダム建設のために、自治体単位で廃村になった岐阜県旧・徳山村の話です。 昔から続いてきた村でのつつましい生活と、移転先での一見裕福で便利な生活。人の幸せはどこにあるかを考えさせられる映画です。

■人形浄瑠璃の案内(チラシ入)
神の島といわれている雄島を背景に、野外で行われる人形浄瑠璃は特別な趣があると思います。チケットは三木0778-23-1834)までお申し込み下さい。










 武生ルネサンス通信 177号 

2008年4月18日

 

5月例会のお知らせ


日時 5月18日(日)午後1時半〜
集合場所 府中町屋倶楽部
内容 「越前の名木を見て歩く会」
行事予告 5月24日(土) 10時頃から
     松村忠祀氏の案内で三国の雄島(肉桂の原生林)散策
6月27日(金) 夜7時半から 
      「裁判員制度について」講師  公証人 福井大海氏





■今年の武生ルネサンスの4月6日の花見は、不思議な程最高の日和でした。花の見頃は短いとはいえ、今年は本当にいい花が見られたのは5日と、6日の僅か2日間。まったく幸運でした。33名の参加者は手作り料理や、ルネサンス特製おでんを肴に大いに盛り上がり、11時半に始まった宴会はなんと夕方5時まで続き、それでも惜しみながらお開きにした次第です。

■さて5月の例会は「越前の名木を見て歩く会」にします。その折り昨年から我が会で植栽したモミジの様子も見て歩きましょう。 今まで何度かお知らせしておりますように、来年の絵暦は「越前の名木」をテーマにする予定ですので、新緑の美しいこの時期に直接その生気を感じたいと思います。とても一度に見て廻れるものではありませんが、今のところ候補に上がっている名木は下記の通りです。

1.白山神社 バラ大杉 〔旧武生市中居町〕
2.城福寺 ヒイラギ  〔   五分市町〕
3.宝正寺 ラカンマキ 〔    新保町〕
4.白山神社 サカキ  〔     大屋〕
5.味真野小学校 サクラ〔     池泉〕
6.妙行寺 サカキ   〔     沢町〕
7.酒列神社 アカカガシ〔    米口町〕
8.敬覚寺 イチョウ  〔   黒川町〕
9.横根寺 コブシ   〔   横根町〕
10.横根  大杉    〔   横根町〕
11.杉尾  大杉    〔   杉尾町〕
12.清根  キタゴヨウ 〔旧今立町清根〕
13.粟田部 薄墨桜   〔   粟田部〕
14.大瀧神社 大杉   〔   大滝町〕
15.大瀧神社奥の院原生林〔   大滝町〕
16.水間神社 ケヤキ  〔   室谷町〕
17.明光寺 イチョウ  〔  西庄境町〕
18.松ヶ嶽神社 オオモミ〔   柳元町〕


■我が会には個性的な会員が多いのですが、その一人の三田村善衛さんが彼の石皿コレクションを
『石皿で候』(里文出版)という本に纏めました。「しだれ柳の描かれた石皿を手にして、ビビビッと体中に電流が走れば地獄、走らなければ極楽・・」というほどの異常な執着ぶりが軽妙な文章で楽しめます。(山田書店扱い)

■2008年は、『源氏物語』が記録の上で確認される時(『紫式部日記』の寛弘5年(1008年)11月1日の条に「若紫」とか「源氏」とかの記述有り)からちょうど千年目に当たるそうです。これを記念して、4月27日からシリーズで別紙のような源氏物語千年紀連続講座が催されます。



 武生ルネサンス通信 176号 

2008年3月21日

 

4月例会のお知らせ


     
日時 4月6日(日)お昼11時半〜2時半頃
場所 林病院農園
内容 「花の宴」
河川敷に車を止め、門を通って、小径を農園の奥深くまでお入り下さい。恒例のルネサンス特製おでんをつくりますので、弁当は少なめにお持ち下さい。飲み物も用意します。
■「暑さ寒さも彼岸まで」と、昔から申しますが、確かに野山を見ますと、マンサク、トサミズキ、イヌノフグリ、キクザキイチゲ、春蘭、アケビなどがもう花を咲かせています。先日庭にモグラが掘り返した跡がありました。土の中でもきっと活動が始まっているのでしょうし、これから少しずつ山が笑い始めるのが待たれます。春の山を「山笑う」、夏の山を「山滴る」、秋の山を「山粧う」、冬の山を「山眠る」として季語にしているのは、今更ながらに見事な自然観察眼だと思います。さて、今年も花見の宴を一緒に楽しみましょう。昨年の宴は4月1日でしたが、農園の中には梅、桃、桜が同時に咲いていました。今年の予想によりますと、5,6日頃が満開だろうということですので、美味しい花見酒が汲めそうです。それにしても他の花を楽しむ場合と違い、桜には必ずと言っていいほど飲食がつきものなのは、花見には古く秋の豊作を願う予祝儀礼の意味があったからだと、読んだことがあります。ちなみに4月6日は新月ですので、祝いには最適の日かもしれません。 尚この日にもしも雨が降ったら、農園の中のアドベンチャールームをお借りして、おでん鍋をつつこうと思いますので、たとえ雨でも迷わず ご参加下さい。

■昨年から進めて参りました「モミジを植える事業」ですが、3月2日(日)に、12本目の植樹を実行しました。(別紙参照)将来青モミジや紅葉したモミジを愛でることの出来るまちにするため、今後も継続してまちなかに植樹を行うにはどうしたらいいかを、花見の宴の話題の1つにしましょう。5月頃には、植えたモミジの新緑を見て歩くのも一興かと思います。

■『絵暦』につきましては、2009年は「越前の名木」2010年は「越前の自然」を取り上げるつもりで、河合俊成さんに3年前から四季折々の写真を撮っていただいています。他に絵暦にしたいテーマがありましたら、出版部までお知らせ下さい。(出版部 三木)

■福井市立郷土歴史博物館春季特別展案内 「館蔵名品展」3月20日〜5月6日 開館55周年を記念して、3万点の館蔵品の中から、代表的なものを選りすぐり、一堂に展示してあります。

■武生ルネサンスの会費納入のお願い 会費:2,000 円/年 (会友の方は1,000円/年)郵便振替: 00790-3-8194 口座名義: 武生ルネサンス


 武生ルネサンス通信 175号 

2008年3月2日

 

3月例会のお知らせ


       
3月2日(日) まちなかにモミジを植える
朝10時に中村病院前、タンス町入り口駐車場に集合
3月8日(土)  都市再生モデル調査発表会(午後1時半から越前生涯学習センター5F講堂)




■今年の旧正月元旦は2月7日でしたので、いよいよこれからが『絵暦―年中行事篇』の出番です。
「春立つ日(立春)」は節分の翌日2月4日であることから、正月前に立春になったことになります。これは「年内立春」と言われ、千年以上前の『古今和歌集』の歌「(ふる年に春立ちける日詠める) 年の内に春は来にけり一年(ひととせ)を去年(こぞ)とや言はん今年とや言はん」は、こういう状況を詠んだものです。日本は明治維新後にあっさりと旧暦を捨てましたが、年賀状の「新春のお慶びを申し上げます」とか「初春の・・」という文言にその名残を留めています。

■さて、我が会の新春は北村市朗さんの講演で幕開けをします。八十路を越えられた北村さんですが、見習いたいほどの若い感覚の持ち主で、今回も熱の入った講演をなさることでしょう。
北村さんの出身地、長野の善光寺は過去に何度も火災に遭遇していますが、その仁王門は武生の棟梁師田庄左衛門氏の指揮のもと再建されたものです。大正3年の起工式から4年もの歳月を掛けて完成したその工事の経緯、その後に師田組が請け負うことになった、同じ長野市の藤屋ホテルと、大石写真館の事などを貴重な資料をもとに話していただきます。
また北村さんは福井県内の善光寺仏を調査しておられますので、その研究の一端も聞かせていただきましょう。

■昨年の5月から取り組んでおります「都市再生モデル調査」の中で、武生ルネサンスはまちなかにモミジを植える事業を実践しています。既に報告しましたように昨年10月に、公会堂の前に7本のモミジを植えました。それに引き続き、3月2日には広小路やいわさきちひろ駐車場等に植栽しますのでご協力下さい。勿論見学のみも大いに歓迎です。作業は午前中に終わると思います。その日仁愛大学の学生が総社境内に開店している「寺deラテ」のランチを一緒に食べましょう。

■「都市調査モデル調査」の一年間の取り組みについて発表会を催します。

■平成20年の絵暦がまだ80部ほど余っています。旧暦の絵暦は、これから最初のページを開くことになりますし、暦を参考に毎日月の変化を観察するのも楽しみなものです。また日本の文化の基礎とも言える季語も旧暦でこそ理解できます。プレゼントなどにいかがですか。

■武生ルネサンスの会費を納入してください。
会費:2,000 円/年 (会友の方は1,000円/年)郵便振替: 00790-3-8194
名義: 武生ルネサンス



 武生ルネサンス通信 174号 

2008年1月17日

 

1月例会のお知らせ


日時 1月25日(金)19時半より
場所 府中町屋倶楽部
内容 武生ルネサンス総会,初顔合わせ
会計報告、平成20年の事業計画案、平成20年の絵暦案について他


○年会費2,000 円をお支払い下さい。 会友の方は1,000円/年 です。
(郵便振替:00790-3-8194、名義:武生ルネサンス)




■今年は1月6日が小寒で1月21日が大寒ですから、今はまさに寒の内です。 例年ですとまだ蕾が固いはずのマンサク、ロウバイ、トサミズキ、チンチョウゲなどが、このところのお天気で今にも咲きそうな程に蕾をふくらませていましたので、このまま春になるのかという錯覚に陥りそうでしたが、今朝は一面真っ白。今日の雪は枕草子の「降るものは雪。霰。霙はにくけれど、白き雪のまじりて降る、をかし」の一文が思い出されるほど美しいものでした。

■今年最初の例会は1月25日に行いますので、是非ともご出席下さい。平成20年上半期は下記の事業を考えています。
1月 25日(金) 総会
2月 21日(木) 北村市朗さんの講演 「長野の善光寺仁王門建設と越前の善光寺仏」
3月 2日(日) 街中にモミジの木植え込み
3月 8日(土) 都市再生モデル調査発表会
4月 6日(日) 花見
5月18日(日) 名木を見てまわる会、来年の絵暦は「越前の名木」
6月27日(金) 福井市公証役場の公証人
        福井大海(ひろみ)さんの講演:「裁判員制度について」


■今年の絵暦は季刊「銀花」で紹介されたこともあってか、関東方面からも注文がありました。絵暦についての感想が寄せられておりますので、その中から印象的なものをご紹介します。
「例年その内容外観に感心しておりましたが今回のは特にデザインや風合い装幀など『これぞ越前武生』の面目見事で、関係者のご努力の表れと拝見いたしました。特に旧暦のカレンダーは奇妙な大安仏滅なんかより、農事民俗関係はもとより、俳句等の関係者には素晴らしい贈物と存じます」(絵本作家:加古里子)
「この絵暦は私共明治以前の近世美術を取り扱うものには、年中行事、作者経歴、年齢の逆算などに大変有り難いものです。」(美術史家:田辺昌平)
「毎年引き続いて出版される旧暦絵暦は、日本文化の伝統に根づいており、私のような老人にとって懐かしい昔のことを思い出させてくれる貴重なよすがです。厚く御礼申し上げます。私の家族にも渡したく5部お送り下さいますようお願いいたします。」(山甚会長:山本晨一朗)
「折り本仕立ての絵暦に出会えたこと大変嬉しく心より感謝いたします。先人の知恵には自然の営みに耳を澄ますことの大切さに気づかされます。」(石川県:北濱アサ子)




 武生ルネサンス通信 173号 

2007年12月5日

 

12月例会のお知らせ


日時 12月23日(土)18時半より
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成19年「笑年会」 会費 無料


さて今年もあと一ヶ月になりました。
  この頃を、「神楽月(かぐらつき)」「霜降月(しもふりづき)」「雪待月(ゆきまちづき)」「極月(ごくげつ)」などと言いますが、庭の冬支度はもう始めておられますか。
今年の笑年会は、仕出し弁当を取らずに、持ち寄りにしたいと思いますので、美味しいと思われるものを1,2品ご持参下さい。勿論料理苦手の人はお酒でも十分です。




■恒例の笑年会ですが、絵暦の絵を描いていただいている志田弥広画伯(78歳)が今秋の叙勲の栄誉に輝かれましたので、そのお祝いも兼ねたいと思います。志田先生は元来叙勲の祝いなどという晴れがましいことは嫌いな方ですので、「久々に奥様と旅行ができたお祝いを」と、お誘いしました。

■来年の『絵暦―年中行事篇』を発売中ですが、会員の皆様は手に入れていただいたでしょうか。月の満ち欠けをもとにした陰暦の絵暦2年目です。この絵暦を手元に置くことによって、月に関心を持ち、その日々の変化を楽しむようになったと言ってくださる人が増えたのは嬉しいことです。年末年始のご挨拶や、クリスマスのプレゼントなどにこの絵暦を使って下さい。それから通信で何度かお知らせしましたように、季刊「銀花」(文化出版局)冬号が発刊されました。特集「風雅」の記録 越前・武生という見出しで、33ページにわたって武生の奥深い文化を紹介していますので、是非ご覧下さい。

■平成19年度全国都市再生モデル調査事業の中で、武生ルネサンスは「粋なまち暮らしをするための住まいやまち空間をつくる」ために、「まちの中にモミジを植える」事を実践しています。9月30日に皆さんでまちなかを廻って「ここがいい」と、決めた場所のうち、公会堂の前のドウダンの植え込みの中と、中村病院の前には既に3bほどのヤマモミジを植えました。あと5,6カ所植える事になっていますが、良質のヤマモミジが来春まで調達できないそうですので、残りは来年の3月初め頃に植えることにします。植え込みの日をお知らせいたしますので、その時はお手伝い下さい。
このプロジェクトの一環として、福井県建築士会南越支部は、元町の伝統的な町家を「親子でまち暮らしを楽しむ家」(二世帯住宅)に改修する提案のコンペを行いました。応募があった17組について一次審査を行い、3組を選定したそうです。 次は市民も交えて、公開で第二次審査を行って、最終決定をすることになります。
最終審査会
12月22日(土)午後1時〜5時
市役所裏の越前市市民ホール3階大ホール
一般市民も審査の投票の権利があります。
このような設計コンペがどのようにして行われるかを見るのも興味深いことと思います。申し込みはいりませんので、是非ご参加下さい。

■北村さんが元気に退院されました。




 武生ルネサンス通信 172号 

2007年10月30日

 

11月例会のお知らせ


日時 11月10日(土)14時より
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成20年用『絵暦―年中行事編』ケース組立作業


今年は例年よりも1ヶ月早く絵暦を仕上げました。またケース組立作業を手伝ってください。
皆様の労働奉仕があってこそ、この15年間『絵暦』を発行し続ける事が出来ています。
雑談をしながら手を動かしていただければいい作業です。ご協力をお願いします。
お帰りの際には、出来たての『絵暦』を一部お持ち帰り下さい。




■周辺の山はまだ十分紅葉していないのに、夜などは暖房が欲しい程に寒くなってしまいました。晩秋は特に早く過ぎていくように思えます。10月23日は「中秋の名月」に対して「後の月」と言われる十三夜でした。昔は旧暦の8月15日に十五夜の月見をしても、旧暦の9月13日に十三夜の月見をしなかった場合は、「片月見」と言って、嫌う風習があったそうです。『源氏物語』夕霧の巻に、9月夕霧大将が小野から帰る時、「道すがら、あわれなる(もの悲しげなる)空を眺めて、十三日の月のいとはなやかなにさし出でぬれば、小倉の山もたどるまじうおわするに」という表現があります。十五夜の祭りは中国から伝わったものですが、十三夜は日本独特の風習のようです。満月ではなく少し欠けた月を賞するところはいかにも日本的だと思います。そういえば兼好法師も徒然草の中で「花は盛りに月はくまなきをのみ見るものかわ」と言っています。今年の絵暦も残り2ヶ月になりましたが、毎日の月の移り変わりを楽しんでいただけたでしょうか。来年の絵暦では、旧暦で越前の年中行事を考えることにしましたので、引き続き月の満ち欠けを基本にする旧暦絵暦をご愛用下さい。

■通信で何度かお知らせしているように、「都市再生モデル調査」プロジェクトの中で、武生ルネサンスではまちなかにヤマモミジを植える事業を進めています。9月の例会では中心市街地で植えられそうな場所を見つけましたので、その後地主との交渉、県や市との折衝に入り、それぞれに実行段階に辿り着いています。多分3mぐらいのヤマモミジを15〜20本植えることができるでしょう。11月から12月にかけて植樹を行いますので、その時にはお手伝いをお願いします。来年から春の新緑、秋の紅葉が楽しみです。

■平成21年、22年の絵暦は「越前の樹木と生き物」をテーマに作成しようと、3年計画で河合俊成さんに季節毎の写真を撮りためてもらっています。絵暦に取り上げたい様な樹木、生き物情報を出版部(三木)にお知らせ下さい。

■北村さんが、集団検診で引っ掛かり、10月10日に大腸の手術を受けられましたが、「俺はもう元気なのに、担当の医者がやたら神経質でさ。」と、はや北村節が出ています。そして10月28日の岡倉天心サミットでは、明治期に天心と共に中国、インドへ渡っている越前の住職「織田得能」について基調報告なさいました。




 武生ルネサンス通信 171号 

2007年10月5日

 

10月例会のお知らせ


日時 10月13日(土)10時より12時
集合場所 府中町屋倶楽部から数軒東
内容 「昭和の商い」と町家を見る会
昭和30,40年代と同じような店構えで商売をしている店を訪ねる「越前ぶらりツアー」
訪ねる店(予定) 田中時計店、菱川玩具店、佐々木蝋燭店、ふく家餅店、ちひろの生まれた家記念館、井上酒店、月尾せんべいや、大塚呉服店


*11月の例会は11月10日(土)14時から絵暦ケース入れ作業です。みなさんよろしくお願いします。  




■今年の6月以来取り組んでいる「都市再生モデル調査」プロジェクトの1つとして、仁愛大学は上のような企画を行うことになりました。武生ルネサンスでは平成12年に『絵暦―武生の町屋と商い篇』を出版して、その面白さを表現しましたが、仁愛の学生達にはいまひとつその魅力が掴めていないようです。そこで今回一緒に廻って私達がどう感じているかを伝えられたらいいなと思います。都会から武生に来た人たちが、どことなく落ち着く気分になるのは、まちの中に昭和30、40年代の雰囲気を残す商店が点在しているからではないでしょうか。そういう店でご主人とあれこれと話をする楽しさを、若い人達に伝えて下さい。

■9月30日の例会では、中心市街地を歩き、モミジをどこに植えたらいいかを考えました。20本ほど候補地を見つけましたので、地主さんと交渉の上場所を決定し、今年中に植栽を完了するということになりました。「まちなかに紅葉を植える趣意書」は別紙の通りです。

■9月24日から29日まで
文化出版局発行の季刊『銀花』が武生を取材しました。絵暦「武生の町屋と商い篇」「武生の気になる庭篇」「武生の路地篇」を基軸にして、わがまちに残る「風流」を探り、その延長上に平成19年、20年の旧暦絵暦を紹介します。『芸術新潮』か『銀花』かと言われるほど上質な読み物ですので、11月末の発行が待たれます。それにしても東京の出版社の編集部が取り上げたくなるものがまだ武生にはひっそりと残っている事に誇りを持っていいと思います。

■10月26日〜28日まで第20回源氏アカデミー(テーマ「源氏物語と風土」)が開催されます。武生は千年前に若き日の紫式部がたった一度都を離れて、過ごした土地です。こういう機会に日本の誇る世界的な古典『源氏物語』と、越前の風土の繋がりを考えてみましょう。

■福井市立郷土歴史博物館で「古典が語る継体天皇」展を開催中です。特に見物は国宝の『日本書紀』(前田本17巻「継体天皇紀」)です。 日本書紀は神話で始まる日本最古の歴史書で、「継体天皇即位1500年」というのも、この日本書紀の記述に基づくものですが、日本書紀は継体天皇の時代から約200年も後に編纂されたものであることは念頭に置くべきでしょう。

■ギャラリー利兵衛で、10月末まで北島重光氏の「越前の茶碗」展をやっています。北島氏は薪の窯に拘って作品作りをしています。




 武生ルネサンス通信 170号 

2007年9月11日

 

9月例会のお知らせ


日時 9月30日(日)15時より17時30分
場所 府中町屋倶楽部
内容 「都市再生モデル調査」事業について
武生市街地の緑化計画について


武生ルネサンス+福井県建築士会南越支部+福井大学(都市計画研究室)+仁愛大学(コミュニケーションデザイン研究室)による「越前市中心市街地再生プラン」が少しずつ進んでいます。今月の例会では、武生ルネサンスの担当分野の「ヤマモミジ植樹計画」を実践に移すよう、計画を煮詰めたいと思います。




■今年は暑い日が随分長引いたような気がしていましたが、二十四節気の白露(9月8日)を迎えたころから、さすがに涼しくなってきました。さて今月の例会は9月30日日曜日の3時から行います。一旦町屋倶楽部に集まった後、市街地を廻り、モミジを植えると良さそうな場所を探しますので、是非ご参加下さい。皆さんのご意見が市街地緑化の第一歩になります。 現在街路樹の剪定作業が行われていますので、そのことについても議論したいと思います。

■もうすぐ「中秋の名月」を迎えます。旧暦では7,8,9月を秋とし、7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋と呼び、8月15日の月を中秋の名月として特別に愛でました。この季節は春や夏に比べ空が澄んでいて、月が1年中で最も鮮やかに見えるようです。今年は9月25日がその日に当たり、月の出は夕方6時半頃になるでしょう。古来中秋の名月は俳句の材料とされてきました。月今宵(つきこよい)、望月、名月、良夜(りょうや)、などと詠まれているのは、全て中秋の名月のことです。またこの日に雲が厚くて月が見えないことを、特に無月(むげつ)と言い、その残念な気持ちを表しました。 現代のように夜の灯りがなかった時代に、月の明かりがどれほど人の生活に深いかかわりを持っていたかがわかります。

■来年の絵暦が現在印刷段階に入っています。毎月が新月から始まる旧暦の絵暦は、出版以来徐々に評判になり、遂に
季刊『銀花』の取材を受けることになりました。『銀花』は暮らしの中の美を見つめ、趣のある生活に誘う質の高い雑誌で、東京の文化出版局が2,5,8,11月に、発行しています。絵暦が越前の暮らしの美と共に、『銀花』11月号(152号)で、紹介される筈です。 また11月3日に東京で開催される「武生郷友会120周年記念」式典の記念品に来年の絵暦が使われることになり、既に100部の予約を受けました。私達が創っている絵暦が越前出身の方々の手に渡ることは、何より嬉しいことです。

■昨年観に行きました人形浄瑠璃公演が今年もまた行われます。森を背景に人間国宝竹本駒之助さんの浄瑠璃語りを聞くのは、何とも言えない趣があります。チラシを同封いたします。

■11月24日越前市文化センターで、松竹大歌舞伎が見られます。外題は「義経千本桜吉野山」

■福井市立郷土歴史博物館で、9月29日〜11月4日まで「古典が語る継体天皇」展が開催され、貴重な古写本が展観されます。




 武生ルネサンス通信 169号 

2007年8月10日

 

8月例会のお知らせ


日時 8月24日(金)19時30分より
場所 府中町屋倶楽部
内容 「都市再生モデル調査」事業について


この前の通信でもお知らせしましたように国の「都市再生プロジェクト」の一環として、
武生ルネサンス+福井県建築士会南越支部+福井大学(都市計画研究室)+仁愛大学(コミュニケーションデザイン研究室)による
「越前市中心市街地再生プラン」が採択されましたので、それぞれのグループで、実践を伴う調査が始まりました。
これについて相談します。




■お盆が近づいて来ました。大変な暑さですが、皆様お元気で毎日をお過ごしでしょうか?
8月26日から9月2日まで、第18回武生国際音楽祭が催されます。我が会の代表上木雅晴氏は、武生国際音楽祭の理事長も務め、その他何人かが音楽祭の実行委員として力を注いでおります。チラシが同封してありますので、開催中の夜は是非音楽祭に足をお運び下さい。チケットの必要な方は、上木、倉橋、山崎、藤井4氏のどなたかにおっしゃって下さい。

■さて今月の例会では、「越前市中心市街地再生プラン」の中の武生ルネサンス担当「駐車場等修景緑化計画」について、議論を深めたいと思います。既に福井大学の都市計画研究室では、若松町の空き家になっていた町家を借りて、掃除をしたり、畳を入れ替えたり、改修の準備に入っています。手を入れることにより、町家の価値と魅力を高め、若者が住みたくなる居住空間を作ることが目的です。
また仁愛大学のコミュニケーションデザイン研究室の学生達は、越前市の中心部にある約50ケ寺について、行事、寺宝、檀家以外の人との交流などの調査を始め、これからのお寺の可能性についても探るそうです。両大の学生は武生の祭りの盛り上げという視点から、9月15日の男御輿、姫御輿を担ぐことも考えているようです。我が会では、市街地に増えつつある駐車場の隅にヤマモミジを植えさせてもらう計画を立てていますが、将来的には家を解体した跡を駐車場ばかりにするのではなく、ヤマモミジで緑化するよう、固定資産税の減免も含めて市に提案していくことを考えています。今回のプロジェクトでは、何処までやれば将来に繋ぐことが可能でしょうか?またロータリークラブやライオンズクラブともスクラムを組めたらいいですね。

■越前市が初めて観光ポスターを作成するにあたり、河合俊成氏が撮影した『絵暦』の写真を採用したポスターがコンペで選ばれました。

■平成20年『絵暦』が印刷の段階に入っています。来年のテーマは年中行事です。新暦採用後は、多くの年中行事が新暦にしたがって催されるようになり、その本来の意味がわからなくなっているものもあります。今回発行する『絵暦』では、旧暦の中で年中行事を考えることにしました。人間の営み全てが自然とのかかわりの中で成り立っていた時代に、月の満ち欠けと生活がどんなに深い関係を持っていたかも年中行事を通して考えてみたいものです。

■7月4日〜9月2日  武家のたしなみ展
福井市立郷土歴史博物館




 武生ルネサンス通信 168号 

2007年7月11日

 

7月例会のお知らせ


日時 7月22日(日)13時30分より
場所 越前市福祉健康センター多目的ホール
内容 まちづくりセミナー
テーマ  [町家再生]京都・御所東団地地域の資源を活用した豊かな住まい・街づくり
講師 松木 一恭氏(地域計画建築研究所)


◎講演が終わった後、府中町屋倶楽部で、一品持ち寄りの懇親会を行い、講演の感想や自分たちが望む「まち」について、忌憚のない意見を出し合いましょう。一品を持ってご参加下さい。




■暦も半分終わろうとしております。武生ルネサンスの『絵暦』を身近に置いておられる方、旧暦との比較や月の形の変化などを楽しんでおられますか?各新聞の中程のページに、週間天気と「あすの暦」という欄があるのをご存じと思いますが,それと合わせて見ていただきますと、毎日の日の出、日の入り,月齢、月の出、月の入の時刻も正確に知ることが出来、一層興味が深まると思います。ちなみにこの欄を切り取って、1週間程をじっくり見てみますと、週間天気予報がしょっちゅう変わっていることにまず驚きますし、月の出る時刻は毎日40分から50分遅れていき、月の入る時刻は、1日に1時間以上もずれがある事が解ります。

■先月の通信でお知らせしましたように、今月の例会は、福井県建築士会南越支部主催の「まちづくりセミナー」に参加することにします。
このセミナーは夕方4時頃に終わりますので、その後、町屋倶楽部で、手持ちの料理を肴に、雑談を楽しみつつ、「住みやすいまち」にするにはどうしたらいいかを話し合いたいと思いますので、是非ご参加下さい。もちろんこの懇親会だけの出席も歓迎です。

■国の
内閣官房都市再生本部が平成15年から毎年、地域が「自ら考え自ら行動する」先導的な都市再生事業を支援するために、国費による「都市再生モデル調査」の対象を募集しています。今年もまた募集がありましたので、5月中旬、武生ルネサンスがでは、福井県建築士会、福井大学(都市計画研究室)、仁愛大学(コミュニケーション研究室)と共同で応募しましたところ、その対象に選ばれました。全国で489 件の応募の中から、157件が選定されたそうです。福井県では1団体のみです。宝くじが当たったようなもので、よくその中に入ったものだと驚いていますし、来年の3月までにこの事業を進めなければなりませんので、正直戸惑っています。会員の皆さんの知恵と力をお借りして、一過性のものではなく、5年先10年先に大きな花が咲くような、実行を伴う調査事業にしたいと思います。この事業を推進するために、応募団体代表者による委員会が、7月1日より1週間に1度、町屋倶楽部で開かれていて、我が会からは、上木氏、小川氏、松井が出席しています。

■7月21日〜8月19日 いわさきちひろ展
福井市美術館(アートラボふくい)

■7月4日〜9月2日  武家のたしなみ展
福井市立郷土歴史博物館




 武生ルネサンス通信 167号 

2007年6月11日

 

6月例会のお知らせ


日時 6月29日(金)
場所 府中町屋倶楽部
内容 20世紀前半の武生を振り返る


今から50年以前の武生の様子や生活がわかるような写真、絵はがき、日記、記録などなんでも結構ですので、持ってきてください。
また知り合いの人でそういうものを持っていそうな人があれば、借りてきていただければ助かります。




■司馬遼太郎著『街道をゆく18』に次のような行がある。
「私は、戦時中、兵隊にとられる直前、武生出身の友人を訪ねたことがあるから、その頃の面影をよく覚えている。美しく護岸された川、その両側の並木、道路の中央を流れる溝川、白壁の家、社寺をいろどる緑、すべてが、江戸文明の秩序美であるように思われた。」
今はまだ、微かながら「江戸文明の秩序美」の片鱗を残しているところもあるものの、あと数年もすれば、それすら消えてしまうのではないかと危ぶまれます。昔から武生といえば火事というほど、大きな火事によって、市街地の大半を何度も焼いています。生々しい形でその記録が残っているものを思い起こしてみますと、嘉永の大火(嘉永5年1852)、明治の大火(明治36年1903)、大正の大火(大正2年1913)があり、その都度、市街地の6,7割が焼失しています。
それにもかかわらず、大火後1,2年の内に元の街並みを蘇らせてきた武生が、戦後、大火にも遭わず、震災にも遭っていないのに、どんどんその姿を変えています。ある日突然家が壊され、駐車場になりますと、そこにどんな家が建っていたのかもわからなくなるのは恐いことです。この状態でまちの活性化を叫んでも、詮無いこと。ここで戦前までの武生をさまざまな記録を見ることによって思い起こし、本当の武生らしさとは何なのかを考えたいと思います。

『絵暦』のこと
映像記録作家として第一人者の姫田忠義監督が、『民俗研通信』で、我が会の絵暦を高く評価して下さいました。コピーを同封しましたのでご一読下さい。この通信の反響は大きく、その後全国から問い合わせがありました。 既に平成20年の『絵暦』作成作業に入っています。今年と同じく旧暦カレンダーで、祝いの年中行事を志田弥広氏の絵で紹介します。

■まちづくりセミナーのご案内(チラシ参照)
福井県建築士会南越支部の主催で、7月22日 「町家再生」のセミナーが開催されます。京都市上京区の、武生の増田長屋によく似た町屋の再生事業は、越前市にも応用出来る点があると思います。武生ルネサンスの「7月例会」行事として、このセミナーに参加することにします。 セミナーは夕方4時に終わりますので、その後、町屋倶楽部で一品持ち寄り夕食会を催し、雑談に花を咲かせましょう。

■福井市立郷土歴史博物館の「越前若狭の大工と絵図、道具」展は7月8日迄です。




 武生ルネサンス通信 166号 

2007年4月25日

 

5月例会のお知らせ


              
日時 5月26日(土)27日(日)
内容  新緑を求めて一泊旅行
26日朝8時半越前市文化センター前集合
行き先  滋賀県坂本の日吉大社西教寺三井寺、大津絵美術館など。
 京都大原の蓮華寺、曼殊院三千院など。
昼食は「鶴きそば」本家でそば、夕食は極上の近江牛のすき焼き。
宿泊 「ホテルピアザびわ湖」(0775-27-7633)
費用 3万円




■4月1日の花見が4月の例会だったことから、通信がちょっとご無沙汰になりましたが、皆様お変わりありませんか。今年は3月の初めが暖かかったものですから、桜(ソメイヨシノ)は3月末から4月に掛けてが見頃だろうと思っておりましたところ、意外や、4月15日の越前市安養寺太陽の広場の桜祭りにもまだ十分桜がありました。現在周辺の山には、ヤマザクラが満開です。ヤマザクラは花と同時にでてくる若葉の色に個性がありますし、花の色も純白から薄紅色まで微妙な違いがあります。これに比べてソメイヨシノは実を結ばず、小枝を台木に接いで増やしますので、世の中の木はすべて遺伝子レベルで同一のクローン植物です。だから春になると一斉に開花して、一斉に散ることになります。その上寿命が60年という特殊な植物です。葉より花が先に狂おしいばかりに咲き乱れるソメイヨシノは、明治以後、それまで花見の中心だったヤマザクラに代わって庶民の人気を集めたようです。 春の足音の後ろにまだ冬が影をひそめてはいますが、周辺の山々にはすでにマンサク、トサミズキ、キブシ、キクザキイチゲ、バイカオウレン等の早春の花が咲き始めています。

■さて、5月は緑の美しい季節です。思い切って泊まり掛けの旅行を企画しました。行き先はどこも紅葉の美しい場所ですので、その新緑がまぶしいことでしょう。比叡山の地主神社としての日吉大社は上七社、中七社、下七社といわれるほど里坊が多く、深遠な雰囲気がありますし、西教寺は武生の引接寺の本山ですし、三井寺はこれまた天台宗門宗の総本山で、古い歴史を持っています。三井寺の周辺を長等山(ながらやま)というそうですが、この季節の長等山散策は、きっと日頃の憂さも飛ぶほどの気持ちよさでしょう。登録有形文化財になっている本家鶴きそばでそばを食べたり、本場の近江牛のすき焼きをつつきながら、杯を交わすのも楽しそうです。また明くる日は、江戸初期、石川丈山作庭の蓮華寺を訪ねてみましょう。茶庭によく使われる「蓮華寺形灯籠」でこのお寺の名前を聞いたことがおありかも知れませんが、ここは隠れた名所です。また引き手、釘隠し、手水鉢など小物に桃山文化の洗練された芸術が見られる曼殊院も魅力です。 バスが29人乗りですので、28人までで打ち止めにします。希望者は早めにお申し込み下さい。

■5月12日から7月8日まで
福井市立歴史博物館で、「越前若狭の大工と絵図、道具」展が開催されます。岩佐又兵衛と俵屋宗達展の後期開催中(5月6日まで)。武生ゆかりの重要文化財「西行物語絵巻」第4巻が出品されています。






 武生ルネサンス通信 165号 

2007年3月15日

 

3月例会のお知らせ


              
日時 3月24日(土)午後2時武生新発の福鉄電車に乗車
「一日フリー乗車券(500円)」を購入して下さい
場所 福井市立郷土歴史博物館
 博物館へ午後3時集合。学芸員の方に展示品の説明を頼んであります。
内容 出光美術館コレクション岩佐又兵衛と俵屋宗達」鑑賞


*花見のご案内 4月1日(日)11時林病院農園前の河川敷に集合。ルネサンス特製おでん作りますので、少なめの弁当を持ってきて下さい。 



■昨年は3月14日に突然30pもの積雪があり驚いた事を思い出しますが、今年もまた満開の梅にはだれ雪が降りかかる景色を見ました。 春の足音の後ろにまだ冬が影をひそめてはいますが、周辺の山々にはすでにマンサク、トサミズキ、キブシ、キクザキイチゲ、バイカオウレン等の早春の花が咲き始めています。

■さて3月の例会は、上記の通り、出光コレクション展を見にいくことにしました。24日はこの展覧会の初日ですが午後3時からですと、担当学芸員が丁寧に展示物の説明をして下さるとの事ですので、この時間にご参加下さい。 時間の余裕のある方は、展覧会鑑賞後、どこかで夕食を一緒に食べて帰りましょう。
今回の展覧会で特別関心のある作品は、福井初公開の重要文化財『西行物語絵巻(全4巻)』(毛利本)です。この絵巻は歌人西行の出家する機縁から諸国を行脚して旅と歌に生きた一生を描いたものです。この第4巻の巻末に烏丸光広が、下記のように奥書をしていますので、現物で確かめて下さい。
「右西行法師行状の絵詞四巻は、本多氏伊豆守富正朝臣所望によって、禁裏御本(宮廷蔵の巻物)を宗達法橋に命じて模写させた。詞書に於いては、予禿筆(へたな文書)を付けた。胡廬(笑い)を招くだろう。
 寛永第七(1630年)季秋 特進(正二位・権大納言)光広 」
俵屋宗達といえば天駆ける風神雷神の姿が描かれた二曲一双の金屏風を思い出されると思います。宗達は優れた確実な作品を残してはいるものの伝記は極めて曖昧です。その中で、越前府中城主本多富正が依頼したこの『西行物語絵巻』の烏丸光広筆奥書が、宗達画の中で製作年代が明確に示された唯一の資料ということになっています。その上、寛永七年に宗達がすでに法橋という位にあったという事実も明確です。本多富正は、ご存じのように徳川家康の命で、松平秀康に仕え、慶長12年に秀康が34歳で歿した時は殉死しようとしたが、幕府から殉死を止められ、それ以後は剃髪して、遺児忠直、忠昌を補佐しました。公卿烏丸光広は秀康未亡人を慶長13年に娶っているので、その夫人によって光広と富正の関係が生じたようです。また富正の依頼で完成した西行物語絵巻が毛利家に伝来した理由は、秀康の娘と、忠昌の娘が二代続いて毛利家に嫁いでいるからでしょう。富正からの献上品でしょうか。




 武生ルネサンス通信 164号 

2007年2月11日

 

2月例会のお知らせ


                
日時 2月23日(金)夜7時半から9時半頃
内容 講演会「天狗党異聞」
講師 吉元吉之助氏(武生ルネサンス会員)
 年会費2,000円をお支払い下さい。(郵便振替:00790-3-8194、名義:武生ルネサンス)

  武生商工会議所会報に連載して話題になっている吉元さんの力作をご存じですか?
今月の例会ではその中から天狗党に纏わる興味ある話をしていただく事になりました。



■我が会発行の絵暦はようやく「睦月」のページを開くことになります。毎月が新月から始まるこの旧暦絵暦は、使い易さを求めず、むしろ旧暦本来の意味を考えようとしたものです。巷には何種類かの旧暦カレンダーが発行されてはいても、ここまで拘ったものは見ていないと、自負しておりましたところ、先日嬉しい評価が届きました。それは昭和30年代から映像による日本の、更に世界の基層文化の記録作業 を続けておられる「民俗文化映像研究所」姫田忠義所長から、「このような深い思いの暦を発行されている団体があったことに感動しまし た。日本本来の文化を考える上で、非常に重要な視点です。」とのお電話をいただいた事です。 その後、姫田監督関係の横浜の方から、是非送って欲しいと、絵暦3冊の注文がありました。

■今月の例会は表題の通り、吉元さんに天狗党論を聞かせていただきましょう。
天狗党の話は、作家吉村昭の小説『天狗争乱』でご存じの方も多い事でしょう。天狗争乱を含む所謂安政の大獄では、吉田松陰と橋本左内が死刑になった事件を思い出す人が多いかもしれませんが、その本筋は、水戸の陰謀摘発にあったようです。 水戸藩が京都朝廷と組んで、幕府を倒そうとしたのではないかという疑いを、幕府なかんずく大老井伊直弼が持ち、反幕的行動のあったものを一網打尽にしてその息の根を止めてしまおうとしたように思います。
元治元年(1864年)3月(旧暦)、水戸学の創始者藤田東湖の子、藤田小四郎が攘夷を唱えて「天狗党」を筑波山に挙兵し、後に、水戸藩内で執政を取り仕切っていた尊王派の武田耕雲齋が加わり、総大将になります。総勢800人を超える大集団の水戸藩脱出、水戸から越前への苦難の旅の末、352人斬首という非情な最期を迎える迄のさまざまなエピソード。吉元さんの 話の中で、この事件の根底に流れるものは何であったのかを考えたいものです。
余談ですが当時の記録をもとに書かれた吉村昭の『天狗争乱』の次の行を読むと、今年のような冬だったのかなと思います。 「12月4日(旧暦)夕刻、大河原村を出発した約半数の天狗勢は、灯明を手にして蠅帽子峠を目指してのぼり、遂に峠を越えた空には一面に星が散り、寒気は厳しかった。天狗勢が奇跡的にも峠を越えることができたのは、いつもは5尺(1.5b強)程の積雪にみまわれる峠に雪が殆どなかったからである。」




 武生ルネサンス通信 163号 

2007年1月17日

 

1月例会のお知らせ


                
日時 1月26日(金)夜7時半から9時半頃
内容 武生ルネサンス総会
会計報告、平成19年の事業計画案、平成20年の絵暦案について、その他
場所 府中町屋倶楽部
 年会費2,000円をお支払い下さい。(郵便振替:00790-3-8194、名義:武生ルネサンス)




■今年は1月6日が小寒で、20日が大寒ですので、今はまさに寒の内。なのにこの暖かさは一体どうしたことでしょう。寒に入って9日目のことを「寒九」といい、本来なら今頃汲む水は「寒九の水」と言って薬になると昔から言われていますが、雪も降らず寒風も吹かない時の水は果たしてその効き目はあるでしょうか? こうも天気がいいと、雪吊りが無用なものに思え、木々を伸び伸びさせてやりたくなりますが、そのうちドサッと、来るのかもしれませんので、油断は禁物。しかし旧暦では今はまだ11月の末ですからこんなものかとも思います。

■今月の例会は昨年一年を振り返って、今年は何をしたいかを、話し合いたいと思います。

■平成18年の事業報告
1月  総会
2月  講演「歴史的建造物を活かした地域づくり」講師 宗澤 公夫氏
3月  越前市今立地区の建物見学・案内 高嶋 猛氏
4月  村国山散策 花見
5月  青葉若葉をめでる
    横田氏「弄庵」でそばと天麩羅の会
6月  御食国小浜で遊ぶ
7月 河野で講演「特務艦 関東の遭難」講師 上坂紀夫氏、河野の花火を見る
8月 休み
9月 能楽鑑賞(ろうそく能)引接寺・シテ 宝生流 水上輝和氏
10月 三国散策、料理茶屋で夕食・ 野外で文楽鑑賞
11月 ミホ美術館行き「青山二郎の眼」
    平成19年版絵暦ケース入れ作業
12月 笑年会


■平成19年用の『絵暦』について、感想が沢山寄せられていますが、その中で特に印象的なものをご紹介致します。
「例年その内容外観に感じておりましたが、今回のは特にデザインや風合い、装幀など『これぞ越前武生』の面目見事で、関係者のご努力の表れと拝見致しました。特に旧暦のカレンダー、奇妙な大安、仏滅なんかより、農事民俗関係はもとより、俳句等の関係者にはすばらしい贈り物と存じます」 (絵本作家 加古里子氏)
「武生ルネサンスの絵暦は毎年すばらしく、私のリビングの定位置に収まっております。」(東大教授 上野千鶴子氏)





 武生ルネサンス通信 162号 

2006年12月12日

 

12月例会のお知らせ


                
日時 12月24日(日)夕方6時半から9時半頃
内容 平成18年笑年会
場所 府中町屋倶楽部
会費 3,000円
ミホ美術館行きの際1万円支払った方は、 残金が1人3,000円ありますので、それで賄えます
申込み 12月18日までにお願いします。




■はや絵暦最後の月になってしまいました。今日(12月12日)は、旧暦では神無月(10月)22日で月齢は21.2です。月齢というのは、新月の時を0として、次の新月までの経過時間を一日単位で起算した日数で、月の満ち欠けの度合いを表します。従って月齢は旧暦の日付とほぼ対応しています。また旧暦では10月、11月、12月が冬ですから今は初冬ということになります。ご存じのように、太陽暦では一年は365日ですが、太陰暦では一年は354日で11日の誤差が生じますので、19年に7回「閏月(うるうづき)」を入れて誤差を補正しています。来年は閏月が入らないので、本来なら春は春らしく、夏は夏らしい一年になる筈ですが、2006年に閏文月が入って、秋が長びき、冬の到来が遅くなっていたため、2007年はその影響で、春の訪れ、夏の訪れが遅くなるそうです。
毎年今頃年の暮れになりますと、TVで忠臣蔵が放映されます。吉良邸への討ち入りは旧暦の元禄15年12月14日夜ですが、新暦では1703年1月30日ということになります。「12月に東京に雪が降ったのかな?」と、疑問に思っておられた人もあるかもしれませんが、今の暦では一月の末の丁度大寒の頃にあたりますので、十分あり得るでしょう。

■ところで平成19年版の武生ルネサンス絵暦はもうお求めですか?来年の絵暦は旧暦のカレンダーを採用していますので、是非手元に置いて、自然と密着した生活を楽しんでください。四季の変化が明瞭な日本の自然の見事さがあらためて感じられると思いますし、歴史的事件も納得のいくことが多いと思います。
後になりましたが、11月25日には絵暦のケース入れ作業に協力していただいてありがとうございました。
日刊県民福井、福井新聞、福井TV、KBS京都ラジオなどで紹介された事もあってか、今年は大変売れ行きがよく、2.000部発行のうち、今現在残部が150部ほどになっております。

■さて12月24日夕方から恒例の笑年会を催しますのでご参加下さい。とある日本料理屋の松花堂弁当にしました。味は十分満足していただけると思います。
一年の出来事を語り合いましょう。

■府中町屋倶楽部の建物が、県が選んだ「ふくいの伝統的民家」に認定され、12月14日にその認定証書をいただきました。




 

平成19年『絵暦 越前建物篇』箱入れ作業







絵暦の箱入れ作業をテレビ局が取材中
■来年平成19年の『絵暦 越前建物篇』ができました。11月25日土曜日、夕方から府中町屋倶楽部にて会員自らが手作業で箱入れしました。
今回の絵暦は、カレンダー部分が旧暦になっています。左側に新暦(いわゆる普通の暦ですね)、カレンダー部分は、月の満ち欠けであらわす旧暦。
旧暦では新月から次の新月までを一ヶ月とします。月の満ち欠けで日付を決めると、暦日と季節の関係がずれてきますので、このずれをなくすために古来考えられたのが「二十四節気」です。この絵暦では二十四節気の説明を脚注にいれています。
この絵暦で、毎日お月様を眺め、季節の移り変わりをお楽しみください。古典や時代小説を読むときの助けにもなります。



 武生ルネサンス通信 161号 

2006年10月26日

 

11月例会のお知らせ


                
日時 11月18日(土)午前8時半出発
内容 MIHO MUSEUM(ミホ美術館)行き
秋季特別展「青山二郎の眼」
集合 越前市文化センター(マイクロバスを運転手付きで借ります)
費用 バス代、美術館入場料、昼食代などを含め、10,000円お預かりして、残金が出ればお返しします。




■10月の例会は、福鉄、えちぜん鉄道と乗り継ぎ、大人の遠足のように車中での宴を楽しみながら三国迄行き、野外の文楽を鑑賞しました。

■来月は信楽の
ミホ美術館へ、特別展「青山二郎の眼」を観に行くことを計画しましたので、ご参加下さい。11月18日頃は山の方は既に紅葉が始まっていると思いますので、道中紅葉狩りも楽しめるでしょう。MIHO 美術館は神慈秀明会という新興宗教団体が信者からの多額の献金(建築費だけでも250億円)を集めて作った美術館ですが、その収集品は非常に質が高く、注目されています。また桃源郷を思わせる山の中に、自然にとけ込むように建物容積の80%が地中に埋没して建っているこの建物は、米国在住の中国人建築家イオ・ミン・ペイ氏の設計です。1989年に完成し、世界的に話題になったルーブル美術館中庭のガラスのピラミッドも幾何学的なデザインが得意な彼の設計です。 今回の青山二郎展は、武生ルネサンスが平成15年に公会堂で開催した企画展「探美 今利休になろう」に通じますので、是非観に行こうということになりました。
茶道具ばかりだった古美術界に若くして新風を吹き込んだ天才鑑定家青山二郎は、「百万から一を掘り出す恐るべき鑑識眼を持った目利き」だったと言われています。青山二郎のもとには、小林秀雄、河上徹太郎、中原中也、大岡昇平、白州正子達が夜ごとに通い、酒を飲み議論を戦わせたといいます。白州正子は彼のことを「生涯を通じて何もせず、何も遺さず『数寄』に命を賭けたと言っても過言ではない」と語っていますし、河上徹太郎は「彼のように美しい倦怠家を私は知らない。倦怠は怠惰とは違う。時にその正反対である。青山ほど勤勉に退屈しているものはいない」と、彼への敬愛を込めて言っています。

■平成19年の『絵暦 越前の建物篇』のケース組み立て作業を手伝ってください。11月25日(土)夕方6時半から府中町屋倶楽部にて。新『絵暦』を一部進呈いたします。
手間作業ですので一人でも多くの方に参加していただけると有り難いです。来年の絵暦は月の満ち欠けを基本にする陰暦を採用しましたので、楽しみにしていてください。明治の初めに新暦が採用される迄の千年以上もの間、日本人のさまざまな生活は、陰暦のもとで行われてきました。今回の旧暦絵暦を片手に古典を読み返してみるのは面白そうです。




 武生ルネサンス通信 160号 

2006年9月23日

 

10月例会のお知らせ


                
日時 10月14日(土)
内容 三国散策、料理茶屋 魚志楼での夕食、文楽鑑賞
集合時間と場所
乗りあって行く人 12時半に越前市文化センター前に集合
個人で行く人 2時にきたまえ通りのジェラード店「カルナ」で待ち合わせ(許可を得てありますので駐車可能)
費用 文楽鑑賞券4,000円、夕食代 2,000円

◇江戸中期から後期にかけて廻船問屋や商家が隆盛を極めた三国の中心街を散策し、大正時代の茶屋の雰囲気を味わえる老舗魚志楼で夕食をとり、野外での文楽を楽しみます。
◇必ず10月10日までにお申し込みを。


■今月初めの「ろうそく能」鑑賞に引き続いて、来月は「文楽」を楽しもうと思いますがいかがですか?同封のチラシをご参照下さい。人間国宝の竹本駒之助師匠の浄瑠璃で、人形浄瑠璃の魅力を堪能出来るまたとない機会だと思います。上演されるのは「傾城阿波鳴戸」の、巡礼娘を我が子と知りながら名乗らずに別れる有名な巡礼歌の段で、深い親子の情を歌い上げる浄瑠璃にはきっと強い感動を覚えるはずです。文楽は近世初頭に大阪で生まれた義太夫節にのせて、人形を操ることによって完成された我が国固有の伝統演劇ですが、所詮昔の大衆芸能ですので、気楽に楽しんでください。初めて義太夫を聴くと、物語のすべてをひとりで語るし、やたらうーうーと母音を伸ばすので、なにを言っているのかわからないかもしれませんが、じっと聞いていますと登場人物の喜怒哀楽を見事に表現する義太夫の言葉が自然と耳に入ってくると思います。
文楽の公演は6時からですのでそれまでに、昭和を代表する作家高見順の生家や、大正9年の洋風建築の旧森田銀行など歴史的な三国の町を散策しましょう。夕方4時半頃に、明治から大正時代にかけて実際に置屋として使われていた家をそのまま料理茶屋にしている魚志楼に上がります。今にも小唄が聞こえてきそうな雰囲気が楽しめます。ここで夕食をとりますので、この日の昼食は軽めにしてきて下さい。 魚志楼から文楽が上演される
ラーバンの森までは車で15分程です。待ち合わせに指定しましたジェラード店は、ラーバンの森(おけら牧場)のオーナーの直営店で、すべての材料が本物にこだわった自家製のアイスクリームを販売しています。

■「南越の近代建築」に関する研修会・見学会のご案内
9月30日(土)1時半〜4時半
会場・引接寺(越前市京町3−3−5)
主催・福井県建築士会南越支部
内容は同封のチラシを参照してください。

福井市立郷土歴史博物館特別展のご案内
9月30日〜11月5日
「福井藩と豪商」(チラシ参照)

■11月例会の予告
11月18日(土)
  紅葉の美しいMIHO美術館へ、骨董の天才的な審美眼を持っていた「青山二郎の世界」を見にいきます。





 武生ルネサンス通信 159号 

2006年8月16日

 

9月例会のお知らせ


                
日時 9月3日(日)20時から
内容 能楽鑑賞(武生国際音楽祭)
ろうそく能「羽衣」シテ(主役) 水上輝和氏(宝生流)
場所 越前市京町 引接寺     

◇能楽鑑賞の後、多分夜9時半頃から府中町屋倶楽部で、水上氏を囲んでの懇親会をしますので是非ご出席下さい。


■毎日うだるような暑さが続いておりますので、今月は例年通り例会をお休みにします。こう暑くては信じられませんが、今年は暦の上では8月8日が「立秋」であることをご存じでしたか?天明8年(1788)出版の暦の解説書『暦便覧』には立秋を「初めて秋の気立つがゆへなれば也」と、説明しています。そういえばこの暑さの中にも、黄色くなった稲穂の上を、トンボが飛びかい、時折雷が鳴り、野原の萩がちらほら咲き始めている事などに、秋の気配が感じられるかもしれません。

■新聞などで既にご存じと思いますが、今年の
「武生国際音楽祭」は、9月2日から10日まで行われます。この時分は涼しい風が吹き、きっと気持ちのよい夕方を迎える事が出来るでしょう。正装して連日音楽会に通ってみませんか。普段とは違う「晴れの日」を過ごすことは何となくワクワクしますし、心豊かになるような気がします。音楽祭本番に先立ち、8月27日は前夜祭として16時から文化センター小ホールで、フラメンコ公演があります。9月3日夜和ろうそくのもとで舞われる能「羽衣」鑑賞を9月の武生ルネサンスの例会とします。
「羽衣」のシテをつとめられる宝生流水上輝和さんは、武生のお生まれで、武生第二中学校、武生高校、東京芸大邦楽科と進まれ、宝生流に入られた方です。福井の能楽堂、今立の薪能などでは何度も舞われていますが、地元武生では初めてのご公演のようです

■この曲目の原拠となった「羽衣伝説」はご存じのように、日本の諸地方に広く流布しています。しかしそれはみな漁夫が羽衣を返してくれないので、天人はやむをえず男の妻になり、子供を産むけれども、そのうち隙をねらって羽衣を取り返し、昇天するようになっています。ところが能では漁夫が天人を哀れんで、自ら羽衣を返すように純化されています。
能の五番立て分類では、これは「三番目物」と、言われています。普通「三番目物」というのは 『源氏物語』などの王朝文芸のヒロインや歴史上の美女がシテで、その亡霊がありし日の恋物語を回想して静かに舞を舞うという構成です。 シテが亡霊でなく、場面が夜でない(これは昼から夕方にかけての出来事)三番目物は、「羽衣」だけです。引接寺での公演の後、町屋倶楽部で、水上さんを囲んで、こんな話をお聞きするのも普段でない楽しみです。どなたでもお気軽にご参加下さい。







 武生ルネサンス通信 158号 

2006年7月13日

 

7月例会のお知らせ


                  
日時 7月29日(土)
内容 河野で上坂紀夫先生の話を聞く『特務艦 関東の遭難』について
河野の花火を見る(夜8時〜9時)
集合場所 越前市文化センター前      
会費 2000円

◇弁当の用意がありますので7月25日までに参加申し込みをして下さい


■蒸し暑い日が続いていますが皆様いかがお暮らしですか。梅雨入りを「墜栗花(ついり)」と書くことで、昔の人は自然を実によく見ていると、感心しておりましたが、梅雨明け宣言が待ち遠しい頃となりました。気象庁に宣言をしてもらわなくても晴れは晴れだし、雨は雨なのですが、何かはっきりさせてもらうと妙に嬉しい気が致します。これも四季がはっきりしている日本ならではの文化でしょうか。

■今月の例会は河野にある林病院の寮をお借りして、我が会員の上坂紀夫さんのお話を聞くことにします。大正13年の冬猛吹雪の越前海岸に激突座礁した日本海軍の特務艦「関東」の最期について、上坂さんは17年もの歳月をかけて資料を収集し、感動的な名著『関東艦の遭難』を著しておられます。今回激突現場を見、当時の貴重な写真も見せていただき、凍えた兵士を胸に抱いて蘇生させた人達の生の声を聞き、先生と共にその歴史的な事件を追いたいと思います。
またこの日は河野の花火まつりですので夜の海に上がる花火を楽しむ事が出来ます。

■平成19年度の絵暦として、現在「越前市の建物」を、志田弥広画伯に描いてもらっています。越前和紙を使った粋なものに仕上げたいと思っています。
また河合俊成さんには越前市の名木を季節ごとに写真に撮って貰っています。
今のところ検討中ですが、旧歴カレンダーを入れてみたいとも思います。絵暦についてご意見がございましたら何なりとお寄せ下さい。

■9月2日より10日まで恒例の武生国際音楽祭が始まります。今年のテーマは「スペインの音楽。モーツアルト、そして武満徹」だそうです。9月3日(日)夜は8時より越前市引接寺で「ろうそく能」が催されることになっておりますので、この公演鑑賞を9月の例会にします。
曲目は能の中でもっとも人気のある「羽衣」で、武生出身の宝生流水上輝和氏がシテをつとめます。お寺の本堂に和ろうそくの炎が揺らめく中、羽衣を返してもらったシテ天人が歓喜の舞を披露する場面を想像するとワクワクしませんか。全コンサート用フリーパスポートは15000円、「ろうそく能」のみのチケットは3000円です。早めに越前市文化センターでお求め下さい。

■8月は例年通り例会はお休みです。

■年会費で通信費用がまかなわれています。振り込み用紙を同封いたしましたので、ごついでの折にご送付いただけますようお願いします。                                                                  





 武生ルネサンス通信 157号 

2006年6月1日

 

6月例会のお知らせ


                  
日時 6月11日(日)
集合場所 越前市文化センター前      
内容 御食国小浜で遊ぶ
会費 1万円(残金あればお返しします)  

◇自動車に乗ってきた人は、文化センター横の市駐車場に入れておいてください。
◇昼 食は福井県立大学小浜キャンパスレストラン、キッチンBO(きっちん ぶ)電話 0770−53−1023


■いつまでも朝晩少々寒いような気候が続いておりますが皆様風邪を引かれてはいらっしゃいませんか。さて6月の例会はいよいよ小浜行きです。25名乗りから33名乗りのバス(運転手付き)に予約替えしました。現在参加希望者が28名です。まだ何人かは余裕がありますので、希望者はお申し込み下さい。

■基本的なコースは下記の通りです。
武生→明通寺→骨董屋→キッチンBOで昼食→三丁町→いづみ商店街→羽賀寺→武生
自由人の多い我が会のことですので、その時の気分や意見でコースが変わることは大いにありえます。明通寺はかなり歩かないといけませんので、体力に余裕のある午前中に入れました。それに比べて羽賀寺の方は、殆ど歩かなくていいので、最後に行くことにします。

明通寺:同元年(806)坂上田村麻呂創建の真言宗の寺で、国宝、重文の宝庫です。鎌倉時代に棟上げされた本堂、三重塔はともに国宝です。山門をくぐって本堂と三重塔を遠近二つに並べてちらりと望み見るとき、誰でも詩境に入った想いに打たれるでしょう。また樹齢500年のカヤの木も見事です。本堂には薬師如来坐像、降三世明王立像、深沙大将立像、不動明王立像など国指定文化財が安置されています。
羽賀寺:昔鳳凰が飛来して、その羽根を落としていったという霊地にちなんで、鳳聚山羽賀寺と名付けられた真言宗の寺です。行基が勅命を奉じて創建した名刹だけに、かつては18もの寺坊を具えたといいますが、今は代表的密教建築の本堂を遺すのみとなっています。中に安置されている桧材一木造りの十一面観音菩薩立像はその艶美な姿と、当初の彩色が極めてよく残っている事で全国的にも知られていますし、千手観音菩薩立像、毘沙門天立像などの国指定文化財も見逃せません
三丁町:若狭と京や丹後を結ぶ街道沿いにある千本格子の町並みは、かつての賑わいを残すお茶屋街です。
いづみ町商店街:鯖街道資料館のあるこの商店街には、鯖のへしこ、小鯛のささ漬、浜焼き鯖、若狭カレイの一夜干しなど伝統の味を伝える老舗が並んでいます。
古民芸つちだ:小浜の骨董屋は浅井郷土民芸館と、古民芸つちだの2軒ですが、浅井は仕入れのため休みだそうですので、つちだへ行きます。

■武生到着はおそらく夕方6時頃でしょう。

■平成18年度武生ルネサンス会費がまだの人は納入してください。
会員は2000円
会友(通信を受け取るのみの人)は1000円
郵便振替:00790-3-8194名義:武生ルネサンス





 武生ルネサンス通信 156号 

2006年5月8日

 

5月例会のお知らせ


                  
日時 5月14日(日)午前10時半
場所 弄庵 (越前市氷坂町3−18)
内容 青葉若葉をめでる会
会費 千円  
まだ参加申し込みをしていない方は、三木までお電話下さい。


■昔からもっともいい季節だと言われている「柿若葉」の頃、青葉若葉を楽しむ会を行います。この「弄庵」と名付けられた山里の隠れ家は、我が会員横田氏の隠居所です。横田氏は2003年秋の武生ルネサンス企画展「探美」をプロデュースしたことからもわかるように、独特の感性の持ち主ですが、このたび氷坂町にある江戸後期の民家を自らの美的センスを総動員して再生し、一つの遊び場をつくりました、私達もその場を借りて、なにをするともなくただ遊ぼうと思います。つきましては気楽な格好でおいで下さい。先月は「花見におでん」でしたが、今月は「若葉にそばと天麩羅」でいきましょう。とっときの玄そばを挽き、名うてのそば打ちが心を込めて打ち、吟味した茹で方で仕上げた絶品のそばを食べていただきます。また天麩羅の方は、今が旬の山菜の外、柿の若葉、ユキノシタ、桜エビなどをこれまた料理の達人が揚げたてをお出しいたします。
おそらく近郷近在では決して食べる事が出来ないほど美味しい天麩羅そばが食べられる筈です。天麩羅の材料で、「これは揚げるとなかなか乙な味だよ」というものがありましたら持ってきてください。

■来月の例会6月11日は小浜へ行きます。
今のところ、まわる所としては、平安初期の十一面観音(重文)のある羽賀寺、鎌倉時代の本堂、三重塔(国宝)を持つ明通寺、古い遊郭三丁町、江戸中期の建物千石荘、骨董屋などを考えていますが、ご希望があればお知らせ下さい。 昼食は、見晴らしのよい福井県立大学小浜キャンパスのレストランでとれるよう予約しました。マイクロバス代、食事、拝観料その他を入れて、1万円お預かりする予定です。昼食の正確な人数を知らせなければなりませんので、5月末までにお申し込み下さい。尚マイクロバスが25名乗りですので、満席に成り次第締め切らせていただきます。

■来年の『絵暦』の準備に入りました。
『越前市の建物篇』になりますが、旧武生市については、以前の絵暦で市街地の建物は取り上げておりますので、今回は周辺地域の建物に重点を置きます

■平成18年度武生ルネサンス会費がまだの人は納入してください。
会員は2000円
会友(通信を受け取るのみの人)は1000円
郵便振替:00790-3-8194名義:武生ルネサンス





 武生ルネサンス通信 155号 

2006年4月3日

 

4月例会のお知らせ


                  
日時 4月8日(土)午前10時
集合 林農園前河川敷駐車場
場所 村国山、林病院農園
内容 村国山散策、花見
会費 千円  

昨年と同じく、春の野草、樹木の芽出しを楽しみながら、村国山を1時間半ほど散策した後、林農園内のいつもの高台で花見をしましょう。 各自弁当持参でお願いします。 花見の賑わいに、また「ルネサンスおでん」を作ろうかと思っています。飲み物は用意しておきます



■涅槃会(3月15日)の頃に降る降りじまい雪のことを、「雪の果、涅槃雪、名残の雪、忘れ雪、」などと言いますが、今年は彼岸も過ぎた3月末に雪が降りました。この寒さをよそに、桜の開花は昨年よりも5日ほど早いとのことですので、予定通り8日に花見をします。神崎家別館の横の道から帆山寺に上って、二輪草やカタクリの群生を鑑賞し、イカリソウやショウジョウバカマの多い帆山観音から、地蔵さんを横に見ながら展望台の所を通って、下へ降りてきましょう。きっと辛夷や椿も見事な花を見せてくれるでしょう。 会員の高橋ますさんは、植物の名前を良くご存じですので、途中教えてもらいながら散策するのは楽しいことと思います。

■3月例会、旧今立町の建物見学の折、時宗の成願寺で見かけた葉の途中から実がぶら下がっていたような木は、シナノキ科のボダイジュとか。(釈迦が悟りをひらいたという木は、クワ科のインドボダイジュで別種)また岡太神社にあった大きな実のなっていた針葉樹はスギ科のコウヨウザンという中国原産の木で、江戸時代に日本に渡来したものだそうです。(高橋ますさん調べ)

■5月、6月の行事内容は、3月の通信でお知らせしてありますが、参加を希望なさる方は早めに申し込んでください。 小浜行きについては6月11日(日)25名乗りのマイクロバスを運転手付きで予約しましたが、まだ内容を決めてありませんので、見たいもの、寄りたい所、食べたいもの、買いたいものなどがありましたら、お知らせ下さい。今のところ、古い町並み見学、原木で作る箸屋、骨董屋立ち寄りなどの希望が寄せられています。また小浜でこの季節だからこそ食べられるというものがあれば教えてください。

■和食では「季節感を大事にすること」が大切な要素ですが、最近はスーパーなどで売られる食材に一年中同じものが多くなっています。
室町時代の小笠原流の料理作法書には、「四季を一季残して三季を盛るなり」と、記されているように、古来日本には現在の季節を中心として、過去、未来のものを一つの膳に盛るという思想がありました。これは、現在のものを「旬」、過去のものを「名残」、未来のものを「走り」として、和食の献立をたてる考えに今も残されています。

■来年の絵暦はテーマを『越前の建物篇』とし、志田弥広画伯に絵を描いてもらいます。現在数ある建物の中から12を選定中ですが、「この建物こそ」というものがあれば推薦してください。




 武生ルネサンス通信 154号 

2006年3月10日

 

3月例会のお知らせ


                  
日時 3月25日(土)午前10時集合
集合場所 府中町屋倶楽部
内容 越前市今立地区の建物見学
講師 福井大学建築建設工学科 高嶋 猛先生  
島会館 ・長谷川医院、・大滝神社、・成願寺 ・ 定友の民家 など。  

午前中に上記の内1つ2つを見て、今立の勘助で食事をし、午後残りを見ます。「昼ながら少々般若湯を」と思う人は、車に便乗してください。
帰りは4時半頃になる予定ですが、府中町屋倶楽部で、おでんを食べながら打ち上げをします。昼と夕とで2,000円ほどをポケットに忍ばせておいていただけますか。志田弥広画伯も参加です。
参加申し込みは、20日迄にお願いします。



■会員の内田さんの「大空の青のこぼれて犬ふぐり」という名句がありましたが、雪の消えた陽だまりには今イヌノフグリが満開です。さて、今月の例会は春の日差しを浴びながら今立地区の建物を見学しましょう。何度かお知らせしておりますように、平成19年の絵暦では「越前市の建物」を紹介するつもりです。ここ5年間、河合さんの写真で、武生の庭、路地、日野川、村国山の『絵暦』を創ってきましたが、来年は志田弥広画伯の絵に戻ります。従って、今回の見学は志田画伯も交えての下見ということにもなりますので、ご参加下さい。島会館、成願寺、定友の民家は中も見せていただくよう、お頼みしてあります。

■既に見られた方もあるかもしれませんが、会の備品として業務用おでん鍋を購入し、府中町屋倶楽部に設置しました。これから会員が集まる時には何かと「おでんで一杯」を楽しもうという魂胆です。今回はまず、腕に覚えありのプロに仕込んで貰いますので、楽しみにしていてください。

■今後の例会予定
4月8日    カタクリ、ショウジョウバカマ、イカリソウの花を楽しみながら村国山散策の後、林農園で花見
5月14日    おでん、山菜の天ぷら、手打ちそば(11時 府中町屋倶楽部集合)
6月11日    御食国小浜を訪ねる。 京都祇園界隈のような千本格子の家々が軒を連ねる三丁町通りをぶらつき、何か小浜ならではの美味しいものを食べましょう。マイクロバスで行きます
4,5,6月の参加についても、早めの申し込みをお願いします。また7月以降の例会でやりたいことや、おすすめ行事があればお知らせ下さい。

■福井市立郷土歴史博物館特別展の案内 
3月25日〜5月7日
越前北庄城主柴田勝家に関する60余点の資料を見ることが出来ます。割引券の付いたチラシを同封しますのでご利用下さい。
■平成18年の会費納入のお願い
年会費 2,000円 郵便振替:00790-3-8194
口座名義: 武生ルネサンス




 武生ルネサンス通信 153号 

2006年2月9日

 

2月例会のお知らせ


                  
日時 2月18日(土)午後7時半〜9時半
場所 府中町屋倶楽部
内容 講演「歴史的建造物を活かした地域づくり」
講師 宗澤 公夫氏(福井県土木部営繕課課長)  

福井県では歴史的建造物を保存・活用することによって、個性的な地域づくりをしたいと考え、いくつかの施策を打ち出しました。1つには、県内に残る485件の歴史的建造物を紹介する報告書を作りました。2つには歴史的建造物の保存・活用に対する補助制度を設けました。3つには県内の伝統的民家を保全するため、基本理念を定めた条例を新年度から施行します。



■節分が過ぎ、立春を迎えますと、太陽の光に春が感じられるといいますが、現実はまだまだ寒く、これからも大雪のおそれがあると聞いております。日溜りに蕗の薹を見つけることができるのは今年はいつになるでしょうか。

■平成18年度上半期の例会予定

1月27日(金)総会(会計報告)新年会
2月18日(土)宗澤氏による講演(歴史的建造物を活かした地域づくり)
3月25日(土) 今立地区の歴史的建造物見学
4月? 日    村国山散策の後、林農園で花見
5月? 日    氷坂の弄庵(横田氏別邸)に遊ぶ(山菜の天ぷら、そば、など)
6月? 日    御食国小浜を訪ねる

■思い返してみますと、武生ルネサンスの前身「武生の文化を考える会」は、平成4年に「公会堂の保存・活用の提案」と、「文化4年建築の大井家の保存」を目的として発足しました。
「文化遺産は次の世代への預かりものであるから。自分達の代で勝手に壊してはいけない」というのが私達の基本的な考えでした。
平成11年から3年間、福井県建築士会南越支部の人や福井工業大学、福井大学、地元の武生工業高校の先生、学生達と共同で、武生市街地の悉皆調査をして、使えるデータとしてまとめたことが、今回の報告書中の武生地区の記述に大きな貢献をしています。
このプロジェクトを進めている県の責任者が宗澤公夫氏で、伝統的民家の保存・活用に関する条例制定に向けて発足した「福井の伝統的民家懇話会」の委員長が吉田純一氏です。両氏とも私達の町並み調査をリードしてくださった人です。 町並み調査を始めた時から見ても、多くの町家が壊され、駐車場になっています。些か遅すぎる感はありますが、今歯止めを掛けなかったら、どこのまちも本当に記憶喪失のまちになってしまうでしょう。地域振興事業も各地区で進められ、「お宝マップ」などが作られています。会員以外の地域の方にも、2月の例会に参加していただいてはいかがでしょうか。どなたでも歓迎ですのでお誘いください。

■平成18年の絵暦があと30部ほどあります。必要な方はお電話ください。
(0778−23−1834)

■平成18年の会費納入のお願い 年会費 2,000円 郵便振替:00790-3-8194 口座名義: 武生ルネサンス




 武生ルネサンス通信 152号 

2006年1月12日

 

1月例会のお知らせ


                  
日時 1月27日(金)午後6時半〜興尽きるまで。宿泊も可。
場所 府中町屋倶楽部
内容 平成18年総会および新年会
会費 無料  

武生ルネサンスと府中町屋倶楽部の合同新年会を行いますのでお誘いあわせの上、ご参加下さい。 会員には料理上手の人が多く、12月の笑年会の時も料理屋の弁当が霞んでしまうほど手作りのものが美味しかったので、 今回は弁当を取らないことにします。何か一品持ってきてください。



■あけましておめでとうございます。 武生ルネサンス設立以来14年目の正月になりますが、この間すっかり暖冬に慣れきっていたため、もともと雪国なのにいつの間にか雪に対する備えを怠っていました。既んでの所で府中町屋倶楽部も屋根の雪下ろしを考えないといけないほどの雪。焦りました。皆様大丈夫でしたか?

■今月の例会は、総会と新年会を行います。 昨年1年を振り返りますと、みんなで飲んだり食べたりしながら随分愉しい時間を過ごしました。1月、2月は麦酒、焼酎、ワインの闘酒会を行い、3月は越前府中まちなか博物館めぐり、4月は村国山散策と花見、5月は怪奇骨董音楽館見学、6月は鮎と残り蛍鑑賞、7月は暑いからとお休みにし、8月は絵暦の写真選び、9月は悠久ロマンの里で蕎麦を食べ、10月になり少しは勉強らしいこともしようと、朝倉氏遺跡資料館で、一乗谷出土の掛花生についての講演を聞きました。11月は絵暦のケース入れ作業。この作業には30人以上の会員が参加してくださいました。そして12月は恒例の笑年会で、それぞれが「これはみんなに見せたい」という物を持ち寄って、大いに盛り上がりました。さて今年は何をして遊びましょうか。新年会でご提案下さい。

■新聞でご覧になったかと思いますが、越前市第1号の「市文化功労者」団体の部に武生ルネサンスが選ばれました。会設立以来のさまざまな活動が評価されたようです。表彰式が1月20日午前10時半から駅前のパレスホテルで行われますので、お時間の許す方は出席してください。

■絵暦に対する感動のお便りを紹介します。
「懐かしい故郷の山河がこんなにも素晴らしかったのか今度初めて教えられました」
「絵暦の頁をめくっては懐かしい故郷の情景を思い起こし心和ませております」
「デザインといい内容の風韻、配備といい、さすがは武生ルネサンスのお集まりの作品」
「お示しの地域は旧制福井中学2年の時38式歩兵銃を肩に教練遠出させられた地に近く、懐かしく拝見しました」
「四季折々の姿に往時の思い出を重ねて合わせて見入ったものでした。大雪だった1945年の冬、なだらかな山道でスキーをしたこと。1954年の秋、クラスの半分近くが授業をエスケープして山頂の公園に集まって語り合ったことなどを思い出しました」
「1月の村国山の日の出は武生のイメージがいっぱいです。」

■平成18年の会費納入のお願い 年会費 2,000円 郵便振替:00790-3-8194 口座名義: 武生ルネサンス






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